質問・感想 回答・検討・紹介 2009・12・11の講義
 
1(講義の進め方)
 
・期末試験の前にこれまでの点数を教えてもらえ→ない。
・掲示板に書いてないときは、提出ノートは2点?→とすでに説明した。
 
2(内容)
 
 (資本主義、社会主義)
・交渉力格差の改善を、社会主義の道でなく(労働者の権利強化、社会保障によって)交渉力の改善でおこなう道をとった国のほうが多かった理由は?→その国の国民の選択。
・福祉国家という考えは誰が考えたのか?→資本主義国の国民が徐々に。それをあとから名づけるとこうなった。
・社会主義は資本主義より競争意識が生まれにくく、新技術やビジネスが生まれにくいのでは?→
・賃金<労働、が経済を発展されることもあると思う。→例1:低賃金で、やっと他国に勝てる場合。例2:低賃金にした分、その差額を雇用主が得、それで技術革新を加速させる場合。(短期<長期)
・努力分を正しく評価しようとしているのが資本主義で、すべて平等にというのが社会主義では?→マルクスの考える社会主義:努力分を資本主義以上に正しく評価する。(「資本主義は努力分以下の賃金を払う。」)
・共産主義社会、社会主義社会で搾取は行われていないのか?→ソ連:官僚による搾取?中国:一部、資本主義社会と同様?
・マルクスの時代の労働環境はどれくらいひどかった?→F.エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』)
・マルクスより前に社会主義社会や共産主義社会の考え方、言葉はあった?→
・(ソ連などの)社会主義はなぜ滅んだ?→計画経済の不調(需給調節作用?)。政治の非民主性。
・マルクスの時代は、教育システムが確立していなかったのでブルーカラーの人たちは交渉力を持ち得なかったのか?→それもあったろう。さらに、現状の問題(労働者の貧困)がなぜ起こっており、どうしたら改善できるのか、まだそれを理解できていなかったこともあったろう。
・ネットカフェ難民やワーキングプア問題など、現在の労働状況はまだ完全には改善されていないように思える。
・現在は、教育システムが確立しているのに雇用難がある→人間は豊かさを求めて生産と分配の方法をいろいろ変えてきた。それは新しい問題も生む。その時代時代にその理由と改善方法を解明することが必要。
 (正しい賃金)
・アルバイトの賃金は、仕事の重さなどの違いが顕著なのに同賃金であったりする。
・企業の社内規則を受け入れざるを得ないことも「強制」に入るか?→入りうる。経済事情からやむなく受け入れる場合は。
・アルバイトでも異議申し立てができる?→形式上は自由。1、雇用主へ(契約の変更)。2、労働基準監督署(法律違反のとき)。
・自分はバイトをしているが、絶対に雇う側の方の権力が強いので、賃金=労働はなかなか難しい。→労組。
・今、組合の加入率は低いが機能しているのか?→組合、プラス法的保護。
・過労死などがあり、労働者に不利な状態が続いている。国が対策を講じるべきだ。
・労働者の権利を強化しても、それで企業が倒産したら意味がない。→ドイツの例 IG Metal
・先生は今の職について等価交換が実現していると思うか?→わからない。自分の仕事は成果が特に見えにくい。(成果の特殊性・・・長期性。経済全体の生産性効果。平和創造効果。)
・正しい賃金が等価交換ならば、年功序列制賃金は誤りで、成果主義賃金が正しいのではないか?→
・賃金を自己申告制にし、企業側はそれを加味して決めるのはどうか。
・なんでも鑑定団のように、労働の価値を判断する人がいれば等価交換も容易だっただろう。→本講義では、まずは、「交渉力の格差の是正」を考える。
・最低限の生活基準とは→生活保護基準。厚生労働大臣が決める。
・なぜ都道府県単位で最低賃金は決められている?
 
・マルクスなどの経済学者の意見をたくさん勉強しているうちに自分の考え方も前に比べると広がってきた気がする。
・現在の雇用問題に通じてくるさまざまな問題の根本を学べた気がする。
・いつの時代も富者が貧者をいじめることはなくならないことに悲しみを感じた。→漸進的に改善されている。現時点では、マルクスの時代のような不当な低賃金はかなり改善された。だがまだ少し残っている(@)。さらに正規と不正規労働者間の格差という新しい問題が生まれている(A)。→ミクロの残る賃金問題。さらに、マクロの景気変動の問題が大きく残っている。経済全体で、需給の不一致が生じ、バブルと不況が生じる問題。(1991年の日本のバブル崩壊。1998年のアジア金融危機。近くは2007・8年のサブプライムによるバブルとその崩壊による世界不況など。)