大学生の就職について 2004・8・5
就職が決まらない。どうしたらいいのか!今、学生も教師もこんな悩みを持っている。
いったいいつからこんなことになったんだろう?こんな状態は少なくともここ数年は続いている。
いったい何が起こっているのか?企業が人を雇わないのだ。なぜ雇わないのか?「景気が悪い」からだ。なぜ景気が悪いのか?バブルの後始末が長引いているからだ。バブルって?過剰な投機をあちこちにしてしまって、いらないところに物、人、借金を抱え込んでしまったのだ。これらを「いらない」ところから「いる」ところに移していかなければ行けない。だが、それがなかなか進まないように見える。もうバブル崩壊からだいぶ経つのに、景気はまだ回復しない。なぜなのだ?
以前の景気回復過程と違うところ、それは世界、日本のグローバル経済化しか考えられない。企業は今、儲けを海外に持っていき、そこに工場を作る。以前なら国内に作り、だから求人も増えていた。こうして、景気回復の果実が実りかかると、それが海外に流出している。これが今起こっていることだ。
「世界規模の競争に勝つためには、世界規模で見てコストの安いところで生産するしかない。」企業はこういう。もっともだ。しかし、国の中では困っている。企業の儲けが国内に投資されない。外に流れ出してしまう。その分、国内景気の回復は以前より遅れる。所得は増えない。国内に残った企業は、増えない所得を奪い合うために、少しでも価格を安くして売ろうとする。そのために何が起こるか。「コストの切り下げ」である。その大きな部分は賃金である。「賃金を減らせ。人件費を減らせ。」この大号令の下に、人減らしが始まる。「正社員は増やすな。安いパートで行け。」こうして退職者のあと、正規社員は補充されない。新卒者は採用されない。仕事が同じでも、今度はもっと安い派遣社員、パートでまかなえ。これが今、「就職が決まらない」ことのメカニズムなのだ。
ではどうしたらいいのか?何ができるのか?しかし、おかしな話だ。片や、働きたい健康な若者は一杯いるのだ。それなのに働くところがない?変な話だ。だが、どうしたらいい?働き場所を作ることはそんなに難しいのか?
従来型の企業は、上のように縮こまっている。こんな異常な大人社会には見切りをつけて、若者よ、自分たちで、明日を切り拓こう。かつての体験から出ることができず、新しい状況にどう対していいかわからない、子どもを助けることもできない今の大人社会には見切りをつけよう。(とはいえ、ちょっと言い過ぎか?「これまでの企業」もそれなりに考えてはいるとも言える。中高年で子どもたちを抱えている大変な世代の首はできるだけ切らない。彼らにはそれなりの給料を払おう。若者は雇えないが、その分、若者よ、親に食べさせてもらえ。客観的にはこういうしくみになっている。)
彼らに期待はできない。若者よ。自分たちで何とかするしかないぞ。さあ、どうする?
どうしたらいい?自分たちで生きていく、働いて生きていくには、基本的に二つの道がある。
一つは売れるものを作って、売る。それで欲しいものを買う道だ。今の世の中、既存の企業には頼らずに、自分たちで何かできるはずだ。今、欲しがられているものは何だ?自分が作って売れるものは何だ?それを考えてみよう。熊本の農業高校の豚味噌の缶詰もヒントになるか?
働いて生きるにはもう一つの道がある。そう、自給自足の道である。幸いにも(!)、日本には多くの耕されていない土地がある。生きていくために一番大切なもの、食料は、土地を耕しさえすれば手に入る。若者は体が強い。地方で、余っている土地を安く借り、食べ物を作ったらよい。大都市圏への人口集中は続いている。だが、惰性で、過剰に進んでいるのではないか?もっと日本中に住み良い町、村を作ったらどうか?そう思う人はもうたくさんいるだろう。
・・・大学の農学部は、これを教えたらどうか?4年生で就職が決まっていない学生には、農家との橋渡しとなって、田んぼ、畑を貸し、耕し方を教えてあげたらどうか?これは余談かもしれないが、ともかく、自給自足は、今の日本ではやればできる。きっとできる。できるだろう。できるのではないか。できるかもしれない。