質問・感想 回答・検討・紹介 2009・11・06の講義
 
1(講義の進め方)
 
・質問を読むことで理解が深まる気がする。
・少しずつ予習の時点で理解できるようになった。
・もう少しきれいな字で板書して欲しい。
・後ろの人がうるさい。
 
・Wikipediaの引用はよくない?→自分が考える手がかりの一つとするのは問題ない。だが、執筆者が不明なので論文執筆のための最終的な資料とはなり得ない。
 
2(内容)
 
・講演会のレジュメ、1ページ、8〜9行目の空白は?→「一家でも(貧困に陥ること)が増加・・・」
 
・現在の日本では目的主体は誰が決めているのか?→主権者である国民が、それぞれのルール(法律など)を決めるとき、選択している。
 
・スミスに、「人々の対立」という考えが出てこない一番の原因は?→分業による生産力の発展に注目し、分配の問題に注目しなかった。
・スミスの(調和)論は今の社会では同意できない内容だが、経済学部ではよく名前を聞く。彼への評価は高いのか?神の見えざる手、の理論があるからか?→Yes(市場経済のプラス面の解明。「分業→生産性の上昇。」)
・誰かが何かを得れば他の人が何かを失うのでは?→ゼロサムゲームzero-sum gameの場合。他にウィンウィンwin-winもありうる。
 
 功利主義
・功利の意味は?→功労と利得。転じて、「役に立つこと」、「効用」のこと。the belief that actions are good if they are useful to or benefit the greatest number of people. (From Oxford Advanced Lerner's Dictionary, p.1316 "utilitarian".)
・少数の人の利益が多数の人の利益を超えるとき、(少数者のためのルールを選ぶことは?)功利主義か?→これは利益の質に注目した意見。ベンサムは「最大多数の最大幸福」と定義。ここでは幸福の中身ではなく関わる人間の数のみに注目した。(ただ、無視しようもないほどの明確な利益の差があるとき。)その後、幸福の質、中身に注目した人はJ.S.ミル。現在のルールでは後者も一定程度配慮されているのではないか。(たとえば憲法の基本的人権。ほとんどの場合、身体の自由、言論の自由など、多数者が望んでも少数者から奪われることはない。ただし例外として、犯罪者からはそれが奪われる。)
・貴族も民衆の一部では?→民衆と区別できないほど貧しい貴族。だが、国王と同列の、民衆を支配していた貴族とは対立関係。
・富者が多数者であるとき、物価が上がって(富者の多くが貧者となり)、貧者が多数者となることはあるか?→ありうる。物価が上がるが収入が増えない場合は生活水準は下がる。
・視界から消えると問題がなくなったように感じるのはいろいろな問題につながっている。
・多数者で決める考え方は日本では戦後から?→1925年25歳以上男子。1945年成人男女。
・政治は少数の政治家が決めているように見えるが、その人たちを選んだ多数者が決めていると言うことか?→Yes
・現在の社会保障の不足はこれまでの多数者が望んだから生じたことのはずなので、それを批判するのはおかしい。→自己批判(知っていたが賛成した、または、知ろうとしなかった、知っていて反対したが力が足りなかった、など)も含めての批判であれば矛盾しない。
・単なる多数決でなく、きちんと議論して決めるべきだ。→Yes (問題の重要性と可能な審議時間の判断。最終的には主権者の判断。)
・少数者、特に過疎地の人の利益を保証する制度、法律はある?→別紙・過疎法の記事参照。
・公共事業は「足りない椅子」を増やすためにあるので、すべて否定すべきではないのでは?→アメリカ1930年代New Deal 政策の救済事業。また、日本のかつての失対事業。1949年緊急失業対策法。1996年廃止。・・・戦後の高失業率と貧困問題を背景に・・・失業政策として重要な役割を果たしたのが公共事業を中心とする失業対策事業・・・。」(大竹文雄・大阪大学教授) http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~seido/output/Horioka/horioka080.pdf (+憲法第27条「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。」の解釈は?)
・もやいのような活動をしている団体は山口にもあるか?→ネットに、「7/26 反貧困ネットワーク山口設立総会&宇都宮健児氏講演会(宇部市文化会館)」の記事あり。
・山口などでホームレスを見ないと言うのは自殺していると言うことか?→都市に行くのでは?
・最低限の文化的生活はどうやって決められる?→厚生労働大臣。
・最低限の生活保障を決めるだけでなく実際に行なわれているか監視することも重要だ。
・オバマ氏の就任(政権交代)、民主党への政権交代など劇的な変化の前には前触れ、予兆と言ったものはあるのか?→
・公共の福祉とは?→例:土地収用法。公共の福祉のために私有財産を正当な補償のもとに収用できる。・・・「公と私」の他の関係にも発展する?