経済政策総論 『社会システムとしての市場経済』 質問・感想の紹介

 

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 2010年度後期 期末試験の解答について

若干の抜粋とそれについての考察                          201129

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 0617001841 君の解答について

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 無知のヴェールについて述べよ (以下で最初に「 」で引用したものが学生諸君の解答からの抜粋。[ ]内が塚田の考え。)

・「もしルール決定時前に一人ヴェールを被りその件に一人で決定を下しロールプレイしてみた場合、そのヴェール使用時の決定は皆が同様に考える決定となる。ならばその決定を参考にしてルール取り決め後できるだけ不利にならないように事前準備する人もいるのではないか?」(回答からの抜粋。)

[どのような準備が可能かを考えてみよう。格差原理による分配に関して、たとえば自分は能力の高い方にいると事前に知っているとする。そして格差原理が適用されるときは能力が高い方がより多く受け取ることができると知っている。そして自分はより多く受け取ることを好むとする。すると事前にできることは能力を高めておくことである。だが、格差原理にしたがえば、ある程度以上に高めてもそれ以上の能力の発揮はその時点で受け取る以上の受け取り分をもたらさない。(能力を伸ばすことは自分の負の効用も増やすとする。そのためにはつらい努力が必要であるとする。)その時、もし自分が<ある量以上働いても自分の受け取り分は増えないならばそれ以上は働きたくない>、と考える人間である場合は、その労働量に必要とされる以上の能力は伸ばさないことを選ぶことができる。]

[(関連する考察)  格差原理による分配によるとある社会において下図のAAが最適な状態だとする。横軸はその人間が恵まれている度合いを低から高までの能力で示す。縦軸は受け取り分である。このAAの状態に至る現実の過程を考えよう。事前に(ロールズの想定するような[1])無知のヴェールを被ることで格差原理という分配ルールを決定できる。しかし、それを実際に実現するときは、一度でAAという分配状況が実現することは少ないだろう。むしろ試行錯誤の過程となるだろう。この時BBAAに比べてより多く能力を発揮すればするだけ自分の取り分が増えるが、恵まれない人のそれは減る場合であるとする。但し、この時、恵まれない人の取り分は平等分配の時よりは多いとする。

 


                                                B

C                                              A

A                                              C

B

 

 


 低                                高

格差原理を選んだので、この社会の人々は他のどのような状態からでもAAの状態に移ることに従う可能性が高い。これは一般に、多くの人は自分たちで決めたルールの結果には従うべきだと考えるであろうからである。だが、この場合にはどうか。この試行錯誤の過程ではすでにヴェールは脱いでおり、自己が誰か、どのような能力を持っているかは分かっている。そのとき、まず、BBが先に実現した後ではそこからAAに移ることに対しては高能力者が抵抗するのではないか。また、CCが先に実現した後では、AAへの移動に対しては今度は低能力者が反対するのではないか。これらはともに人間が一般的に既得の利益を失いたくないと感じるであろうことからそのように推測できる。そして、その感情は、かかわっている利害が大きいほど、いったん決めたルールでも覆そうとするほどの力を持つのではないか。また、実際の政治の場面では、多数決が物事を決めるのであるから、多数者がこの態度をとる場合は特にこのような決定の変更が生じうるであろう。したがって、契約による原理の決定とその実現の場面とのいわばかい離の可能性といった問題を十分に検討する必要があるのではないか。

なお、後者(CCからAAに移動できない)の場合、高能力者は働くことをやめるか減らすかし、その結果、A’A’のラインか平等分配のラインが現実となるかもしれない。これは社会全体として悪平等により労働意欲を失う人がたくさんいて、全体としての生産量も非常に少ない状態である。]

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 0717004087 君の解答について

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 なぜ人々は友愛的行動をとるのか

・「自分が社会的弱者であった場合ということはつまり、相手の立場に立ってものを考える、ということなのではないだろうか。…そういった考え方を持つためには、自己の視点を拡大させることが必要なのではないだろうか。…自己と社会、自己と他人、自己と家族、そして将来世代といった広範かつ長期的な視点を様々な関係の中からもつ、…」

[このような他者を自己とよく似た存在として認める、あるいは他者に強く共感するという意味での空間的、時間的視点の広がりが人間行動の広がりとともに生まれてきたと言えよう。その際、注意すべき点の一つは、178世紀ごろからあと、人間が採用してきている経済活動の方法である市場経済機構・ルール・機能とその結果が、このような共感の広がりを抑えたり迷わせたりする効果を生んでいないかという点である。つまり、市場機構の核である<企業間競争を勝ち抜くということ>、そしてその指標としての利潤極大化が、実は人間存在の一部ではあるがしかし一部でしかない<市場経済における、市場経済の範囲にのみ適した人間関係、人間行動>を人間存在全体に優越させ、結果として人間の全体としての満足を減らしている、あるいはその伸びを抑えているということはないか、という点である。]

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 0917002776 君の解答について

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 ロールズの正義について述べよ

・「(講義内容の紹介)現在の日本社会は、慈恵心の欠如により潤いのない社会となっている。そのためいじめや過労死などの問題が出てきている。この問題を解決するためにも正義の原理が必要となってくる。」

[これについては次のように考えられる。

 市場経済における人間行動

 → その結果(の一部)

1、景気変動→不況期→貯め込み行動→慈恵心の抑制(対弱者)

  2、企業間競争→被用者を手段視  →慈恵心の抑制(対被傭者)  ]

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 0917002776 (続き)

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・「実際の社会の中で全員が無知のヴェールをかぶるというのは不可能ではないかとも思う。だが、もし世界的に全員が無知のヴェールをかぶることができたなら、…すばらしいと思う。」

[自分に有利なルールを提案しないということはより多くの人、できれば全員が合意するルール作りを可能とするための一つの方法であろう。この時「自分の目的」をどう考えるかがルール作りのために重要である。ルール作りが問題となるのはルール必要性がすでに存在しているからであり、ルールの必要性は人間間の衝突が前提とされており、人間間の衝突とはそれぞれ自立して生きる人間が同種の希少財をめぐって争う可能性を前提としている。つまり、自立して生きる存在、すなわち自分の目的を持っている存在、人間を前提しているのである。この時の「目的」の中に他者がどのように入ってくるかが重要な問題となる。その内容次第で、そこでの自分とは孤立した存在なのか、それともA.スミスがある程度重視し、しかし社会形成の主柱の一つとするのはためらった、「他者(少なくともその一部)の感情と共感する自己」なのか。これをどう考えるかによって、たとえばロールズの正義の原理の第二部分、すなわち格差原理を正しいと見るかどうかの判断が異なってくる。たとえば共感の存在を前提すれば、高能力者は今より多く働き、その成果を自分の取り分が減っても低能力者により多く与えるという分配方法を選ぶ可能性が生まれるかもしれない。そしてこうした共感を内包する自己が実際に拡大してきているとすれば、それはルール決定の際にも、他者への配慮の部分が大きくなっていくことを意味し、それは「誰にも偏らない」ことを目指すロールズの無知のヴェールが現実の歴史の推移の中から生み出される可能性を示していると言えるのではないか。]

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 0917000314 の解答について

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・「…企業側・経営者側からすれば、安い労働力を買うであろう。…」

・[上の、一般に「安い商品を買う」ことは、企業だけでなく消費者でも同じである。これは市場経済の中で生きていく場合、最も多く行われる行動である。だがそうでない場合もある。たとえば近所の店から遠方の店と比べて割高なものを買い、逆に自分の店の割高なものをその店に買ってもらう場合である。ここには商品の消費からだけではない他の満足感、例えば隣人の存在、交流の楽しみ、相互の安全保障、といったものからのそれが考慮され、行動の動機となっている。人間の行動はその時点で貨幣価格に換算できないいろいろなものからの満足も総合して行われている。比較的低所得の国々の人々を応援する目的で彼らの生産物を輸入し、購入するフェア・トレードもその一例である。このような動機は人間行動のかなり奥の原因となっており、人間行動を理解、改善する上で十分留意せねばならない点である。だがこれらは貨幣価値に換算することが難しい場合が多く、しばしば意図せずに軽視されやすいのものでもあろう。こうした点から、たとえばTPPといった問題も、その重要部分である農業についても食糧安全保障や自然の美観の保存といった要素を含んでおり、こうした諸要素を含む広い視野からの満足を最大化させる問題の一つとして考える必要があろう。]

 

 

 大学の授業料の無償化について

 (非常に多くの人がこのテーマを選んだ。以下、同テーマに関する若干の考察。)

1)私的利益の問題

・高等教育を受けた人には、受けなかった人と比べて、個人的な生涯所得増という効果も多くの場合生まれる。→だから、ある程度の授業料は必要である。

[このような解答、考え方が数名あった。だが、これも23人が指摘していたが、この効果は「大体」であり、必ずではない。すると受けた教育からこの効果を得られなかった人を除いたうえで「所得増効果に対する授業料」を集めるべしということになるが、この効果の有無をどう判断できるか。それには大学教育の効果以外の効果もあるだろう(たとえば生来の資質の差)から、この効果の抽出は非常に難しい。

 この問題に対しては、大体という精確性(precision)の程度を考慮し、一般に高学歴者に多い高所得者がより多くの税を払うことで彼らの、教育からの個人的受益分の代償は「大体」支払われたと考えるのが現実性がありよいのではないか。

 もうひとつ、公共財の特徴からこれを公費負担とすべしとの論理も考えられる。公共財は、<社会において重要な財であって、その消費から全員が利益を得る(もしくは得る可能性がある)が、だれがどれだけ利益を得たのか分からないもの>である。上の教育効果についてはこの条件が当てはまる。]

2)勉学意欲の問題(1)

・授業料を払わないと、教育のありがたみが薄れ、勉学の効率が下がるので、授業料は(一部とはいえ)必要である。

[これは落第、退学等、評価を厳しくすることで防げる。]

3)勉学意欲の問題(2)

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0917001705 君の解答について

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・「私は国立と私立の授業料の格差は必要だと考える。…国立の授業料が安いことにより国立を目指す者が多くなれば、競争率が上がり、たくさん勉強するものが出てきて、国内に賢い者が増えることにより国家として成長することができる。」

[この効果は確かに期待できよう。だがそれは2の評価を厳しくする方法で達成できる。]

4)教育の機会の重視

(教育の機会の平等を重視する考えが数件あった。)

[これは、市場と社会の関係に関する問題である。市場のルールは「販売競争」である。だがこの行動形態は私たちが住む社会共同体の、大きくはあるが一部に過ぎず、社会全体は、市場を通した人間関係を含む、より大きな、全体としての人間関係である。教育機会についてもまずそれが社会全体の中でどこに位置づけられるべきかを考えねばならない。<社会を作って生活している動物としての人間>にとっての教育の役割、意味という視点から。]

5)子供たちへの期待について

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0917002730 君の解答について

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・「現代市民社会における教育の本来の任務はその社会の形成に際して中心となる子どもたちを、その担い手として育成することにあり、…」「しかし…近年ではこの教育の基本的任務が軽視される傾向にある。この社会の担い手としての子供たちへの期待の薄さが、教育に対する公的負担の弱さ(となって)表われているのである。」(一部校正)

[この感じ方、考え方が正しいとすれば、「日本の社会は子供たちへの期待が薄い社会」だということになる。これはある意味で当たっていて、ある意味で間違っていると言えよう。まず、間違っているというのは、どの親でも自分の子供が成長することへの期待は昔も今も変わりないであろうからである。だが、当たっているというのは、これははっきり言い切れることではないのだが、子供を育てることへの自信が現在の日本社会の大人たちの間で弱まっている部分があるのではないかということである。それはつまり、どのような人間に、どのようにして、育てたらよいのか、についての自信である。その一つの理由は子育てが「昔と比べ、孤独な両親のみの仕事になっていること」*[2]にあるのではないか。また、この、目指す人間の姿と、その方法(育児、子育て、教育)は、長い間、地域社会の中で周囲の大人たち全体の協働作業として受け継がれ、行われてきた。しかしこのような地域共同体的社会は高度成長過程と大きな人口移動の中で弱まってきたと言えよう。また、特に、「どのような」の問題は、教育費用、特に高等教育費の高騰ということがこれを難しくしている面があろう。]

 

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 2009年度後期

 質問と回答、感想等の紹介

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102

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1013

1016

1019

1020

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1027

1030

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1110

1113日 1 

1117

1120

1124

1127

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1211

1215

 

 

 

 

 2008年度後期

 081022

   (→の右側は私のコメント。回答できていないものも多いが、今後回答を増やしていきたい。)

 (2001年度、2004年度の質問と感想をまとめたものが中心。これにその後の年度の質問も少し加えている。)

 

○評価方法

 

・予習ノートは範囲の要約か?ある項目の調査か?→要約。

・ノート提出は内容で点が変わるのか?→あまりひどい場合のみ減点。真面目にやればまったく問題ない。

・カラーで色分けしたほうが良い?図、箇条書きがあっても良い?→よい。

・手書き、ワープロ、どちらでもよいか?→よい。

 

・期末試験の内容は?→講義の内容から自分で作成する。(○○とは何か? ○○について述べよ。など)

・教科書は買わないと授業、試験についていけないか?→買う、借りるなど、手に入れてください。

 

 ?景気循環について:好況と不況の波はどのような要因のもとで発生していくものなのですか?

 

→1、私の専門領域ではないので、できれば専門の講義(たとえば2008年度は景気循環論、中村保先生)で学んでください。

 2、お勧めの本としては、置塩信雄ほか著、『経済学』大月書店、の第9章、恐慌、景気循環、の章を読むのもよいでしょう。200810月現在、ちょうどアメリカから波及した世界同時不況が大きな問題となっています。今、新聞などでも多くの特集が組まれているのでそれを読むのもよいでしょう。

 3、今ここで、私の不十分な知識であえて少しだけ説明しようとすると次のようです。

1)循環の波は競争の行き過ぎが主因である。つまり市場経済では各企業は利潤が上がるとそれで自分の企業の規模を拡大して、他の企業に勝とうとがんばる。全体として生産は増え、雇用も増え、その社会の生活水準は上がっていく。

2)ところがどこかで行き過ぎが起こり始める。その行き過ぎとは、一つは企業によるお金の借りすぎである。企業は他の企業に勝つために借りられる人からはお金をどんどん借りて、競争に勝つために使う。景気がよいときには周りの人々もどんどん貸す。まさか帰ってこなくなるとは思わない。

3)ところがどこかである企業が大きく失敗する。たとえば、絶対売れ続けると思って拡大した工場の製品が、作りすぎたとわかる。するとこの企業は破産する。この企業にお金を貸していた人たちもそのお金が返ってこなくなるので経済的に大変苦しくなる。生産も、雇用も、消費も抑えられ始める。この下向きの波が社会全体に波及する。これが不況である。

4)この波は、しかし、どこかで上向きに変わる。どこかである企業の利潤が回復し始める。それは一つは賃金の動きからかもしれない。不況の中では失業者が増える。賃金が当然下がる。企業の製品価格も下がっているが、ある時点で、価格以上に賃金が下がると、企業の利潤は回復し始める。それが社会のあちこちで起こり始め、全体に波及する。上向きの波が起こる。回復と好況への波である。

5)1929年大恐慌の後、こうした「行き過ぎの波」を平均化しようと、各国で工夫が行われてきた。作りすぎを防ぐため、「過熱」の兆候が見えたら金融・財政政策で冷やそうとしたり、不況に向かい始めたら、やはり金融・財政政策で政府が貸し手となったり買い手となったりして民間の利潤回復を早めようとしたり。

 しかし、・・・現在、サブプライムショック後の世界同時不況の兆候が見られています。まだ世界では景気の波をうまくコントロールできていないということでしょうか?

 

 ?マルクスはなぜ資本主義社会は避けられないと考えたのか?

 

 これについては、彼はたしかに『共産党宣言』の中の「共産主義の原理」の中で、資本主義社会が、封建時代の次に生産力を大きく発展させることのできる唯一の体制だと述べている(「…原理」の問答の15番目の項)。(大学図書館に文献あり。)

 だが、なぜそうなのか?この点ははっきりしない。たとえば、封建時代のあと、すぐに社会主義や共産主義の社会、つまりは計画経済の社会を作とうとしても、それは可能ではない、というのだが、なぜそうなのか?

 彼はおそらく、まず、大きな社会の生産力を共同で運営するのが社会主義などの社会であると考え、次に、そのような巨大な生産力は、市場経済を通した資本主義社会でなければ発達させられないと考えている。また、そのような巨大な生産力を運営する力も、この市場経済での生産と分配の仕組みづくりを通す中でのみ、人間は初めて身につけることができると考えている。

 だが、なぜそうなのか?たとえばある封建社会の国が今ここにあって、その国は現在の発達した資本主義の社会を目撃していて、そこから直ちに、いわばそのような巨大な生産力の社会と統御の方法から学んで、直接に社会主義などの社会を作り出すことはできないのだろうか?

 

 

 2001,2004年度

 

 導入 (初めの34)

 

○講義の概要説明についての質問、感想

 

・一つの国を扱うのか?→No.多くの国に共通な基礎的部分を。

・「生産し、分けよ」から「生産し」が残ったところが人間の本性をあらわしているようだ。

     ヴェーバーの主張は正しい。

     ヴェーバーの主張は仰々しい。

 

・ボーダーレス化とグローバル化の違いは?→難問。図参照

・競争激化でプラスとなったことは?→進出先の経済発展。(マイナスもある。投機目的の資金の動き。)

・資本主義経済では貧富の差は避けられないか?→どの体制でも。ただし、納得できる差が目標。

・(グローバル化前)政治と経済が一体だったというのは?→企業が国内中心で活動していたときは、政府の言うことを聞いた。

・国立大法人化の目的は?→大学への規制緩和。競争強化(競争資金を増やす。)+公務員数削減。

・どの外国を見たら(訪問したら)よいか?→選び方はいろいろある。例)経済的豊かさ、宗教、地理的配置を組み合わせて選ぶ。

→私の経験

  欧米     スウェーデン デンマーク スペイン ドイツ UK US 

   アジア      バングラディッシュ フィリピン 中国 韓国

・「私の問題意識」の説明はすでに授業の本論の一部か?→Yes

・イラク戦争の原因に経済的理由があるのか?→中東地域の安定(例:イラクのクウェート侵攻)はイスラエルの安定・石油供給の安定につながる。

 

・ゼミで社会科学を学んでいるので興味深い。

・研究視点が公平。展開がおもしろい。実社会に広く役立ちそう。

・あまり考えたことがないことを考えるのでおもしろい。

・今までばらばらの分野と思っていたものが大きくつながっていることが印象的だった。

 

・用語

 消費性向

 有効需要

 収斂

 小さな政府と大きな政府 分ける基準は?→明確なものはない。

・有効需要が減れば失業者が減る→増える。

・買いたい物がなくなっていくのなら、新しい商品を開発するしかない?→働かないという選択もある。

・今、経済におけるほとんどすべてのことは理論付けされているのか?→難問

・社会主義国家が資本主義の方向へ進んでいるのは、社会主義化が早すぎたせいなのか?

→その可能性はある。マルクスも、資本主義が発達しきったら社会主義化するといってい

た。

・社会主義と共産主義の違いは?→本来は、生産力発展による応能分配か応用分配かの違い。

・(三人の学者)いろいろな人がいろいろな見方をしていたんだな。

・競争→過剰生産→不況、は納得できた。(複数)

・将来、在庫管理の徹底で不況を回避できるのでは→企業間競争はなくならないから景気循環は回避できないのでは?

・資本家が労働者に不払いをすると、社会問題にはならなかったのか→文句を言うと首にされた。そこで労働組合ができた。

・現在の経済学で、マルクス経済学はどれくらい必要か→歴史的視野、景気循環論、搾取論は有効。

・マルクスは資本主義から社会主義への転換をどのような根拠で説明しているか→生産関係と生産力の矛盾。(恐慌)労働者階級の成長。

・所得格差を埋める政策は→5章、公正分配、6章、慈恵分配。

・ケインズの(格差大)の括弧の意味は→少しだけ触れている。

・経済発展をすると消費性向は本当に下がるか(複数)→生産力が発展し、それに将来の不確実性が加わると貯蓄が増える。社会保障などで将来の安定性が増すと消費性向は上がるかもしれない。

 

・日本は現在G7に入ろうとしている?→Yes

GDPは2位だと思ってました。→Yes. 3位は貿易量です。

・中国が成長して賃金が上がったら、安い労働力が確保できなくなって日本経済にマイナスでは?→Yes。だがそれに対して賃金を下げよということはできない。

・中国の貧富格差拡大で、以前の社会主義(計画経済?)に戻る可能性はないか→(ドイツ、東側の人たちの言葉紹介。)おそらくないのでは?

・将来、資本主義経済では、ロボットが世界を支えるようになるのでは?→(179ページも参照)可能性あり。

 

○ 「経済問題の鳥瞰図」について

 

・予想以上に複雑だ。⇔見やすい。

・経済と分配の問題にいろいろな要素が関係していることがわかった。(以下、その内容)

 「経済は人によって動かされているのだ」

 「経済はつながっているから、世の中はうまく回るんだ」

 「市場には公正感が大切だ」

 「助け合いが大切だ」

 「教育は無償であるべきだ」

 「年金は積み立て方式がよい」

 「プール説、結構賛同した」

 「生得資源、印象的」

 

○ 漫画、歌、写真で社会の動きを見ることについて

 

・歌や漫画を分析するというのは新鮮だった。

・年代別の経済、漫画、歌を一覧にした表は始めてみた。わかりやすかった。

・人の精神は時代の影響下にあるというのが理解できた。

・漫画と歌で、当時の人々が何を考え、思っていたか少し理解できた。

・歌や漫画は社会の鏡のようなものなのだな。

・日本の政治・経済と漫画・歌などの文化の関連に興味がわいた。

・漫画や歌など身近でかかわりやすいものからも時代の動きを考えてみたいと思った。

・戦前のことを経済も含めて調べてみたくなった。戦後すぐのことも。

・70、80年代は、松本零士や藤子F不二雄の作品もよいです。

・音楽が時代を反映しているのがよくわかった。

・軍歌についても知りたい。

・高度成長期には前へ進むような歌が多かったが、その後は、個人個人の問題を歌うような曲になってきた。

・歌は人の心の支えになるのかな。

・その時代で欠けたものを歌や漫画で補充して知らずに元気を出していたのかとも思う。

・知っているものが結構あってわかりやすかった。(複数)

・ここ数年の間も(外国では)反戦歌とも取れる歌がよく見られる。(複数)

・今流行している歌は何を反映しているのか、考えてみたい。(複数)

・最近の歌が時代を反映しているとは思えない。

・最近の歌は昔と比べてメッセージ性が弱い気がする。単調にさらっと歌う曲が多いのは、今の現実社会が、そう問題もなく平和を実感せず単調に生活する人が多いからなのか。

・まきはらのりゆきの歌「僕が一番欲しかったもの」を聞いて、私もこんなふうに生きたいと思いました。機会があったら聞いてください。

・最近は勝ち組、負け組みとよく言われるが、スマップの「世界に一つだけの花」は負け組みを慰める歌のような気がする。

 

 写真

 

・戦前、戦争直後、今ととても違っていてどこか別の国のように感じてしまう。(複数)

・(戦後)食料が一番貴重だったとは、今では考えられない。

・スクリーンの写真集に懐かしみをおぼえた。

・60年まえでは考えられないくらい日本は(経済)成長をした(複数)。でもこれが本当によかったのか。(複数)

・昔のほうが楽しそうに笑っていたと感じた。→今でもよい笑顔はたくさんあるのでは。特に子供たち。

・昔はものがなかったけれど家族皆が揃い心が豊かだったと思う。

・戦後(すぐ)の日本は貧しくても人と人との結びつきが強く、現代人より心が豊かな印象を受けた。(複数)→人がたくさんいること。これだけで何かよいものがあるのかもしれない。老若男女がただいるだけでも。(スペインの公園)これからの時代に一番大切なのは、または、今一番不足しているのは、「人間」なのかもしれない。

・本当の幸せとは物ではなく心だと思った。→物から得る心の満足もある。だが、たしかに物はすべての満足を与えてくれるわけではない。(だが、そう思わされている?commercialism?)

・今、心が貧しく学校でも偏差値主義であるから子供の心もすさむ。→偏差値を「主義」まで高めてしまうことのおろかさ。それが子供のすべてを評価するものになるともはやそれは「ベッドに合わせて足を切る」行動になる。

・日本社会の変化の写真はあまり見る機会がないのでまた見せて欲しい。(多数)

・日本と世界を照らし合わせて見ることができればもっといい。 

 

 歌を歌ったことについて

・まさか先生がたいていの歌を歌うとは思わなかった。度胸ありますね。→度胸がいります。

・歌を歌ってまで紹介していただけるとは思わなかった。非常にわかりやすかった。

・歌ってくれたおかげで曲名だけでは把握できなかった曲もわかった。

・歌がうまい!(多数)

・歌がとても優しくて上手だ。また聴かせて欲しい。(複数)

 

 前書き

 

人間の目的は生命の生産、維持の他に何があるか?→人生、生と死、そして経済学の関係

先日の講義[2006年夏]で、「経済活動を考える」とき、その目的を定義しておくことが経済活動のあり方を考えるために効率的である、との視点から、「人間の目的は、アダム・スミスの言うように、自己の生存と繁殖である」、と述べた。これについて、「とはいえ、死ぬことを考えるとむしょうに不安になる。」との質問があった。死とは何か、と言う疑問は確かに人間の持つ最大の問いかもしれない。

この問いについて、「死とは何かを考えることは、最終点から人生を考える考え方である」と考えることができよう。逆に出発点から考えてみると、私たちは生まれるときは、「何のために」生まれるのかと問うことなく、まず生まれてきた。まず存在を始めた。だから「なぜ生まれてきたのか」を出発点において問うことはできなかった。私たちは「まず生まれている」のだ。そして人生の途中で、おそらくは多くの人は10代のある時点で、「死」を意識し始める。人間はいつまでも生きる存在ではないことに気づく。これまで何気なく、毎日、体内の欲求を満たすべく、食べ、飲み、眠り、活動してきたことの全てに、こうした自分自身の活動にいつか終わりが来ると気づく。一体それは何か?この疑問が生まれる。

だが「死」とは何か、誰もそれを経験として教えてくれる人はいない。それを経験している人は既に、「生き返ってそれを教えてくれる」ことはできない。だが、次のように考えてみることはできる。私たちは、既に、生まれて以来、「死」というものに気づくまで、苦を避け、楽を求めて生きている。そして、それが苦しみを与えるものかどうかがわかるまで、未知のものには不安と期待を抱くように反応する。だから、死についても、それが一度しか経験できないものであるので、苦しみなのか楽なのかがわからないのでそれが不安でもあり、また期待ともなりうる。そこでそれを推測する。地獄と言う想像が前者の、天国と言う想像が後者の例であろう。あるときはそれを暗黒の世界とみなし、あるときはそれを楽園と見なすのだ。しかし、それは経験的にはわからないものである。誰もそれを確認することはできない。

ところで、人生の始まりと終わりという意味では、誕生と死とは「ある同じもの=人生」の両端であるという意味で、同様の性質を持っていると想像してよいかもしれない。とすれば、生まれるときは未経験で悩むことなく生まれてきた、経験してきたのだから、死も同じく未経験で悩むことなく死んでいく、経験するものと考えることができるのではないか。私たちが死について考えることができるのはこれくらいではないか。とすると、結局、私たちが確実に知っていることは、「死と死後のことはわからない。しかし、今生きている間は、私たちは苦を避け、楽を求めて生きている」ということである。

こう考えると、生きているとき、私たちが何かを考えるということは、生きるために行うものであり、経済学として経済活動について考える場合でも、私たちは、「苦を減らし、楽を増やす」、あるいは、「幸せを増やし、不幸を減らす」、ために、経済活動を考える、と言うことになり、それが経済学の目的でもあるということになろう。私たちがなすべきは、今、どのように生きるか、苦を減らし、楽を増やすか、を考えることである、ということになろう。(060818)

 

・1960年代日本は、資本主義・社会主義が両立していた時代?→資本主義。私有財産制度。市場経済制度。社会主義的要素(政府の介入)が今より強かった時代。

・今、日本はまた戦争に巻き込まれていくだろうか?→・・・

・ワークシェアリングは、社会主義的な考え方ではないか。社会主義社会へ移る(要素を強める)現象の一つではないか。

 

・日本の戦後の状況・・漫画、歌の他にどんなもので実感できるか?→写真、映画、老人の話、ドキュメンタリー、ドラマなど。

・一番見るべきニュース番組は?→夜7時、9時、10時ごろのニュース?

 

 序論・はじめに〜第一節

 

・分配ルールがなくても人間が複数集まればそこに社会ができるのでは?→

・「個性を生かしつつ、・・」・・たとえるとしたらどんなものか?

・分配ルール、経済学の基本的なことを知らなかったようだ。→これからのテーマ

・分配がうまくいけばすべてうまくいく?

・スミスの『道徳感情論』を知りたい。

・税金の使い方、西欧を見習って。

・公正性は社会主義になる?  

・分配ルールが不安定だと人口は半減する?・・高位推計(出生率が2030年にかけて1.85まで回復する)においても、現在の12,600万人から2100年には9千万人まで減少する(厚労省?)。死亡率と出生率が95年から変化しないと仮定した場合、人口は2100年に約4,700万人まで急減する。(経済同友会)

 

・社会構成員と成員は同じ?→同じ。

・分配の問題は難しいが、よく考えていく価値がある問題だとあらためて思った。

・普段めったに考える内容ではなかっただけに、経済を学問的に理解するきっかけとなった。

・先進国で所得格差が広がっていると知り、自分はどちらに入るのかと思い恐くなった。複数

・今、市場経済を改善すべきだという意識は強くなっているのか?→世界的に、強くなっている。特にグローバル化の下で。ただし、その際、そもそも公正性とは何か、慈恵性とは何かを理解していることが必要だろう。(部分的には、日本では高度成長期の公害の発生時に改善の声が強くなった。現在、また、不況の長期化と、失業増加、労働強化、福祉制度への不安がその機運を強めている。)

・生活保護は慈恵か?→慈恵は弱者を助けようとする行為。生活保護は相互援助(保険制度)の契約なしに、一方的に助けようとするものだから慈恵。

・なぜ社会契約論が選ばれるのか?民主主義には功利主義が一番合うのではないか。→ただ功利主義は独裁者の支配も許す。だが独裁者は国民の幸福を理解できず、最大多数の幸福を実現できないのでまた民主主義に変わるだろう。この繰り返しで進歩してゆくのでは。

・慈恵性の下にある社会契約説と共感本能説とは何か→慈恵的行動(弱者を助ける行動)の理由を説明する二つの考え方。相互援助の約束と考えるのが社会契約説。同胞への本能による援助と考えるのが共感本能説。

・社会契約論=プロセス、功利主義=結果、とは、前者の結果が後者ということか→No.それぞれの重視するもののこと。

・社会契約論の理念を実現している国は→社会契約論の具体化は民主主義。功利主義の具体かも民主主義。つまり、民主主義国はどちらの理念も含む。話し合いで決める。これは社会契約。社会の最大幸福のために多数者が少数者を支配する。これは功利主義。ただし、社会契約論は、その基礎に、一人一人の価値の尊厳がある。この考えと多数者の利益の尊重の考え方の調和が問題。(功利主義の一例としての市民革命は多くの人に認められるできごとだろう。逆に、時間があるのに話し合いを打ち切って多数決で決めるのは認められないだろう。)

・時代的文化水準が大切、ならば古い時代のスミスやマルクスを論じる必要はあるのか?→時代的文化水準は、各時代の人間の目指すものを考えるときの用語。スミス、マルクスを論じるのは、その問題を考える手がかりとなるから。

・最大多数の最大幸福=最大満足?→Yes

・所得格差が大きくなる理由は?→1、長期:分配ルール。2、短期:景気(失業などへの影響)変動。

・所得水準が低くてもその国の物価が低ければ、実質的な生活水準はそれほど低くないのでは?→そのとおり。だが、その国なりにあまりに所得が低いとやはり生活は苦しい。(ところでなぜ低所得の国では一般的に、物価も低いのだろうか? →物価は商品同士の交換比率。例)(低開発国)1日の労働=1キロの米、(先進国)1日の労働=10キロの米とする。この違いを生産性の違いと呼ぶ。一日の労働の価値(賃金、所得)は、前者は後者の10分の1。前者が1ドルとすると後者は10ドルになる。ところで、通常、低開発国の米の値段はその国の物価の中では安い。それは、商品の価格とは結局商品間の交換比率であり、その国では他の商品も同じく低生産性だからである。)

・アメリカで近年所得格差が広がっている原因は?→フルタイム労働者の減少、パートタイム労働者の増加。

・日本は不況で借金があるので本当は所得は高くないのでは→借金は国の中で行われている(マクロ経済学を勉強した人は「貯蓄投資バランス」を思い出そう。)日本全体の片方が片方から借金をしている。逆にいえば片方が片方に貸している。すると国全体としてはその借金によって貧しくも豊かににもなっていない。

・ロシアは社会主義ではないのか→No. 1991年?から資本主義に変わりつつある。

・日本は低所得の国と比べると恵まれている。だが、この水準の中で育つと、特に豊かだと感ずることはできない。→Right。これが時代的文化水準の内容。ただし、日本の中でも貧富の差はある。

 

・ノートに時間はかかったが、深いところまで理解できたし、授業も集中して受けられた。

・予習をして、ロールズの本を読んでみたくなった。

・予習ノートを作ってくると、以前より授業がわかりやすく感じた。

・予習で、久々に勉強をした気分になった。

教科書を読む、この単純で重要な作業が今まで一番できていなかった。ノート提出の際に読み、まとめることで、とても力がつくことを実感した。多数

 

 序論・第二節

 

・自然環境の変化で生ずる分配ルールはあるか→生産力と関連

・人間は皆平等といわれるが、なぜ貧富の差がつくのか

・何が平等で何が不平等なのだろう

・能力に応じた分配とは身分によるものか→労働した量に応じたもの

・能力に応じた分配では平等にならない

・すべての生物に分配はしないのか→少なくとも現在はまだ人間中心

・無知のヴェールは個性を失う危険性もある

・能力に応じた分配ができる社会が平等な社会ではない。人間には適性があるがそれが生かされない仕事をしている人も多い。そのとき能力ですべてを測るのはよくない。

・貢献度分配では、差がつきすぎないか

 

 第一章・分配ルールの決定主体 はじめに

 

・博愛と友愛は違うことでは

・集団の中にいて初めて個性が発揮できるのでは

・福祉面等社会的弱者へのバックアップが今より必要

・性善説を信じたい。だが、競争のない社会にはなってほしくない

 

 第一章・分配ルールの決定主体 第一節

 

・民主主義のもとでは個人が権利を持ち、集団として権利を利用することで主体となる、ということか

・ロールズは「自由でばくち的な人間」が合意することで分配ルールができると言ったのか→No

・個人と集団、どちらが社会科学から見て適切な決定主体なのか

・ロールズの無知のヴェールはなるほどと感心した。

 

・31−5、「どの時代よりも多くの人と緊密に結びついている」とあるが、今は、コンピューターと向き合って仕事をし、近所づきあいも希薄である。よってそうはいえないのでは?→いえないかもしれない。ただ、今の時代が例外的なのではないか。この状態を変えたいと人々は思っているのではないか。

18-15、可動性は可能性では?→可動性。

・貢献とは自分の収入を増やすことでGDPに貢献しているという感じか?→Yes.

・衝突とは→民主社会では、異なった利害集団間の議論。

・全員一致は集団的決定、無知のヴェールは個人的決定、ゆえに矛盾することでは?→無知のヴェールは全員が同一の答えになると言う意味で集団的。

・なぜロールズはこれが非現実的だと気づかなかったのか→わかっていても遠い将来のゴールを求めたと解釈できる。

・「自らの・・知識を・・使って、自らの利益の維持、拡大を求める」とは、貧困層による革命と言うことか→すべての個人または集団による利益追求行動を含む。

・格差原理は社会全体の生産量が増えることを想定しているのか→Yes。労働意欲を向上させ、または投資可能量を増加させる効果を想定。

・個人の自由と財産を守るのが社会契約の目的とすると、徴兵制は(戦争自体も?)個人が社会を作った目的に反するのでは→それ以外に国民の利益を守る方法があるときは反する。ルソーは国家が個人を守らぬときは作り変えよ、と言った。

 

・結局分配ルールを決めるのは個人ではなく集団であるという考えに到達する過程がとても興味深かった。

・日本と外国の考え方は政治的に異なるのでは?それなのにロールズの言いたいことが先生の説明でよくわかる気がする。

・多数決では、もし多くの人が戦争をやろうとか言ってしまったらそうなってしまうわけなんだな、大変なことになると思った。

・現在のあり方を考察するのに歴史を学ぶことの必要性をあらためて感じた。

・ロールズ理論、今日の授業を聞いて、私たちにもなじみやすいわかりやすい理論だと言うことがわかった。

・今日くらい板書してくれたほうが頭の中で整理しやすい。説明でよりクリアになった。

・今日のプリントは使わない?→次回。

・理想的な選挙制度は?→(比例代表制と思う。次に中選挙区制、最後に小選挙区制)。死票を避けるためには比例代表制が最善。選挙区があまりに広いときには小選挙区制『必要になるかもしれない。多党制を避けるためには小選挙区制。しかし避ける必要があるのは、政権が安定せず、それが社会に致命的な打撃を与えるとき。たとえば外国が攻め込もうとするとき。なお、しばらく前まであった中選挙区制を小選挙区+比例代表制に変えるとき、中選挙区制は自民党内の金権選挙を生んでしまうからと言う理由もあった。

 

 予習ノート

・毎回予習するのは大変だけど、やることの意義はすごいあるなあ。

・大変だなと思っていたが、自分に力がついてくると言うのは、自分のためになることだなと今では思う。

・手探りで理解しようとした予習の内容が、講義を聞いた後ではクリアーに頭に入ってきて、授業が楽しい。

・やはり予習をした上での授業は内容や先生のおっしゃっていることが理解しやすい。また予習を行うと、先生の話を補足として聞くことができる。意識せずとも自分の力になっていることが実感できた。

・予習の段階でわからないところが絞れるので授業に集中できた。

・いつにも増して講義にもやる気がおき、楽しく授業が受けられるので予習はいいと感じた。

・まとめ、前よりはうまくなった。

・難しいですね。でも読み応えもある。

・ノートをうまくまとめるコツは?→私のやり方:傍線を引きながら全部読む。次にそれを頼りにまとめる。そのとき流れをつかむように心がける。

 

 第一章・分配ルールの決定主体 第二節

 

・無知のヴェールで本当に最適なルールができるのか→公正なルール(「ルール決定の公正さを保障」という意味)はできる 

・多数決・・他人を犠牲にするのでは。(複数)→許容範囲内で。貢献度。沖縄の村(全員一致まで幾晩でも話し合いを続ける)の例。

・資本主義である限り競争があり、賃金格差等の公正はありえない。→許容範囲が問題

 

 第一章・分配ルールの決定主体 第三節

 

・決定主体は集団である、の理解は現代でも有効か。

・現代社会で階級という言葉は少し違うような気がする。南北問題でも。

 

・一人の人間が複数集団に所属しているときの意思決定は→それぞれの異なった問題ごとに行われる。同じ問題で違う集団に属することはない。

・フィスクの意見がよくわかり興味深かった。

・階級の具体的イメージがつかめた。

・江戸時代に労働組合はあったのか→ない。類事例として、農民一揆は何度かあった。

・先生はフィスクと同意見か→Yes.

47-11、そのような意味→口頭で。

46、「生き長らえるための方便としての意味しかない」→最低保証を得るという利益だけである。さらに公正な所得分配を求めていく必要がある、の意味。

・資本家から労働者への動きもあるのか→Yes.

・可動性が高いと資本家が多くなりすぎる?→ことはない。経験的に中小企業は淘汰され、資本家の数は減っていく。

・金持ちになれる可能性がない社会では働く気が起きない。

・可動性が高く最低保障があっても、ロールズの言う平等のほうがみな幸せになれると思う。

・芸術家の所属階級は→自営業。労使いずれでもない。

・ロールズはなぜこのような抽象的理論を主張したのか→検討の出発点として、と理解している。

・民主主義も独裁政治も、国民が幸せになることが問題なので、必ず前者が後者よりよいとは限らない。選ばれた代表の能力が問題だ。民主主義でもスポーツ選手が選ばれたり、アメリカのように暴走的政治が行われたりする。

・今回の集団の図、前回の所得の図などわかりやすいので好きだ。複数

 

 時事問題の記事について

・選挙で死人が出るとは驚きだ。

・人が死ぬのは痛ましいが日本人より真に国、民族のことを考えているのでは?

・日本よりアメリカのほうが選挙に力がこもっているようだ。(ラジオ、テレビ)→戸別訪問も可。

・中選挙区はお金で動くことを知った→必ず、ではない。

 

 予習について

・予習すると短い時間で多くの内容をしてもわかりやすい。

予習ノートを作ると大変勉強になる。他の科目でも自主的にやってみようかなと思うくらいだ

・予習すると気分がいい。

・ノート作成はただ買うだけでなく教科書がちゃんと使えてよい。

・今回の集団の図、前回の所得の図などわかりやすいので好きだ。複数

 

 第二章 分配ルールの決定基準

 

・異なった目的観を持つことが、なぜ諸集団間の力の均衡になるのか?→それ以上は公平な裁定者はいなくなるので。(できるだけ合意できる部分を確認し、広げること。)

・奴隷制もまた公正な場合がある、が興味深かった。

・強制か、自発かは問題ではないのか?→問題である。用いる力(歴史的経験、武力など)の違い。

 

・戦争で一体感が生まれるのなら、靖国参拝に反対する人はいないのでは→この一体感は完全なもの、全員を含む、とか、永久に続く、ものではないかもしれない。

・ルールが公正とされる定義が、そのルールが存続すると言うことならば、強制によるルールも公正とされることもあるということだとわかった。よって、強制によって公正とされたルールを変えるためには、少数派手段は団結しなければならないなと思った。だから、現在は集団が大切なのだと思った。→団結を待っていられず、暴力的方法で変えようというのがテロ。

・何を持って我々は正当に扱われていると感ずるのか→自分の力に応じて扱われるとき。

・公正性とは社会的に合意されたルールであり、その本質は集団間の力の均衡にある→合意には、反抗できないことも含む。反対意見をもっていても、強者集団によるあるルールの実行を止められない場合、それが社会のルールとなる。対立する集団がそれぞれ自己の考えを正しいと思っているとき、社会的に実現するルールはより強い集団のそれとなるしかない。その意味で、ある社会で実現しているルール=社会的に認められているルール=社会的に公正なルールとは、その時々の力の均衡で決まる。理想的なルールがどこかにあるのではなく、我々が作っていくルールがその時々の公正なルールである。

・納得したがショックだった。

・ここで言う公正とはなんとなく時効という制度に似ている。

・利益が大きいからそのルールに従うのではなく、自分を貫くことが公正の本質だ→仮に、自分を貫き、それで殺されてもその道を選ぶ場合は、それが自分の利益と理解したと解釈する。

・力の均衡が崩れると戦争や革命が起こるのか→議会制度がない場合は。ある場合は議会内の多数派が変化するだけ。ない場合、少数集団は現状の均衡を暴力で変えようとする。

・言われていることはよくわかった。

・言いたいことが明確でなく、話自体がいきなり深すぎてわかりにくい。

・内容がよくわからなかった。

 

 時事問題の記事について

・今回の地震で政府(国民→議員→政府)のすべきことは→現地への援助。

・アメリカなどへの多額の援助金(米軍基地への思いやり予算:年2500億円ほど)と比べて新潟への援助はどうか→下記参照

 

 予習について

・小括で、ここでは何を言いたかったかがよくわかる。

・辞書を数十回は引いた。

・ノートで予習、授業、復習、で完全に理解できそうなのでがんばる。

・最近まとめる時間が短くなってきた気がする。力がついてきたんだと思う。

 

 第三章 分配ルールの目的主体

 

・全員が何らかの利益を得るのは不可能では?→現実はある程度の平等化の方向に進んでいる。(2006年現在、日本社会の貧富の格差が拡大している。橘木俊詔氏らの議論参照。また『経済白書』。)

・現在の政治の世界では、政治家自身のことだけ考えている。

 

63、経済外的強制とは→暴力的強制のこと。(経済内=金の力、と対比。マルクスの用語。)

69-12、契約を実力で結ぶとは→これが実現しなければ人は実力に訴えても実現しようとする。それほど重要と言うこと。政治的民主主義は革命と言う暴力で実現した。

71-12、「構」が抜けているのでは→二つ同義で使っている。統一したほうがいいかも。

・友愛はテキストで言うとどのへんか→6

・多数決は妥協的決定方法なのかなあ→Yes

・多数者が決定権を持つ社会を悪いとは言わないが、社会全体でみると、没個人の社会が居心地がいいと感じることは恐ろしいと思う。

・多数決はむやみに使いすぎてはいけないと思う。

・現代は議論を惜しみ多数決に訴えることがあるという点で身近に思い当たることがいくつかあった。

・以前は支配される立場の人間が多数を占め、市民革命などのルールの変更ができたと思うが,現在の場合、多数に少数が抑圧されているため、劣位にいる者の意見が尊重されたルールへの変更は難しくなっていると思う→ガルブレイスの考えと同じ

・結局のところ、最大多数の最大幸福という考え方は、危険性もあるが、社会のあり方を決める上では、(今のところ)、他の方法よりも確実性がある(優れている)。

・社会主義は「社会」主義の一つか→Yes

・タイプAB、現実的、形式的、の違いがよくわからない→

 

・自分の家族が理由なく殺されたら相手を殺したいと思う。勝てない強大な相手ならばその国の人間を拉致するのもやむをえない。

・テロを認めることはできないが、テロでしか反抗できない状況に追いやった側を是正すべきだ。

・小泉首相は撤退しないと明言した。これも少数者(人質)の幸福を二の次にした、一種の功利主義か→小泉氏の判断の中ではそう。

・イスラエル、パレスチナ紛争の根幹は→1947年国連分割決議

・テロと占領のベクトルを用いた説明はわかりやすかった。

・利己主義の一形態としての功利主義、ものすごくわかりやすい授業だった。

 

・功利主義の歴史的なもの、とは実際に当てはめられた事後的見方ということか→非常に大きな利害関係にさらされたときは、その社会は多数者の望む方向に動くと言う必然性。それはベンサムの生きた時代の歴史的状況から生まれた見方であり、おそらく正しい見方である、という意味。

・市場経済社会では利益追求は多数者と一致し得ないんですよね→企業の利潤追求が統御できれば一致する。それが試行錯誤されている。(労働法、福祉制度)

・スミスの自由放任と原始状態は同じことか→前者は政治的自由・平等を前提している。

・なぜケインズ以前は失業の問題が扱われなかったのか→補足:マルクスは扱った。より力を持っていたケインズが呼ぶところの古典派経済学は扱わなかった。

72-12 「自己の生命さえもが奪われる不安」・・・多数者のために人が殺されることもあるのか→香田さんはその一例。だが、ここでは、形式的多数決による殺人の容認(裁判による死刑、少数者へのより少ない分配ルールなど)からの不安をさす。

 香田さんの生存権はどうなるのか→

77-7 「多数の民衆」と「社会一般」の違いは→前者:封建末期の暴力革命の理論的支柱、後者:それが新社会のルールとなること。

81-最後の二行 しかしが二つ続くが、間違いでは→ない。

・プロテスタンティズムとは→

・国際化による分配ルールはどんなものがあるか→私のテーマは国内システムが中心。公正・慈恵性にかかわるもの。20世紀半ばまでなら植民地体制の問題。現在ではたとえば貧困国への援助の問題。

・現代社会は成熟期に入っているのか→大きな問題。先進国における物の生産と余暇との選択の視点からはそういえるかもしれない。

 

・センの貢献→潜在能力の発揮のための財分配を、ある基準を設定して、そこまでとする。

・友愛は人類全体に向けられるものか、一部か→同心円状に全体に?

・すべての人は社会的弱者になる可能性を持っている。→そのとおり。

・ロールズはなぜ働かない人のことを考えなかったのか→複雑になるから、と。つまり、あとで扱う、と。

・車椅子は財の分配では?財に焦点を当てないはずでは?→焦点の当て方に特徴がある。能力発揮を目的とし、財の分配はその手段とする。

・この授業で言う資源とは、お金のことか、労働等すべて含めてのものか→すべて。資源の制約、という使い方もその例。

・分配と配分を使い分けているのか→分配というときは資源と成果の分け方のルールについての場合。配分はそれ以外。

・ロールズやセンは、スミス、マルクス、ケインズよりも、公正性、慈恵性についての重要性を主張している、その理由がわかった気がする。→歴史的条件の変化に対応して説明したので、その意味で。

・どちらかと言うとセンの理論のほうがよいような気がする。

・様々な主張から、結局彼らの主張により浮き彫りにされた問題に取り組んでいかねばならないことがわかった。

100人と一人、選ぶのは難しい。先生は?→難しい。

・最大多数の最大幸福を適用して、100人優先となるか→幸福の大きさが問題になるから、そうとは限らない。

100人の軽症者と一人の重傷者の例は、自衛隊の撤退と香田さんの命の問題に似ている。

・小泉首相がつかまっていたら自衛隊は撤退していたと思う。

 

・様々な人の考えを憶えるだけでなく、どう考えるかを頭においてこれからの授業に出ようと思う。

・今日の授業内容が一番おもしろかった。

・毎回とても興味深く授業を受けられるのでとても楽しい。

 

 時事問題について

・テロは悪い、だが、香田さんにはあまりにも危機感がなかった。(3)

・首相は自分の身内ならどうしただろうか。(2)→または、つかまったのが小泉首相だったら?

・選民思想の話は興味深くおもしろかった。

・宗教が人を殺しに導くなら宗教はいらない。

・アメリカの高慢な態度が嫌いだ。また「右へ習え」の日本にも賛同できない。

 

・ビン・ラディンに殺されたアメリカ国民が戦争の理由に使われている気がする。

・大量破壊兵器がない以上、アメリカのイラク駐留の意味はなくなったのでは→ブッシュは今は、イラクが民主化して、国民が平和になった(だから戦争をしたことは正しかった)と言う。それを米国民は今回の選挙で認めたことになる。

・フィリピンは人質救出のために撤退した。

・イラクの人々にとって日本はテロなのか→少なくとも抵抗勢力にとっては米軍の一部として。

・直接手を下していなくても我々の手は血で汚れている、そんな感じを最近いろいろな記事から受ける。

・人があっての政治なのに今回は政治のために人の命がなくなった、納得いかない。→多数者のために少数者を犠牲にした、ということ(小泉氏の行動)

・人間の多くは経済的利益で幸福を判定する。日本がアメリカに協力することで経済的利益を増大させるのなら、それを容易に否定はできない。

・日本はなぜアメリカに追従するのか→北朝鮮のことを言っていた。(4年ゼミでの議論:小泉首相に要請すべし、ブッシュ大統領に、北朝鮮を攻めないと約束せよと。北朝鮮政府は、もし攻めないと約束すれば核を開発しない、といった。そうすれば日本はアメリカのいうことを聞かなくて住む。・・・ただし、アメリカは、日本についてきてもらわないとかなり困るので簡単にはいかないだろうが。「多くの国が、また主要な国々が、アメリカを支援している」と言えなくなる。だが、それはアメリカの身勝手だ。)

・先生はいかなる状況でも戦争は反対か→自衛の行動は必要と考える。そのために武器を持つことも。だが他国人民の圧政からの解放に行くのは、非常な慎重な判断が必要。

 

 予習について

・だんだん予習癖がつき、今は余裕を持ってやることができるようになった。

・予習ノートを作りつづけて聞くことで本の内容を理解しながら進むので、一回読んだだけで多く理解ができるきようになっている気がする。

・予習しているので眠くならず集中して聞ける。

・短くまとめられるようになったが、内容が薄くなっていないか心配。→自分で一度見直すとよくなる。

・字数が規定より少ないと減点になるか→規定はないので、ならない。

・ノートと出席の合計点は試験前に教えてもらえるか→ない。自分で計算を。

・今日のノートは少しまとめにくかった。

・内容、表現が難しい。もうすこし易しい本にして欲しい。→筆者の力不足も。

 

 第四章 資源分配ルール 

 

・興味深かった。特にロック。手足の延長論に納得。

・住宅、資産格差の理由が少しわかった。

・現実とのギャップが開きすぎているのは残念。→まだ長い道のり?

・成果の確保の保証は確かに生産性を上昇させると思う。

・なぜ市場に任せておけないのかよくわからなかった。→有限なので、独占可能である。

・土地に関するバブルは土地からえられるモノを期待してか?→土地の転売の利ざや目当て。

・社会的要因が絡むと上がるというのは?→道路がとおる、人口が増えるなど。

・首都圏で地価が高いのは便利なので仕方がない。→権利分配後は自由な価格形成でよい。

・地価税は平等に再分配されていないのでは→目的は土地の売買活性化。(供給促進→価格低下)

・資源が無限だったらどうなるか?→資源の分配問題はなくなる。

・力の均衡には倫理的な力も加わるようになるか→それも力の一つ。なるかも。すでになっている?(ブッシュの支持要因の一つ。)

・公共の福祉と、幸福とは同じ意味か→Yes

・土地の重要性を再認識すべきだ。

・土地分配は農民だけの問題か→No. 全員。住宅地もある。

・土地分配は市場経済の果てに社会主義があるといったマルクスの理論の実現の一部か→市場経済の前提。

 

109ページ、利用権の公有化とは→所有権は地主に残すが、その利用権は国が決める。

・都市民という言葉はあるか→広辞苑にはない。ウェッブではいくつかある。

110-8、土地私有が幸福をもたらすのに土地独占がよい耕作を妨げるというのは矛盾では→持てない人が耕作できないから、の意味。

116-13、不当な出発点とは→自然資源が不公正に分配されている状態

4章終わりの、土地の均等分配によって暖かい社会が生まれるというのは、逆もありうるのではないか→まず説明を聞かせて。

・均等分配がなされれば、@とAの問題は生じなくなる→Yes.

 

18世紀からこうした議論があったことがすばらしい。

・偉大な人でもすべてのことがわかるわけではないんだな、と思った。

・ペインの策が一番柔軟性が高い。

・一番の問題は人の自由が生まれに左右されることだ。

・国が借り上げ、貸与する制度は土地の権利が皆に保障されるのでよい制度だ。

・土地分配案は公地公民制に似ている。将来このような制度が採用される可能性もあるのでは。

・海や川も分配できるようになるのでは?

・耕した土地は子孫に残したい気持ちがあるので、それはどうするのか(2)→1、無視する。2、その分を貨幣で再分配する。?

 

・質問に答える時間をもっと増やして欲しい。

 

 時事問題

・小泉首相はのんきだ。

・イラク戦争にかかわらなかった国々が国連軍として選挙まで駐留するのに賛成。

 

 第五章 成果分配ルール(T)(第二節まで)

 

・より多くの満足をより少ない労働で、との表現はそのとおり。

・127、C、不満を持つ集団が政治的強者となり得ない間はこの体制が存続する、これは資本主義に限ってか、それとも一般的なことか→後者

・131−6〜、自ら選んだ強制関係なら強制とは無縁、というのは矛盾ではないか→社会選び方と、社会の性質と、それを念頭に、選び方=強制、社会の性質=強制関係、のときと、選び方=自発的、社会の性質=強制、の二つを比較している。上の説明は後者の場合の選び方のみを表現している。この社会の外にいるものから見ると後者の場合の社会の性質は強制であり、ここに強制関係は残る。しかし、社会の中にいるものから見ると、自ら強制関係を選んだ時点で、強制関係を自らの満足を最大化するものと考えている。そうすると、その関係は、いわゆる嫌悪されるものとしての強制関係から、好まれるものとしての強制関係に変わるので、それは一般的な意味での強制関係と呼ぶべきではない、と考える。

・戦争などで他国を支配することは暴力による強制か→Yes.

・142、報酬説や将来財割引説は現代でも使用されているのか→Yes

・人間の性質について:平等分配よりも自分の利益拡大を選ぶのはなぜだろう。ある程度の生活が全員に保障されればこれ以上のことはないのではないか。→二番目の文に共感。とはいえ、どの程度がある程度なのか。

・契約の自由による分配基準は、貢献度原則のように「原則」になるのか→この具体化された限界生産力説がむしろ原則に当たるのでは。当面、基準と原則は類似と考えて。

・市場価格が資源の効率性につながるという点がよくわからない→資源(生産要素)の効率的分配につながるということ。社会で求められているもの(売れるもの)が何か、が、価格の上下でわかる。ただし、そのとき、求めている主体とは、お金を持っている人々である点に注意。社会構成員の全員の求めているもの、ではない。

・マルクス理論についてとても興味深い章だった。社会主義の一例としての分配ルールなど、ちゃんと理解したことがなかったのでおもしろかった。

・マルクスの考え、特に等価交換、がよくわかった。

・労働と労働力の違いがまだよくわからない(二人)→イメージとして、労働力は筋肉、労働はそれが働くこと、といったこと。

・マルクスの理論は意外と、現実とかけ離れているわけではないのに驚いた。

・マルクスの考えた社会が今の社会に直接つながったといえますよね→彼の考えが世界の進路に対して大きな影響力を持ったとは言える。労働運動の高揚、社会主義国の成立、等々。

・マルクスがいなかったら他の人が同じようなことを考え付いて同じような歴史になっていただろうか。→多少のずれはあっても、おそらく。

・今日のマルクスの理論はすごく説得力があるように思えた。

・マルクスの人間による人間への暴力の廃絶、はすばらしい理想だ。だが社会主義的分配ルールの選択には疑問が残る。

・先生は社会主義を正しいと考えるか→答えは出ていない。目指すのはどのような社会が最も人間を幸せにするかということ。なかなか難しい。

・説明されるとなるほどと思うことだけど、問題を見出し、それが起こる原因やその解決方法などを考えることは、とても自分にはできないと思うので、あらためてマルクスなどの経済学者の偉大さを感じる。→自分にもできるのでは?

・旧ソ連が分配では配給でなかったという説明で、社会主義の失敗の原因がわかった。

・旧ソ連では皆同じ賃金だったのか→数倍の格差があったという。

・北朝鮮では飢えが問題となっている。官僚たちなど上の人が悪いと思う。→生産力の低さと分配の問題と両方あるのでは。

・最低限の文化水準とは?東京、大坂で、夫婦と子一人の生活保護は18万円だそうだ。そんなに必要か→どうでしょう?家賃5万円、食費6万円、水光熱費2万円、残り諸雑費5万円といったところ?

 

・貢献度は具体的に測れるのか→温度計のような器具は無理では?市場での価格しかない?(自己の労働=生産物の効用の相対的交換比率としての評価。)

公平と衡平の違いは→衡平はつりあい、公平は偏らない、の意味。似ている。自説では前者を使う。

137−後ろから8行目 交換当事者の交換は最終財か、生産者同士の材料か→最終財

マルクスの蒸留法の名前の所以は→蒸留する、のイメージから。

企業家労働とは企業に雇われている労働者の労働のことか→No.企業家の労働のこと。 

138 第二段落の最初4行 数式がよくわからない→

 

142 時差説とは→181参照。

143 新機軸とは→新発明のこと。通常、大きな発明をさす。

労働市場(=労働力市場)では、賃金は合意によって決まるのか、売上によって決まるのか→売上を予測した合意によって決まる。

・なぜ利潤だけ市場の影響を受けないのか→正確には市場で直接決まらないということ。他の要素が決まり、それが販売収入から引かれて決まるという間接的な決まり方をする。

利潤が「残り」で決まるというのが不思議。

・企業家の貢献度はどうしたらわかるか→労働者の貢献度が分かれば。

・長期にはどの労働も同一の収入を得る、がよくわからない→自分の賃金より高い賃金をもらっている人がいれば、その産業に移動して同じ賃金を得ようとする。これが続くと、移動先の賃金は下がり(供給増)、移動もとのそれは上がり(供給源)、結局皆同一賃金を得る。

・自分の労働が高く評価されると移動すると言うのが分かりにくい→「高く評価されるように、移動する」。

・産業間を移動するコストはどう考えたらよいか→ここでは無視している。実際には、たとえばそのコストが、自らの能力向上のためのコスト(教育費、訓練費など)から差し引かれ、移動能力はその分低下する、といったことが考えられる。

・産業移動で値段が下がるとは、効用が下がるということか→Yes and No. 供給が増えること。供給が増えるとは、同じ価格でも供給量が増えること。たとえば以前は一個10円、100個で需給が一致していた。その値段で売りたい人の商品量と買いたい人の商品量が一致していた。今度はその値段で売りたい人の商品量が増える。だが、その値段で買いたい人の商品量は変わらないので、増えた量を売り尽くすためには、値段を下げて買いたい人の商品量をふやさねばならない。こうして、均衡点はたとえば一個8円、110個となる。このとき、効用は、総量で見れば変化しないかもしれない("No")が、最終単位で見れば低下している("Yes")かもしれない。

 

・生産物の価格は消費者によって決められるというが、その根拠は→需要者と供給者の綱引き。需給の一致点。

・労働能力が等しいとき、人気のある職は競争が激しくなるのか→Yes その分、供給過剰で賃金が低下する。

・能力を高めるためには教育が必要だ。だが、親が貧しいとそれが難しくなるのは不公平だ。

・労働能力と教育の関係はおもしろい。だが自分から能力を引き上げる可能性を無くしてしまう人が多いのでは。また、ゆとり教育は能力をますます不均等にするのでは。

・商品価値が貨幣形態で同質化する点がわからない→同質労働を仮定すれば、すべての労働は同一の貨幣を入手する。つまり、同一価格の商品は、同一量の労働を含み、同一量の貨幣を意味するという点で、同質である。

・孤立労働より、分業と交換経済のほうが効率がよいのは、人が効率を上げなければという気持ちになるからか→気持ちではなく、実際に分業では生産効率が上がるから。

・交換比率というものを考えてこなかったが、授業でそれがとても深いものだとわかった。

資本主義を批判する共産主義者の気持ちが少しわかった。

・先生の提言は現代経済を動かすものとなりうるか→それが過半数の有権者の意見となったとき。

・支配関係がなければ、古代社会のようにレベルの低いものになるのでは→?

・支配関係は悪いものか→人間はそれを減らそうとするもの。(支配されることを嫌うもの。)

・ロシアは今後さらに発展するか→おそらく。

・企業家といっても、今利潤をがっぽりもらっているのは一部の企業で、他は企業家も労働者もそんなに変わらないと思う。

・図を使うと整理しやすい。図を使ってノートをまとめてみようと思う。

・図つきの市場の解説はわかりやすかった。

・お金の回り方がよくわかった。

 

 予習

5時間くらいかけて予習した。

・毎回要約をやるのはいささか大変で何時間もかかるけど、でもいろんな意味でよい制度だ。自分に向いている。これからもがんばります。

・ノートをまとめていると授業もわかりやすく感じられる。

・最近本の中身が少しづつわかるようになってきた。

・だんだん教科書の中身が難しくなってきた。

・だんだん授業内容が深くなってきた。

・ここ23回予習ノートが早くできるようになってきた。

126-136までの予習は政治経済学で習ったところと同じだったのでとても理解しやすかった。

・分配原則にまで憲法が関係するなんて。憲法は意外と生活に関係あるんだなあ。

 

 時事問題

・「華氏911」を見た。ブッシュを支持していたのだが見方が変わった。

・ファルージャの現状は人間による人間への暴力か?また、これは市場経済を採用した代償か?→暴力。代償ではない。市場経済がかならず戦争を有無とは限らない。(レーニンの帝国主義論に言及。これはかつての話し。現代の修正資本主義では不可避ではないのでは。)

 

 第五章 成果分配ルール(T)(第三節)

 

・図を用いての比較でわかりやすかった。

 ・最終生産性が賃金を支配する理由がわかった。複数

 ・それ以上の要求をすれば解雇できる、になるほどと思った。複数

 ・最終生産性の支配のもとでは、労働者のインセンティブが低下する。

 ・最終生産性以上の賃金だと企業が傾く。

 ・はっきりした数字が出ない職ではどう分配するのか。

 ・優秀な経営能力がある企業家と単なるお金持ちの企業家との取り分の決定は?→後   者、資金需給、利子率。

・クラークの被雇者の貢献度はかなり難しかった。

 ・ブローグの「・・需要理論であるに過ぎない」が難しかった。

 ・限界生産力節は右の節と一致するか、の答は?

 ・169ページの図をもう一度説明して欲しい。複数

・力の仕組みが働くのは資本主義の長所なのか、欠点なのか。

・賃金が雇い主にいいように決められている。複数

 ・産業革命期のイギリスと同じだ。

 

・企業家と労働者の違いが予習ではっきりし、講義でよく理解できた。

 

・危険負担説と限界生産力説の関係は→利潤は残差として決まる。そのさいの企業家の貢献の一つは危険負担である。これが危険負担説。しかし、他の要素(労働、機会など)の新結合力の問題が未解決の説明である。また、より明確な基準は社会的純増分である。よって、新結合力を含み得る、労働者の賃金の正しい決定の問題に視点を移す。(生産要素中、機械、原料費などは考えないでおく。)すると、賃金が正しく決定されていれば、収入から賃金を引いた利潤も正しく決定されていることになる。そこで賃金の決定理論を見ると、通説として限界生産力により決定されるというクラークの説明がある。そこでその正誤を検討する。こういう流れである。

 

・事前は生産費用で事後は販売価格のことか→Yes.

・危険負担労働は資本主義社会のみで起こるか→市場経済社会すべてで起こる。市場経済では市場に出してみないと、売れるかどうか分からない。(注文生産は例外。)

・企業家が危険負担をしてマイナスの所得となった場合はどう考えるべきか→その企業自体の貢献がマイナスだったということ。労働者の貢献も。賃金を支払っていればその分は企業家の損失。

・企業家労働の貢献度、で、(1)は規模の経済のこと→?

 

・貢献度とは、使用した労力に関係なく、結果として生じた利益のことか→貢献度が決まるには、まず売れることが必要。次に販売収入を、各自の貢献度で分配する。

・賃金が最終的に力の論理で決まることが残念だ(2)。この行き過ぎを抑える法律が重要だ。

・公務員の給与は適正か→市場で決まらず、税で決まる。公共財は一人一人に売るものでないので、これしかない。ただ、民間企業と比べて決める。つまり、社会の平均となる。この決め方でよいかという問題。よいのではないか?

148、後ろから43行。新労働者はなぜ最初の労働者より安い機械を持つと決め付けているのか→限界生産力()の逓減を前提。つまり、短期。長期には新しい機械を導入し、限界生産量は逓増する。図1参照。よって、賃金(商品量で測ったそれ)も増加する。ただし、いつも、平均生産量と限界生産量の差は企業家の手に入るという関係は続く。

・クラークの考え方は実証的に証明されているのか→限界原理によって賃金が決まる、という点については、最終単位の労働者については、企業家はそう決めるしかない。問題はそれ以前の労働者にまでそれを適用できるかである。彼はできるという。これはもう一つの要素、つまり、実際の力関係による。企業家がそうしたくても、労働者が抵抗する可能性がある。するとそこで企業家と労働者の間での綱引きが始まり、力関係によって決まる。

・限界効用逓減は、資本の一人当たり資本量が減るから生産量は同じようには増えないということか→限界生産量逓減。Yes.

・平均的生産量とは→労働者一人当たりの平均生産量

・賃金決定は合意ではなく一方的決定で決まるのでは→

1年前期のミクロTの限界生産量が出てきた。ミクロも役に立つんだ。

・長く働いていると賃金が上がる現象はどう理解したらよいか→生産性が上がることに対応して多く支払われる。(これに生活上の必要、たとえば子供の教育費など、が大きくなる点もくわえられる場合があるだろう。) 図2参照。

・クラークの考え方だとワークシェアリングが理論上行えないのでは→限界原理を使うので、平均原理以上に賃金が早く下がり、労働者はそれを嫌うから?

・単純に思えていた賃金、利潤に関して学問的に興味が湧いた。

・平均を働き、限界を報酬に対応させた説明がなされたので限界の概念が理解しやすくなった。

・クラークの説は脅しとも取れる論理だ。だが現代社会は彼の論理に当てはまっている。なぜなら、雇用者の数が資本家の求める数よりも明らかに多く、資本家は、人材を選択することができるからである。その証拠に、大学生が高校生の初任給で雇われている。結果的に高校生は雇われにくくなってしまう。ならば、彼の論理は現代社会を反映しただけで解決策となる明確な答は提示されてはいないのではないだろうか。

・スポーツ選手や歌手は、需要が多いから賃金も高いという市場の原理で決まっている気がする。需要が多いということはそのまま、社会に貢献しているということか→

・将来自分が就職したとき、自分の会社に対する貢献度をきちんと評価して欲しいと思った→ここでの学習がその役に立つとよいのですが。

・機械が発明され、人件費が減ると、一部の人間だけが豊かになる。この所得格差の問題はどう解決したらよいか→絶対値では全員の生活水準が上昇している?それとも、ホームレスの人々を考慮すると昔と変わらない格差がある?まずこの問題を考えねば。次に、格差は解決すべきかの問題を解決する必要がある。すべきとすると、どこまでの格差を縮めるべきかの問題が次に来る。

 

・限界生産力がよくわからない。(3名ほど)

・利潤最大化の点はXですよね→Yes

・メーカーが新製品を出すときは、毎回賭けをやるようなものですね。

・企業家労働の貢献度を測るのは結構難しいと思った。

・年功序列でも生涯を見ると実は(同一職の)各人が得る合計は同じである。

・労働力も労働者も意味するところは同じでは→本来、力は売るが人間すべては売らないという点では違う。だが、ともすると人間を売っていることもあるかもしれない。

・企業家の登場によって、独立で生産していたときより利益(賃金、収入)が小さくなるもと独立生産者はいないのか→十分ありうる。

 

EUの国々と比較して日本の労働時間はすごく長いのに生活水準はあまり変わらないというのは本当に不思議だ。→生産性が低いはずはない。ストック(歴史的な富の蓄積)の違いもあるか?

・他の社員が残業していたら、一人だけ帰るわけにも行かないので自分も残業する、そういう理由で労働時間が増える人もいるのでは→以前卒業生から似た話を聞いた。だがそれは上司がそう命令していた。上の例の人もいるかもしれない。(付き合い残業。)「一人だけ」→「たくさんの人が帰れば帰る」?とするとこれは自主性がない、危ない生き方。を日本人が多くしている?

 

・これからは景気が回復して民間の給料が公務員を上回る昔の関係に戻る、戻って欲しい。

・公務員の給与も下げようという動きは、そうすればますます消費が落ち込むのでは→その危険も考えられる。

 

・時事問題資料の、イギリスの例、育児休業を取ったほうが生産性が上がる、産休後職場復帰98%は驚きだった。(数名)すぐネットで確認したい。

・日本の企業は長期的な正の効果を無視しているのか→市場における競争がそうさせる。自分だけがすれば短期的に不利になる方が多いのでは?すると外部からの強制(法律による強制)が必要になる。または、長期の利益が出るまで外部から支援する。

・次世代育成支援対策法、うれしいことだ。

・ただ、国が企業に義務づけるのはどうかと思う。→社会全体の利益の比較。(公共の福祉の優先性。)

・休業中の賃金支払い、日本は約4割、北欧は8割と聞いたことがある。

・小学6年生のとき、「21世紀に20代を迎える君達がうらやましい」と担任の先生が言った。しかし、実際になってみたらどうだろう・・・。Japan as No.1とはかけ離れたさびしい気持ちだ。明日へ向かって、・・・そう思える、思わせてくれる教育者が必要だ。

 

・失業者が自ら労働を始めれば生産者数に加わるか→Yes

・利潤が「社会的限界生産力」説で説明できるのはすごい。

・生活水準にストックが影響するのでは、になるほど。

・賃金アップだけでなく、労働時間や働き方も労働者にとって大切な要素だ。

・景気は底を打っているはずなのになぜ賃金が上がらないのか?

・賃下げは消費を停滞させるが、資本家から見るとなかなか実現が難しい。→Yes

・残業手当未払いの問題はどう考えるべきか(2)→違法行為。(契約を守っていない。)

・アルバイト先で、正社員の人は明らかにおかしいほど働いている。最近測ろうという言葉をあまり聞かない気がするが、うつに変わってきただけでは。

・日本の貧富の格差が開いてきたというが、他国と比べてどうか→

・社会主義以外に格差を無くす方法は→今日の内容。資本主義の枠内でできる改善。

・交渉力の格差は資本主義である以上、当たり前。是正すべきかは分からない。→資本主義初期のような過大な格差は是正すべし。だが、どこまですべきかは難しい問題。

・生活保護の内容は→現在、人口の1%。最低生活保障。

・労働者が少なく労組が力を持たない職場ではどうやって労働環境を改善できるか→地域労組(例「大阪には約300万人の就業労働者がいますが、30人未満の小零細企業に働く労働者は約200万人以上います。このような職場ではほとんど労働組合もなく、賃金も大企業労働者の約60%です。労働時間も長く、労働条件も悪く、それでいて不況やリストラのときには真っ先に解雇のターゲットになりやすい労働者です。そればかりか、この時代にあって、どんどん増え続けている働く仲間たちです。/地域労組は、そんな小零細企業の労働者や、アルバイト、パート「派遣」など、これまでの企業別の労働組合がその対象とはすることのできなかった労働者たちを、企業の枠を超えて、地域ごとに集まってつくられる「一人でも入れる」労働組合です。」http://www9.big.or.jp/~roren/chiiki/

・完全に、貢献度基準による分配を実現することは可能か→始めの効率性、公正性、慈恵性の図参照。↓

・現在の労働市場で行われているルールは、多くの人々が長い間をかけてルールを改善してきたことにより、できてきたものなのだと思った。よいところは残し、悪いところは直しつつこれからもより公正なルールにしていかなければならない。

・現在学習中の労働法とのかかわりがますます顕著になってきた。

・組織率2割に驚いた。

・低組織率の一つの原因は、非正規労働者が増えているのに組合がそれに柔軟に対応できていないこともあるのでは。

 

・人の質問を解説するのを聞くのはとてもいいと思う。

 

 時事問題

・イラク戦争は宗教という求心力を持ったものによる狂信的行動だと思う。

・他の国はイラクからどんどん撤退させているが、日本はいつになったら撤退させるのか。国民は自衛隊の存在を忘れかけている。

・最近本当にいやなニュースが多い気がする。殺人、強盗等、経済的見地から何か防ぐ方法はないか→

 

 参考:卒業生からのメール(下線は塚田が付加)

 

Date: Mon, 22 Nov 2004 13:34:07 +0900

                                        

 塚田先生

 

 どうもご無沙汰しております。山田(仮名)です。メールアドレスを変更して最初のメールになります(笑)。最近妙に気になっていた本、「内側から見た富士通〜『成果主義』の崩壊」をやっと買いましたが、活字を見ると眠くなる生活を続けている僕でも、2〜3日で読み切ってしまいました(笑)。「どこの会社も同じなのね」などと最早諦めの心境にすらなりつつある自分が怖くなる反面、「やはり自分の感じていたことはあながち的外れではなかった」という小さな自信も芽生えたりもしました。

 

 というのは、やはり巷間で言われる「成果主義」というのは、企業にとって都合の良い理屈だけが罷り通っていて、単なる人件費抑制を正当化するための名分しかないのだということを、会社で働いてみて肌で感じている今日この頃だからです。実際本書には「『成果主義』導入は人件費抑制の方便」という項目がありました。

 

 「機会平等」と「結果平等」のバランスについて卒論を書いていた(つもりの)身として、また、遅ればせながら「社会人」というイッパシの肩書きを背負ってヒーヒー言いながらサラリーマンやっている身として、ダイレクトに「成果主義」に対する歪曲の潮流を感じています。

 

 うちの会社も9月の中間決算前からその傾向が顕著に現れ始めました。さまざまな形で人件費抑制の圧力が強くなりました。残業の禁止(=サービス残業の増加)、研修の中止、細々とした諸手当の廃止など、様々な形で人件費が抑制され、僕らの確実に給料下がってます(泣)。

 

 「残業の禁止=サービス残業の増加」という構造は、僕も正直学生やってるころはピンと来ませんでした。でも、人件費抑制に伴って人手不足に陥っても、仕事の量は変わらないワケですから(むしろ目に見えて顧客は増えているので仕事は増える)、単純に一人当たりに割り振られる仕事量は増えますし、それを残業なしで時間内に終わらせるというのはナカナカ難しいです。最初は「まだまだ自分が半人前だから」という意識がありましたが、最近「それでもやはり、どうもオカシイ」と感じざるを得なくなってきています。

 

 こういう実感ってやはり会社で実際に働いてみないと解らないものですね。学生時分は「ブルジョアとプロレタリアート」という対立軸しか僕の頭になかったのですが、そんな古臭い対立軸は最早問題ではありません。むしろ一つの組織の中で労働者同士が食い合っているというのが、サラリーマンというマジョリティには最も深刻な問題だと思います。成果主義なんて言っても結局は減点主義的な揚足の取り合いが横行してますし、(僕も常日頃から始末書と譴責の恐怖に怯えながら仕事してます)いくらウチのような新興産業会社と言えども、高度経済成長とバブルの中で発展してきたワケですから、当然高齢化が進んでいます。現場の人間が少ないと感じている反面「何をやっているか解らないお偉方」が妙に多く、年功制の弊害だけが残ってしまっているような気がしてなりません。

 

 今の僕の立場からすれば「この役立たずの中年親父が偉そうにしやがって!テメー一人の給料で現場の人間が3人雇えるんだよ、馬鹿!」という気持ちになりますが、お偉方からすれば「今の会社をここまで大きくしたのは俺たち」というプライドと既得権益の意識があるのでしょう。こうした世代間の対立の方が企業で働く人間にとっては重要なのだということを強く感じています。

 

 こうした一企業の構造は、本質の外れた昨今の政治問題とリンクするような気がします。政治家=経営陣、官僚=管理職、国民=ペーペー社員として考えれば、何のことはありません。現在僕らが批判の的にしている政治問題は実はもっと身近な問題で、日本政治の問題はそのまま日本社会の問題なのだということを痛感してしまいました。

 

 何だか愚痴っぽくなってきましたが、僕が今先生に一番伝えたいのは、自分の置かれた状況を嘆く気持ちではなく、効率性・公平性の実現は非常に困難で、且つ意外に身近な問題であり、今の経済学部生(特に塚田ゼミ生)にはこの本から見た視点で社会問題を考えることのほうが重要なのではないか、ということです(だって近い将来自分に降りかかって来る問題ですから)

 

 経営者の著作を読んで勉強するもの大事なことですが、僕が感じるに、彼らの本は「経営」というより「精神論」の要素が強く、(特にウチの会社の創業者の著作はいただけない)飽くまで経営者としての視点で書かれたものが多い気がします。それはそれで経営者を目指す人にとっては重要だとは思いますが、今回僕が手に入れた本のように企業の内部を「従業員」の立場から見た本も、学生には大切なのではないかという思いで今回メールさせていただきました。生意気言ってすみません。もし先生もこの本を読まれているのであれば、ぜひご見解などをお聞きしたいと思います。

それではまた。

 

・卒業生からのメールについての感想

 なぜかすごく身近に感じた。

 とてもよかった。成果主義とはやはりこういうものなのだなと感じた。

 今の社会がどんなものかあらためて知ることができた。とても参考になった。(多数)

 卒業後生きていく社会に恐怖さえ感じた。

 賃金、労働時間の問題を、(社会に出る前の)現時点で考え、知っておくことも非常に重要だと思った。

 このメールと同じことを考えている新入社員が大半の気がする。

 会社に入って、効率性、公平性の問題を肌で感じて、自分の意見もちゃんと持ってるのに驚いた。

 卒業後社会に出たらいやというほど実感するのだな→経済学部出身者は、そのときオピニオンリーダーになれる・・・のでは?(ケインズ)(メールNo.2→ 「成熟化社会」なんて言ってもまだまだ残された課題は世の中に沢山あるな、と思います。それが何なのかを熟考する時間は残念ながら実際に働いている身ではナカナカ持てないです。しかし学生のうちにそれを考えても、実情が見えないという悩みもあるでしょうし・・・/ 僕としても、「成果主義というのはコスト削減の言い訳であって、本当行うべきコスト削減はどこにあるのか、それを詳らかに証明するために会社の具体的な帳簿をみたいし、財務諸表を読み取る力を身に付けたい。そこからコーポレートガバナンスがどうあるべきかを考えてみたい、そんなことを研究する時間が欲しいな・・・。」などと色々考えたりします。・・・やっぱり思いますよ。「財務諸表も読めないのに『経済学部出ました』なんて言えないよなぁ」って(笑)。簿記の習得を義務付けられている今の山大生は大変だろうけど、羨ましいです

 紹介されていた本を読んでみたい。(2)

 先生のこの本への感想は→(まだ読んでません・・・。)

 成果主義に関して:企業内の個々人の貢献を正確に測ることは難しい。→どの程度正確にはかれるか?(山田君の、3人分の給料を取っている人たちの貢献度は?)

・成果主義賃金の企業は従業員の士気が落ち、内部崩壊が進むと思う。

・(押し付け的、または自発的?)付き合い残業→集団行動を大切にする日本人にとって、よい資本主義を目指すのは大変なんだ。

・サービス残業は世界のどこの国にもあるのか→前前回のILOのプリント参照

 

 参考:山田(仮名)君からのもう一つのメール お薦めの本

 

Date: Mon, 21 Feb 2005 15:31:53 +0900

 

   塚田先生

 

こんにちは。○○(仮名=山田)です(笑)。

HPも併せて受講生の感想を拝見しましたが、僕のメールほぼ全文掲載されてますね(笑)

なんだが妙に小っ恥ずかしいです(笑)。

 

 でも、在学生の人たちからの感想を読んで、とても嬉しい気持ちになりました。とかく山口という、地理的に決して好条件ではない場所にある大学で学ぶ人たちに、労働者のナマの声を届けて、少しでも貢献できるのであれば、との思いで掲載をお願いしましたが、予想外にしっかりとした意見が読めたので(失礼、笑)、大変喜ばしく思っています。

 

 ただ、少し心配な点を言わせていただきますが、この本「成果主義の崩壊」にしても、僕にしても、決して「成果主義」そのものを否定しているのではない、ということをもう一度申し上げておきたいと思います。(因みに本書の著者、城繁幸氏は山口県出身だそうですよ、笑)それを悪用する輩が一番厄介なのだと思います。会社でいう「何をしているのか判らないお偉方」たちですよね。そうこう言っているうちに、僕の会社では来年度からまた一つ手当てが廃止されることになりました。

もうイヤ(泣)。

 

 ところで、以前先生が薦めて下さった本「社会科学入門」(高島善哉著/岩波新書)ですが、ついに読みました。在学中から買っておいてはいたのですが、なぜか当時は読んでもナカナカ内容が理解できず、いつの間にか途中で頭の中から消えてしまっていました。

最近ふと思い出して書棚から取り出して目を通してみたところ、実に刺激的な本だと

いうことがよ〜く解りました(笑)。

 

 本って不思議なものですね。その本と相性の合う脳の波長というものでもあるのでしょうか?以前読めなかった本がある時突然、「片時も目を離したくない」という思いに駆られてしまうほど魅力的に感じてしまう、そんなことがあるものなんだなぁ、という不思議な感覚を覚えています。

 

 今この時期に来てようやく、先生が「ぜひ」と仰っていた意味がよく解りました。

僕が大学に入ってすぐにこの本に出会っていれば、もう少しマシな卒論が書けただろうな、と思います。高校生くらいでこの本が読める能力を持っていたら、人生変わっていただろうな、と思います(笑)。

これだけ頭をクールにし、気持ちを熱くさせてくれる本は人生の中でもそう多くは出会えないだろう、と思います。これだけインスピレーションを与えてもらえる本はそう滅多にないと思います。大袈裟に言っているのではなく、本当にそう思います。何というか、言葉で描写するのは非常に難しい位の興奮を覚えます!

 

 それにこの本、そのまま「社会科学概論」のテキストになるじゃないですか!(笑)

「試験問題つくるなら、この部分を論述させるべきだな」とか、「入試問題の国語の試験で扱うなら、この部分に傍線を引いて、問いが出されるべきだな」とか、そんなことまで考えるようになってしまいました(笑)。

 

 前置きはこれくらいにして(笑)、内容についての所感に入ります。

自分が今まで意識していた「資本主義と社会主義の対立軸」という体制への関心は、自分が思う以上に重要で、社会科学には不可欠なものなのだ、という自信を得ました。

 

「近代において国民国家形成の原動力となったリベラリズムは現代においてデモクラシーと結びついている。今後は更に少数派擁護の方向へ発展していくであろう」こう予備校で習ってきた僕にとって、体制→階級→民族というプロセスはまさしくベクトルが一致しており、まずこれに驚きました。1954年に第1刷発行ということは、55年体制のまだ前ですから、自由民主党が発足する前ですよね(笑)。こう考えればハンチントンの『文明の衝突』もそんなに驚くべきものではないのかも(笑)。

 

 腐った見方をすれば、現在も継承されている「平等」というのは飽くまでブルジョアの平等であり、依然としてプロレタリアの平等ではないということなのでしょう。その辺のところを勘違いしてしまったので、僕は社会に出てひどく痛い目に合ってます(笑)。近代憲法の基本原理では建前上「万人の自由・平等」ということになってはいるが、それは飽くまで建前。実際は労働者階級の自由・平等まで保障されているほど現代社会は進歩していないし、労働法が制定されているからと言って労働者の自由・平等が確立していると思ったら大間違いなんだということが改めてよく解りました(笑)。労働法は労働者階級の保障が規定されていることには間違いないですが、それは飽くまで「最低限度」の保障ですからね(笑)。

 

 それに市民革命の時点で労働者階級の保障も徹底されているなら、本来労働法なんて制定する必要もないし、共産主義も存在も無意味だということにもなり得ますよね(笑)。ひょっとしたら冷戦すらなかったかも(笑)。

 

 そして僕が苦手な西欧史(ヨーロッパの資本主義発達史)がよく解りました。教科書では全然つかめなかった西欧史ですが、イメージが掴めたのが今回この本を読んだ一番の収穫だと思います。断片的でもイイからもう一度世界史の教科書を開いてみたいと思いました(もう捨てちゃったけど、笑)。将来ヨーロッパに旅行に行くことがあるなら、なるべく意義深いものにしたいし、見て歩く観光名所がどういう歴史を歩んで今そこにあるのか、ということも含めて見てみたいという欲求に駆られました。

 

 また、社会科学を勉強するにあたって、歴史(過去)と理論(現在)と政策(未来)の3つの観点で捉え、経済学なら経済史・経済理論・経済政策、政治学なら政治史・政治理論・統治と行政、法律学なら法制史・法理論(法哲学)・法解釈、教育学なら教育史・教育理論・教育行政こうしたカテゴライズによって勉強を進めていくという考え方が、僕にとっては非常に新鮮なものでした。

 

 この本を読んだ後、色々な本を読み漁ってみました。立山憲法講義の時に使った、浦部法穂先生の『憲法学教室』やら、小泉信三の『共産主義批判の常識』とか・・・。休日の日に誰とも会話せずただひたすら活字を追い求め、寝て、メシ食って読んで寝て・・・(笑)たまにはこんな生活も悪くないかな、なんて思ったりしました(笑)。

 

 取り急ぎ報告まで。

 

 第六章 成果分配ルール(二) 慈恵性分配ルール(第一節の途中まで)

 

・人間の感情が前面に出ていて、難しいけれどおもしろかった。複数

・「社会は人間によって、人間は・・」

 ・印象に残った。複数

 ・わかりずらい。

 ・一方が他方を利用して発展していけということでは→それぞれの性質を理解するには他の理解が必要

・自由と平等は同じものか→ちがう 

・慈恵性とは他人のための性質か自分のための性質か?→他人のための。

・ロールズは慈恵心によって社会が成立していると言うのか?

・慈恵心はどんな環境で育つのだろう(発現?)

・慈恵心を持つためには最低限の生活の保障が必要だ。→(の発揮のためには)

・弱者と言う言葉はあまり好きではない。 disadvantaged?(用語の例・・)

・愛とは他人の善の増大とすると、自己愛とは?→

・社会のシステムを細かく分析することの意義は?→安定した協力関係の社会を作るため。

18916行 雇用者の用語→慣用法では、雇用者の言葉で、経営者も労働者もどちらも使う場合がある(「今月の雇用者は○○名増えた。」これは労働者をさす。)。これはまずい。本書では経営者を雇用者、労働者を被用者、被傭者、被雇者と表現している。

・ロールズの包括的世界観とは→comprehensive doctrines 世界観のこと。各人で違うということが重要。

 

・経済で主観面(慈恵性)を考慮する人は少ないが、安定した経済、経済政策から豊かな生活が生まれることを考えれば、その元である主観面をフィードバックさせることも必要かなと思った。

・人間が作った社会に取り囲まれながら、人間が作られている。不思議なことだが、すばらしい社会、人間を作って行かなければならないと思った。

・慈恵心の用語法の多さ、違いに驚いた。

・慈恵にはsupererogatory good actは含まれないか→通常は含まれない。厳密には含まれる。例外的な状況。

・友愛という言葉が好きになった。

・人間は私欲に駆られたとき、人間は他人の協力なしに存在し得ないことをよく思い出すべきだ。

・生存権などの憲法の社会保障の規定は、政府から弱者への慈恵性か→政府ではなく、国民からの慈恵性と、もう一つ保険動機もある。

・確かに現在の日本,世界では弱者を助けない強者が増えている。/身近なところでは近所づきあいなどで感ずることがある。

・(世界の貧富格差の巨大さについて)より豊かな生活を送るようになったのは自分達だけなのかと思うと少し悲しい。

・弱者救済の仕組みがあるべき形に確立されるには、一人一人の考え方を変え、社会病理のある仕組みが常識であると考えている人を減らすべきだ。

・私はボランティアをしているが、それは3番目、4番目であってはいけないですね。先生は本当に熱心に教えてくれると思います。→うーん、自分では分かりません。でも、何かうれしいですね。

・経済は成長せずに現状維持ではダメか?

・アメリカ人は、善と悪のように物事を二分化したがる。それで社会が分裂しやいのでは。

・世界は多様であってよいし、むしろそうでなければならない。

・真の世界平和を構築するのに、武者小路氏の「人間の安全保障」の考え方が参考になる。

・これから人間安全保障に対して日本がやるべきことが、少しではあるが具体的に分かった。

・北朝鮮の今度の遺骨のうそに対して食糧支援打ち切りをすると、苦しむのは地方に済む弱い立場の人々だけだ。打ち切りせずに交渉を続けるべきだ。

・イギリスの子供の記事、経済発展の裏にはそのゆがみみたいなものが必ずくっついて回るのかな?これから発展していくであろう中国、東(南)アジアなどの国ではそのゆがみを出さないよう経済発展して欲しい。

 

 第六章 成果分配ルール (二)第一節 正義の原理の構築と慈恵性〜「高邁性」まで

 

・権利は金と交換できない、は建前と思う

 

・生れ落ちる階級とは、親のそれか→yes

・恵まれない人の条件(家族、運など)に合っていても、幸せに感じる人もいる 複数

・補償原理と格差原理の比較が面白かった

・格差原理の許容範囲の話を聞き、人間の心理とは奇妙なものと思った→ロールズの見方

・働く意欲や向上意欲のためには報酬の差が必要

・慈恵心は家族以外に対しては自分が豊かであってはじめて生れると思う

 

・潤いのない社会、という言葉が印象に残った

 昔は家と家の垣根が低かったが、今は高い塀がさえぎっている

・人間を遺伝子の点から見るのに興味を持った

 

・正義とはこんなにも条件が多いものなのか(もっとシンプルではないのか)

 

 第六章 成果分配ルール (二)第二節 自愛心と慈恵性、の2、遺伝子プールのところから第三節慈恵性の発揮のための政策、まで

 

・遺伝子プール、を詳しく 複数

・人類のもとが一点ならば人種と言う言葉は要らない

・遺伝子は愛とかに本当にたどり着くのだろうか

・優秀な人間は選べない、に少し疑問を抱いた

・どれだけ優位を認めるのかは難しい問題だ

・短期的な優位性を判断するのはその社会? 

・クローン人間づくりに反対 もはや人間とは呼べないかもしれない

・現代にいたるまで自愛心のほうが重視されてしまうのがだんだんひどくなってきているような気がする

・不況時に自己愛が肥大化する、に納得

・子どもに競争を過剰に意識させるのはよくない

 

・今の社会では他人に目を向ける余裕すらないのでは。

・人に慈恵心がないのではなく、それが発揮されにくい社会というのになるほどと思った。

・最近「心にゆとりを」という記事をよく目にする。慈恵性を持てていない証拠だと思う。

・ここ10年ぐらい、慈恵性の欠如を強く感ずる。たとえば幼児虐待といったことに。なぜそうなったのか?

・物質的に豊になったが、その急速な変化の中で育てられた子供は、社会にすばやく適応できなくなったのではないか。

・少しでも慈恵()のあふれる人間になりたい。→学校で大切と感じたことを社会でも追求しましょう。

 

 補章 資源分配ルールと公正性基準 フィリピンの土地改革について

 

・公正性の基準は何か?

・民族主義が高まるとなぜ家父長的配慮が弱まるのか? →商品経済の発達

・農地改革で市場経済化が進むことで、新たなマイナス面も生じうる

・他の発展途上国でも地主の反対が強いのか?

・民族主義的動機とは具体的には? →国力(経済、軍事)を強め、支配から脱する、または支配されないようにする

・分配に長期がかかるのは問題の難しさを示している 複数

・フィリピンへの援助で日本への利益は? →工事 小笠原貞子さん

・日本の莫大な援助に驚いた

・土地改革が試みられるとは公正性が改善されているという点で重要だ

 

・農地改革が10年以上も続いているのはすごい、日本人はすぐに結果を求めすぎだ。

・土地の再分配問題、フィリピンの商品経済化の構築、自分でも調べてみたい。

・次旧自足経済だとなぜ家父長制度が崩れるのか→商品経済経済になると。

・再分配後のフィリピンの現状がどうか自分でも調べてみたい。

・土地再分配で開発が進み、環境は大丈夫か。日本の開発援助が森林減少を促進したのか。

・援助するお金は政府の借金返済に使うべきだ。→より貧しい国を助けながら、で進んでいるが・・。これも必要では?(私も住宅ローンを返済しながら募金をしたり、途上国の子どもにお金を送っている、いた。)

 

 大学の授業料について

 

・教育を受けたくても受けられないことはおかしいと思う。

・学費貸与制度には賛成。→さらに、教育の機会均等を完全に実現するためには学費は全学公的負担にするのが最善。

 

・身近な話しでとても興味を持った。数名

・授業料についてはこれまであまり興味がなかったが、自分の子供を高等教育まで行かせようとすると、大きな問題に思えた。

・私立大がお金を取る以上国公立もとるのは公平だ。・・・しかしそれは思い込みに過ぎないのかもしれない。

・教育費の負担が減れば少子化も少しは改善されるだろう。

・教育を商品と同じ扱いのようにすることは間違いだ。

・お金がないから進学できないというのはおかしい。複数

・授業料がなくなればもっと学びたい人が増えるのでは。

・授業料の高さは、貧乏人は高等教育を受けるなといっているみたいだ。

・無償であるべきだ。数名

・進学率上昇に伴う授業料高騰は仕方ない。

・大学は大卒という付加価値がつくので授業料は必要だ。だがどんどん高くなっていくのは問題だ。

GDP0.7%、これでは教育を抑止している。

・「学生が来なくなってからうんぬん」、開いた口がふさがらない論理。

・家庭に任せて授業料を決めたら、どんなに高くても無理をしてでも大学に生かせようとする家庭が出てくる。

・消費税を上げて教育にまわすことはできないか。

・他の支出を削っても、教育・福祉・等の面はできる限り安定して安心なものにする必要があるはず。

・独立行政法人化されることでもっと授業料が上がらないか心配だ。

 

 

 

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 時事問題・・・2001年度夏の講義の中で出された質問、感想

 

・テロに反対

 

 どう対処すべきか、で分かれる。

 

・米軍の報復戦争を認める。

  何千人の犠牲者を出している国に報復するなとはいえない。

・自衛隊が出て行くべきだ。

  日本人が被害にあったのだから。

  国際的行動に協力すべきだ。

  医療のみ協力すべきだ。

 

・米軍の報復戦争は認めない。

  米国は戦争でなく法で裁くべきだ。

  世界の中心であることを保とうとしているのでは。

  なぜ米国に矛先が向けられたかを考えてほしい。

  世界の警察として振る舞いたければ公平に行動すべきだ。

  イスラムから見れば今回のテロ以上に彼らを殺害している。

・自衛隊の後方支援はすべきでない。

  他の方法でテロ対策に行動すべきだ。

  原爆を投下された日本は戦争をすべきでないと発言すべきだ、説得力も持つ。

   軍事行動だとまた報復が繰り返される。

  すでに基地提供で後方支援をしているから。(隣国パキスタンも基地のみ?)

  戦争後の復興援助がベストだ。

 

? テロは犯罪→容疑者確定被害国に引き渡し→裁判

  テロは犯罪→テロは戦争→容疑者がいる国を攻撃

 今回の事件は、容疑者確定の段階がまだ不明。

 また、確定しても米国に渡さない、とアフガン政府(タリバン)が主張。

 

 米国は「証拠がある、だが犯人引き渡しを拒んだ」として攻撃開始。

 

 同時多発テロ

 

・国連が仲介役をできなかったのか?

・アナン氏は理想論だ。

・ドキュメントを読み、涙が出そうだった。ふつうに通勤し、働いていたその場所が・・。

・なぜテロが起きたのかも大切だ。

・宗教に生きる人は一般の人と違うような気がする。

・アフガン攻撃は経済的動機はないようだ。

 

 雇用の年齢制限撤廃

 

・訓練受給者に給付、は財政赤字の今、可能か?

・政治家は痛みを受けないから、と思ったりしてしまう。

 

 時事問題・同時多発テロ 小池政行氏「正義は国際裁判で」

 

・誰が犯人かだけでなく、なぜそれをしたか、も問題だ

・過激派を生みやすい貧困を世界から一掃する、に賛成

・日本は平和憲法を持つ被爆国として世界を戦争のない道に導く責任がある。アメリカを怖がって長いものに巻かれている場合ではない。

・日本は戦争で負けた恐怖をまだ感じている?

・自衛隊派遣は国民の直接投票が必要なぐらいの重大事なのに何もなしに決まっていく政治に怖さを感じる→投書も一つの行動手段

・国際裁判でビンラディンは出頭するか?

・ビンラディン氏も、ジハードといって戦えというなら逃げずに出てくればいいのに

・価値観が違うと裁けないのでは、一方ではテロ、一方では英雄になる

罪のないアラブ人を殺傷してはいけない。耐え難い。100%正義とはいえない。

・「テロリストと戦っており、アフガン人が的ではない」と口で言うのは簡単だが、殺傷された人をどう思っているのか→だから我慢せよ、との意味であろう。だが、我慢できるか?

・報復で一般市民を殺すことは罪にならないのか

・もしも犯人がビンラディン氏でなかったら

・米国が一歩引いて冷静に対処すべきだ。それで今後の流れが変わる。

・痛い目を見るぞ、を示すための武力行使も「有り」だと思う

 

 時事問題 アナン氏と国連 ノーベル平和賞

 

・温和な姿勢は今まさに世界に必要なスタイルだ。受賞して当然だ。(複数)

・人類の理性を理想が牽引して欲しい、に共感した。

・理想の世界とは何か。

・今行われていることをすぐに止める事が国連としてのアナン氏の役割だ。国連の対応は遅い。(複数)

・ブラックアフリカ、は差別用語ではないか。 black Africa, black Americans

・タイで子供によるエイズが増加しているとの報道があった。罪もない子供たちが泣き声をぐっとこらえて生きているのが痛々しかった。政府はもっと援助して欲しい。

・エイズの多いアフリカの国の報道で、子供たちが雨水を売って生計を立てていた。

 

 母乳は世界共通なのに

 

・人種が違っていても同じ人類なのだと思い知らされた。

同じ星のもとに生まれあわせたのに、は、とても心に響く言葉だ。

・同じ人間なのに生まれた場所で自由が違ってくるのは理不尽だ。(複数)

・皆が平和に安心して暮らせる世の中に。

・男を優先させる頑固な考え方にあきれた。(イラン映画?)

・アメリカは、変なプライドのため、母乳は世界共通、との考えがわからないのだ。

・民間人被害:米国はより慎重な軍事行動を。

・今の戦争は長期化し、第三次世界大戦になると思う。

・一人一人ができることは微量だが、国としてできることは大きな力。日本は救援物資だけでなく、政治的介入も必要では?

 

 イスラエル軍ベスレヘム進行

 

・アメリカのテロ事件によっていろんなことを考え、見つめさせられる。

・パレスチナを刺激すれば問題が深刻化してしまう。

・パレスチナに終結、妥協の道があるのか?

・宗教を暴力の理由に利用してはいけない。

・人を殺すことを誉める神はない。

 

(2006811日現在、ここ半月ほど、イスラエルのレバノン空爆のニュースが続いている。レバノンのヒズボラという政治集団(議員もいる、闘争部門も持つ)によるイスラエルへのロケット弾攻撃、またイスラエル兵の拉致などに対抗して行われている。既にレバノン側は1000人、イスラエル側は100人ほどの死者が出ている。障害を受けた者はその何倍もだろう。多くは民間人らしい。)

 

 ウオルフェンソン 貧困がテロリスト生む温床に、途上国に市場開放して支援を

 

・テロの要因としては宗教が大きい。

・人間は経済的に豊かになれば、ある程度満足する動物だ。

・裕福な国へのひがみある。

・自分も極貧の生活から抜け出せない境遇にあったら、逆恨みであっても、助けてくれない人のところにテロに行くかも。

・あまりにも世界では貧富の差がついてしまっているように思える。広がる一方だ。

・辻本清美さん「これからアフガンで100万人が死の淵に、との危険も」。

・先進国が途上国を利用だけして、貧困に対して知らぬ顔をしてきたことが根因だ。

・なぜ市場を開放しないのか?→どの国が何に対して開放していないか、WTO新ラウンドへの動きに注目。

・先進国政府からの援助が過去10年間でなぜ半分に減ったのか?

・日本は一番援助しているのに感謝されていないようだ。それなら減らして国債を返したほうがよいのでは。

・上から下へ、でなく、仲間としての支援が必要と思う。

・援助が多すぎると逆にいいかげんな発展となり、自発的発展を妨げるのでは。

・重化学工業化への支援も重要だ。→経済発展論の重要テーマであろう。

・(援助がその国への輸出に結びつき)国内産業へ逆にダメージを与える可能性も考慮せねば。途上国の国内で生産・消費の拡大になるような援助を。

・教育への支援も重要だ。

・他の援助方法は?ある授業でバングラデシュの銀行のビデオを見た。助成の申請が多かった。なお、アフガンとバングラデシュは最貧47カ国に入っているそうだ。

貧困は最後にテロに結びつく。だが、金で動く社会は嫌いだ。日本は豊かだが、金目当てで平気で悪いことができる。

・日本で汚くお金をもらっている政治家のお金をもっと有効に使うべきだ。

・援助も大事と思うけれども、私は国内の景気回復にお金を使って欲しいと思ってしまう。

・現在のような武力行使が続くと、さらにテロが生れる。

 (2006811日。昨日、ロンドンで、ヒースロー空港発アメリカ行のアメリカの旅客機複数をねらった自爆テロ事件が未遂に終わり、20名ほどが逮捕されたとのニュースあり。アルカイダと結びついたアラブ系の人々、パキスタン系イギリス人も含めて、『主犯の可能性あり、と報道。)

・ラディン氏、本当に核を持っていそうで怖い。

 

 (「決起の子」の事態を糧に 「いのちの電話」30年 地球規模の安心は)

 

・重荷を糧にして生き抜くという、勇気が湧く話だった。

・芸能人にもテレビが作り出すイメージに悩んでいる人がいるという。

・沖縄でも話し合うことが少なかったというのは意外だった。複数

・自衛隊の派遣はすぐ決まったのになぜ沖縄の基地問題はこんなに改正されないのか?

・沖縄には基地が多すぎる。大規模な撤退は当然だ。

・沖縄で米軍がしていることは植民地に近い。

・日本もコスタリカのように内戦終結に努力して欲しい。複数

・コスタリカは周辺国をどのように説得したのだろうか。

・平和憲法は最も高い理想を持つ憲法だ。

・自衛隊があるのだから米軍の必要はない。

・核の傘に守られながら反戦・非核を唱えるのはおかしい。

⇔沖縄の米軍基地は不必要だと断言できるだろうか?

・米軍基地で働いている人のことはどうしたらよいか。

 

・自殺まで思いつめるのは、幼いころ親に愛された記憶が薄いからだろうか。

・時代とともに相談内容が変っていることが印象に残った。複数

・こんなに頻繁にかかってくるとは驚いた。

 ・国がこの現状をもっと深刻に受け止めるべきだ。

 ・こんなにも世の中の流れが激変しているのか。軌道修正を。

 ・今日のほうが自殺者が増えるのはなぜか?→30−44,45−59歳、景気

 ・相談できる人がいないと最悪の事態に陥ると思う。

 ・そういう人にこの電話は非常に役立っている。複数 

 ・同じ思いを持った人にしかそういう人の気持ちはわからないのだろうか。

 ・自分自身が少しでも変らないとやっていけない。→僕が僕で・・ 

 

・顔を見せることが可能となった女性たち。これは軍事介入で可能となった。

・このような非常事態にもアメリカの意向を気にする空気がいやだ。

・米軍が国連軍の一部であるときだけ協力すべきだ。

・先進国と後進国の格差は思っていた以上だ。

・先進国も景気が落ち込んでいっているが、将来を見据えて助け合うことが必要だ。

・アフガニスタンの難民にどうしたらいいだろうか。

・一言で平和を語るのは難しいが、平和について考えることはできる。

・今の戦争が終わったら地球環境問題で協力して欲しい。

・森林の吸収も前提として温暖化対策を決めたのでは?

 

 対話・支援カギ:世界のテロ組織、沖縄は憲法番外地か

 

テロリストが生れた原因は貧富の差だ 複数

これだけ多くのテロ組織に、日本が脅かされる可能性は?

他国のアルカイダの関連阻止飢餓新たなテロを起こさないか

オウム真理教がリストに載っているのに驚いた 多数

世界のチャイルドソルジャー、ストリートチルドレンの存在は残酷である

テロから3ヶ月、あまり騒がれなくなっているようだ。このままで世界の平和は訪れるのか 複数 集団サリン事件も風化しつつある(米でも・・?)

死を覚悟してまで訴える思いとは?(「実行犯の中には・・」)

各国が協力し、ともに行動を起こさなければ始まらない

自衛隊派遣が平和につながるとは思えない 複数

自衛隊派遣は日本国の存在のために仕方のないことだ

国際社会の正義が力の強さで決まると言うのは本当にそうだと思った 複数

難民を多数作り、一般市民を犠牲にするやり方はよくない

「表情がない。悲しすぎて」という言葉が何日も耳から離れなかった。

 

同じ日本なのだが沖縄のことに実感が湧かない 複数

本土の人は沖縄を完全に日本の一部と思っていないのかも、特に年配者。

残念だが平和主義は理想論であると思う。正義の意味がよくわからなくなってきた。

なぜ日本に米軍基地があるのか→「西側世界を守る」→「アジアの平和を守る」

中国や北朝鮮が武力で圧力をかけて来た時、自衛隊以外に国家を守る方法はない

今後台湾、朝鮮半島が安定したら、沖縄の米軍基地は少しは返して欲しい

自衛隊では守れないのか→非核三原則ゆえに?

沖縄だけの犠牲はおかしい 負担は分かち合うべきだ 多数

沖縄に独自の憲法を作るのも一つの解決策かも

 

米国に何を言おうと米国は意のままに行動するので、沖縄は現状のまま変らないだろう

沖縄経済のために、企業誘致をしてから米軍を出ていかせるべきだ

国家があっての国民ではない→相互利益 ・・・とは?

 

 ゆっくり働く、25億ドルあれば救える:世界の軍事費の一日分より少額

 

競争についていけない人たちの雇用が重要だ

速さが障害になりうる、が印象に残った 複数

人は誰でも何らかの障害者、が心に残った。 複数

ゆっくり働く、が現代に必要なことだとあらためて確信した 複数 →忙 緩

おっとり育った若者と強まる企業の効率主義の落差、という指摘が印象に残った

現代人には「待つ」というこころのゆとりが必要なのかもしれない →タバコ一本の間・・

現代ではいかに効率よく働くかが問われているとばかり思っていたが、ゆっくりで得られるものもあるんだと、物事の多面性を再確認させられた

 

なぜテロや軍事に多額のお金を使い、人道的なことに使えないのか、腹立たしく思えてき た

人道危機が17カ国にもあることに驚いた

軍事費一日分、に愕然とした 複数

軍事力を持つことへの疑問を感じた

私たちの消費行動を見直す必要もある

アローも「贈与と交換」の中で、「交換が効率よく行われるためには真実、忠誠心、正義な どの『徳』が不可欠である」と述べた。人はやはり助け合っていくべきだと思った。

戦争など無駄なことをしなければ貧しさに苦しむこともない。

今、先進国は自国の発展にしか目が向いていない。

5000円で681人救える、に驚いた 複数

募金できて嬉しかった 複数

援助、募金はちゃんと届いているんだろうか?積極的に公表すべきだ。複数 →中村医師

 

 

 

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 自由記入欄

 

 内容について

 

・戦争の原因が経済にあるということは,詳しく見ていくととてもおもしろい。(数名)

・経済的問題ならば自分も無関係ではない。

・私も戦争はいやなので,時間をかけてでも経済のことや自分がどう生きるべきかを考えていきたい。

・普段は一人死んでも大騒ぎするのに戦争では,・・、という言葉でああそうだなあと気づいた。

・(政策、政治の場面で)、(議員同士が)足を引っ張り合う今の現状が悲しくて仕方ない。

・良い経済政策が作られても,それが良い法律に結実しなければ意味がない。両方に精通した人が必要だ。「細分化された専門を統一する作業の必要性」に納得した。

 (経法と経済学部)

 

・男女平等といいつつも、明らかに男子を欲しがっているというのがわかる企業もある。

 

・全体像が見えにくい。(複数)

・他の講義とは違い異なる視点から見ている感じがする。

 →現代社会・現代経済論 人類の経済的基本課題=分配問題、の視点

・政治家(決定者)でない普通の人たち(郵便局員など)が犠牲になる。本当に切なくなる。

・働く気があるのにホームレスになった人は社会の責任だ。

・博多駅や周辺の公園で見かける。どこかに収容してあげられないか。

 →092−711−4231、中央区役所、保護第二課、高木さんに尋ねたところ、「今は苦情に対して対応している。保護については検討中。苦情があると、管理部門の嘱託員が注意に行く。病気の人(結核など)は検診をはじめた。公園にいても犯罪ではない。保護は、どこまでするかが問題。川崎市で弁当を配っている。当初年間1千万円。その後流入し、今、1億円。東京で50人収容の施設、40人は3ヶ月で出る。とても自立できない、また戻る。福岡でも、支援団体から要請がある。作るとしてもどこに作るかが大きな問題になる。当面、高齢者にどう対処するかが課題。」との説明を受けた。

 

・(日本の改革)痛みを受ける人に何もしないのか?

・もう日本人はテロと報復攻撃に飽きてしまったと思う。

・日本はいずれ戦争にも参加するようになるのでは?

・台湾海峡、朝鮮半島の緊張がなくなったら、日本も中立国を目指してほしい。

 

・日本は先進資本主義国とはいえ、暮らしやすい国ではない。労働者に対し生産力増大(の手段としてしか見ない)。

・高校時代の政治経済のようでおもしろい。

 

・日本はもっと教育に力を注ぐべきだ。→政府、教育改革国民会議(奉仕の義務化論)、大学改革(競争力強化論)

・京都議定書はどうなるのだろう。

 

・日本国民の所得階級の格差は?→平均600万円、二つのピーク

 

・空爆では誰がどれだけ死んだかわからない。米軍は自分たちへの被害は少ないのだが。

・タリバン兵が捕らえた敵兵を公開処刑する写真を見た。人間のすることではない。→逆の写真も。ベトナムでもあった。

・イランに対しても強硬姿勢をとるのは間違いだ。複数

・米国はイスラエルを援助してきているので問題を解決する義務がある。

・英国は責任があるので役割を果たすべきだ。

・運んだテントはパキスタン製、という記事を読んだ。NGOに渡していたらもっと価値ある援助になった。

・アフガニスタンへの戦後の援助は相手が甘えすぎない程度にすべきだ。

 

・「アフガンに比べれば天国」・・比べることは無意味だ。複数

・構造改革の要点は賃金構造の改革にある。→対外競争力関連で(生産性と賃金)

・小泉首相を批判する橋本元総理は、自分が景気を悪化させたことを自覚しているのか?→いる。大蔵省を批判していた。

・小泉首相は、誰も触れなかったことに触れただけでもえらい。

・政府の汚職が目に付き、信用できない。→医師会、外務省・・

・ある記事で、道路公団は赤字だが子会社は大抵黒字だとあった。9割は天下りだとも。

・道路公団廃止は地方いじめだとある授業で聞いた。地方と本州を区別しない政策を。

・赤字ばかり出す高速道路はもう作るべきではない。

・国を良くする為の役所なのだから、要求ばかりすると文句をいわずに改革を進めてほしい。

・この改革で家が建てられなくなる人がいても我慢すべきだ。

・兵庫県の公務員が「兵庫キャリアアッププログラム」と言うワークシェアリングを行っている。(8千人の残業の5%を削減し、2億円を削り、新卒、既卒の若者を雇うというもの。)

 

・9・11テロ、またイラク戦争:何の罪もない市民などが死んだりする、理不尽だ。

・日本は、憲法の戦争放棄から、自衛のための武力保有に進み、今、さらにその先に進もうとしている。→これから数年間、日本社会の大きなテーマになります。

 

3人に2人が日常生活に悩み・不安という記事を読み、私は全員が悩み・不安を感じていると思ったので少し驚いた。

・「仕事で疲れる」人が非常に多い社会は改善すべきだ。→*(文末参照)

2月から本格的に就職活動をし、決まったのが8月末。長くて疲れた。→以前は7月ごろ解禁で、夏休み中に決まっていたと思います。講義をする側から見てもこれぐらいがベストなのですが。

・就職が決まらないとフリーターしかない。先輩で就職が決まらずフリーターになった人もいる。不安だ。→景気回復が大きな効果をもつのですが。経済学者の責任でもあります。

・リストラなどを見たら新入社員の安定志向が強まるのも当然だと思う。

・日本型システムは本当に悪いのか?1980年代はあれほど賞賛されていたのに?→終身雇用と年功序列、そして雇用流動化と成果主義、どのようなあり方がよいのか。企業は毎日、毎月の生き残りがすべての行動の基準となる。しかし政府、国民はそこから出てくるあり方が社会全体として最善かどうかを考えることができるし、考えねばならない。

 

 進め方について

 

・もう少しゆっくり。

・予習が成績に加えられるのはとてもよい。理解が深まり授業を聞くのが楽しくなる。

・評価方法がわかりやすくてよい。

・話し方がゆっくりとていねいでよく理解できました。

・時事の情報収集は、何が有効か→新聞、テレビ・ラジオ、インターネット、雑誌。

・今日の講義のように、昔からの流れを考えると(また、三人を比べると)理解しやすかった。(複数)

・経済学部に入ってから、経済のニュースを見るのが楽しくなった。

・次の授業はとても楽しそうなので、楽しみにしている。

・今までにない授業でとてもおもしろかった。(多数)(歌と漫画を使った講義で)

・1コマ目のつらさも忘れて楽しかった。

・板書をもっと大きく。読めない文字あり。

・話もノートしたいのでペースをもっとゆっくりと

・教科書をもっと活用して→予・復習で使うこと。

・先生の意見はこれだ、でどんどん進めてほしい。

・教科書のページ数をちゃんと書いてほしい。

・出席に関係あり?→なし(2001年度は出欠は別にとっている。)

・期末テストはあるのか?→ある (講義要約と一つ疑問点を設定し、考察)

・授業の中で、先生自身の中で会話を進めるときがある。注意。

・わかりにくかったという意見が多いときは復習して欲しい。

・講義の要約とはどこの要約か?→全体

・試験は時事問題からもでるのか?→本論のみ

・出席も考慮するとあったが?複数→基本的に考慮しない

・時事問題と授業内容のつながりはある? ある。公正性(自然、成果)、慈恵性、効率性

 

 全体的感想

 

・後期,専門科目が増えてとてもうれしい。

・先生の授業はとても楽しいと先輩に進められて,この授業を取ったら,ほんとに楽しそうだったので,これからが楽しみだ。

・内容が難しいけどおもしろい。

・大いにためになる授業ではないかと感じた。

・まだガイダンスだったが,とてもひきつけられる内容で,とても興味をもった。

・人間の生き方から経済学について考えるようになったことに広い視野を持っていると感心した。

・先生の高校時代の問題意識から話を始めてくださったことでこの授業に大変親しみがわきました。経済政策の勉強意義がわかるわかりやすいガイダンスでした。

・一見つながらないことでも遠い視点で見るとつながっているので驚いた。

・ ○○・・、この図が好きです。視野を広くすることが私の一生の課題だと思います。

・広い視野で関係や動きを見る力が現代の人々に足りていないというのはとても納得させられました。

・おもしろそうなので自分でも勉強していきたい。

・この講義は経済の”根本”みたいな、知識というより”考え方”みたいな感覚でおもしろかった。→どのような社会がよいのか、を考える一つの手がかりとして、スペインを訪問しました。この国は南欧型のスタイルの国の一つです(他にイタリア、ポルトガルがあり、またフランスもここに含めてよいかもしれません。)マドリッドのすぐ近くのアルカラ・デ・エナーレスという町に滞在しました。まだ十分明るい午後6時ごろになると、住宅地のそこここにある公園に近所の老若男女がたくさん集まって、話したり、散歩したり、心和む光景でした。この国も経済のグローバル化の中で変わりつつありますが、日本と比べると時間の流れが緩やかなように感じました。(注:スペインと日本)

・この講義を受けて強く印象に残ったことは、経済政策といっても、これが(絶対)よいというものはなく、今もこれからも考えていかねばならないということです。さまざまな理想や理念のもとに考えられ、人が社会を作って生活をなす以上、ずっと考えていかねばならない。私もこれからの経済社会に貢献できるよう努力していきたい。

・今まで学んだ経済とは違った形で学ぶことができたことはとても勉強になりました。慈恵性というものは経済の競争の中ではないものだと思っていました。

・この講義を受けて、経済政策を考えていくには、日本だけにとらわれず世界の国々の状況を把握していくことが必要だとわかった。ほしいものを聞かれたときに「平和」と答える子供がいるという事実を受け止め、日本が世界でできる役割を考えていかなければならない。

・長い間ありがとうございました。わかりやすく、いい講義でした。学科は違いますがこちらの分野に興味が湧くことができました。

・この授業では、経済がどのようない社会・政治に作用し、また人々の生活をどのように改善していくべきかなど、とても興味がある内容で、新しい知識を得られて、とてもよかったです。

・教科書の最後の後書きにひどく共感した。戦争の意義とはなにか、金か、領土か、人民か、この文から今まで講義で聞いたことすべてが一つになった気がした。

 

 (注:スペインと日本)

・少子化対策のため、職場や家庭にゆとりが必要だ。日本は焦りすぎているような気がする。(私のHPより:結局、労働を減らし、ゆとりを楽しむ、そういう生き方に変わることは日本人の選択次第だと言うことになった。つまり、それでも国は生きていける、そういう選択肢は可能ということだ。なぜ可能かというと、事実がそれを証明している。労働を減らせば経済的富は減る。つまり一人当たりGDPは減る。しかしそのような国はたくさんあり、どの国も破綻してはいない。たとえば日本は2001年にPPPで測って一人当たりGDPは26416ドルだった。同年にスペインは21393ドル。では日本よりも19%少ないスペインは破綻しているかと言えばそんなことはない。昨年訪問してこの目で見たスペイン社会は、かえって日本よりもゆったりと生活を楽しむ国だった。ただ、彼らはすでに過去の歴史の中で富を蓄えたからだ、という可能性もある。だが、他国を支配したことでそれができたスペインだが、日本は鎖国をしたがそのもとで日本文化はそれなりに発達した。それが日本の富だともいる。というわけで、この問題、可能性はどう考えるのがよいだろうか。)

・ルクセンブルグ、リヒテンシュタイン、モナコなどのGDPが高い理由は、面積が小さい、人口が少ない、公営ギャンブルがある、観光地である、などであると高校で聞いた。

・一人当たりGDPは先進国は高くないのに驚いた。→G7は為替レート換算のGDPの規模の順。(米、日、独、英、仏、伊、加) 2001年:10億ドル

 米 10082

 日  4176

 独  1855

 英  1423     EU 5679

 仏  1311

 伊  1090

 加   705

 

経済規模等比較

                 日本   米国  ユーロ11 EU15ヶ国 (単位:%)

名目GDP(97年) 14.0   26.1   21.0   27.0

貿易(97年)        6.8    14.2   28.8   36.4

人口(97年、単位:億人) 1.26      2.68   2.90   3.74

使用通貨比較

世界貿易(92年)    5.0    48.0       31.0

全世界外貨準備(97年末)4.9       57.1   19.4   22.8

(注1)域内貿易を含む。

(注2)輸出における通貨建ての数値を基に試算。(Philipp Hartman,The Future of the Euro as an International Currency)

(注3)独マルク、仏フラン、蘭ギルダー、及びECUの合計。

(注4) ユーロ11の合計+英ポンド。

(出所)国際通貨基金「World Economic Outlook, October 1997」等

http://www.mof.go.jp/singikai/gaitame/tosin/1a704c2.pdf

 



[1] ロールズにおいて格差原理は原初状態から導き出される一つの回答である。原初状態=出発点の状況設定(登場人物と環境の特徴付け)によって異なった原理が生じうる。

[2] 大田尭『教育とは何か』岩波書店参照。