質問・感想 回答・検討・紹介 2009・10・2の講義
 
1(講義の進め方)
 
・クーラーの温度
・板書の位置
 
2(内容)
 
・板書:自由放任国家は福祉国家に含まれているのか?→No. 両者は別のもの。ともに市民社会に含まれる。
・板書:なぜ教育の下に相続があり、しかも公正なのか?→人間はまず親から能力と資産を受け継いで生まれてくる。次に教育を受けてから社会に入る。この二つがどうしたら公正に行なわれるかが、公正の問題の最初の二つである。
・農奴の読み方は→のうど
・効率の目的以外でも社会が作られるか?→Yes. いろいろありうる。例)子育て→異性間。趣味、スポーツ→同好者の集団、等々。
 
 
 
              
               経済社会(国家)
 
 
・公的扶助のネットから落ちる人のためにはすべての個人に最低生活保障をする「ベーシックインカム」はどうか?→一つのアイデア。
・最初の福祉国家はドイツ?→下記参照
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 出所:Hiroto TSUKADA, Economic Globalization and the Citizens' Welfare State, Ashgate, 2002, p.50
・各国の国債残高は?→
出所:財務省、http://www.mof.go.jp/zaisei/con_03_g05.html
 
・『蟹工船』ブームとは?→小林多喜二(30歳で特高:特別高等警察、当時:の取調べにより死亡)の同著(1929年)が近年多数売れた現象。
・労働法は実際に効力がある?→現状では一定程度はある。(参考:脇田滋、竜谷大教授、『労働法を考える』新日本出版社、2007年)
・派遣切りについて詳しく知りたい→10月29日6時の講演会
・小泉政権下の小さな政府の流れは福祉国家の範疇か?→Yes その一部の手直し程度。
・日本のセーフティネットは他国と比べてどうか?→途上国と比べれば厚い。(生産力、一要因)だが、先進国グループ内では低い。(基準:貧困率。下図参照)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Source:OECD, Growing Unequal?, 2009, http://www.oecd.org/dataoecd/48/56/41494435.pdf, p.3
・子ども手当ては慈恵的制度か?→所得に無関係なのでNo。効率性、あるいは社会そのものの基礎維持のための政策・制度。
 
・資本主義の国はすべて自由放任→福祉国家という流れか?→Yes. 理由:国民の選択。
・理想の資本主義と理想の社会主義を比較すると社会主義のほうが優れている?→理想は実現して意味がある。両者ともに変化途上なので、結論は未解決。
 資本主義 目的 各人の自由な幸福追求 
  手段 生産手段(土地、工場)の私有も自由 →変化→国民の福祉重視へ
分配 労使間の契約(マルクス:「賃金の不払い」を指摘)(格差 大)
 社会主義 目的 各人の幸福追求
  手段 生産手段の私有は資本家による労働者の搾取を生むので公有化 →変化(ソ連→資本主義へ、中国→私的使用権の強化へ)
  分配 労働に応じて (格差 2,3倍?)
 共産主義 分配 必要に応じて
 (K.Marx、F.Engels、『共産党宣言』、『資本論』など(訳書多数)。)
・中国で社会主義と市場経済が混在しているというのは?→上記:生産手段の国有と私的使用権の混在。
・なぜ理想的な社会主義ができるはずの時期よりずっと早く不完全な社会主義国が誕生したのか?→マルクスの予想:1)発展した生産力を資本家たちが使いこなせなくなる。2)同時に労働者が成長し団結して社会を変える(議会あり:選挙で。議会なし:武力で)。現実:ソ連、中国では1)がない段階で2)が先に起きた。(テキストpp.18−23参照。)
・中国以外に社会主義国は?→ベトナム、キューバ、他に・・・