*国立大学法人法案、山口大学中期目標・中期計画案、山口大学の制度案への疑問点
1 大学改革・山口大学改革・経済学部改革について−経緯
(初稿は01/6/26作成し、7.9学科会議で「ここ2,3年の経済学部の将来像についてのメモ」として、討議資料として紹介。10/4加筆。10/7、10加筆。2003・5・14加筆。2004・6・5加筆。)
塚田
目次 T これまでの経緯 新制大学から独立行政法人化(国立大学法人化)案まで 0−1)新制大学創設期・山口大学創設期 0−2)改革期 1)行政改革と国立大学 2)少子化と国立大学 3)国際競争力と大学・国立大学 4)独法化、国立大学法人化への動きの進展 5)独法化の動きの急展開 2001/6/14・・経済財政諮問会議と遠山プラン 中教審・高等教育グランドデザイン 高等教育の将来構想(グランドデザイン)に関するこれまでの主な意見 (以下、Pt.2) 山口大学中期目標・中期計画案、山口大学の制度案への疑問点 U 山口大学と経済学部のこれからの改革 V 私見 |
T これまでの経緯・・新制大学から独立行政法人化(国立大学法人化)案まで
0−1)新制大学創設期・山口大学創設期
・1949年5月 国立大学設置法制定 69新制国立大学発足
(GHQ方針:大学の都市集中を避け、教育の機会均等を実現するため、各府県に少なくとも一国立大学設置)
・同 山口大学創設 (文理、教育、経済、農、工)
・1964年 山口県立医科大学を山口大学医学部に移管
0−2)改革期
・・この間省略・・
・1996・4〜 教養部解体・分属、共通教育体制へ(全学出動)
理由:大綱化・・(早くから専門との相互乗り入れ方式、楔形方式をとったほうが学生にとってもよい、との理解。)
1)行政改革と国立大学
1997・10・17 文部大臣所信 「国立大学の独法化に反対」
(町村信孝文部大臣が17日の閣議後の記者会見で配布、http://edugeo.miyazaki-u.ac.jp /reform/r770.htmlより)
国立大学を独立行政法人化することについては、大学の教育研究の特性に鑑み、以下のような問題点があり、反対である。
(1)独立行政法人は、定型的な業務にこそふさわしく、それに応じた短期的で、しかも効率性に重点を置いた運営が想定されているが、大学の教育研究は長期的視点に立って、多様性をもつことを本質とするものであり、大学の教育研究にはなじまないこと。
(2)独立行政法人のねらいは、効果的な業務の実施にあるが、文部大臣が3〜5年の目標を提示し、大学がこれに基づき教育研究計画を作成、実施する仕組み、及び計画終了後に、業務継続の必要性、設置形態の在り方の見直しが制度化される仕組みは、大学の自主的な教育研究活動を阻害し、教育研究水準の大幅な低下を招き、大学の活性化とは結びつくものではないこと。
また、効率性の観点から一律に大学を評価することは、各大学の特色を失わせ、現在進めている大学の個性化に逆行すること。
(3)現下の厳しい財政状況の下で独立行政法人化する場合、安定的な研究費、人件費等の確保の保証がなく、その結果、独自の資金を有しない我が国の大学においては学術研究水準が低下し、科学技術立国を目指す我が国の発展は望めないこと。
1997/12 行革会議最終報告 (国立大学関連部分)
ア 国立大学改革の基本的な方向 (下線引用者)
国立大学は、国際化、少子化、高齢化、情報化、産業構造の変化など社会が大きく変化する中で、教育研究の質的向上や組織・運営体制の整備、各大学の個性の伸長、産業界、地域社会との有機的連携、教育研究の国際競争力の向上等に積極的に取り組むことが必要になっている。
イ 具体的な大学改革の方策
a 国立大学の自主的改革の推進と情報公開、評価システムの充実
国立大学の多様性にかんがみれば、各大学が主体性と責任を有し、競争的な環境の中で、特性を生かしつつ諸課題に取り組んでいくことが求められる。このためには、各大学ごとの情報公開と透明性の確保、評価システムの充実をさらに推進する必要がある。 [多様性、とは?]
b 組織・運営体制の整備
各大学が主体性と責任を有し、組織として適切な意思決定を行い、実行に移すためには、組織・運営体制の整備が不可欠である。[急いでいる、ことはわかる。]
具体的には、外部との交流促進も含めた人事制度及び会計・財務面での柔軟化を図る必要がある。この際、高等教育行政と各大学の関係を見直し、各大学の自主性を高めるための方策として、外部資金の積極的導入、国費投入・配分基準の明確化・透明化、競争的資金の充実等についても早急に検討を行う必要がある。 [教育研究の維持、発展のために部分的に正しいことも含まれる。難問は全体の図式としてどうかということ。]
c 大学組織の権限と責任の明確化、事務組織の見直し
学長、学部長などの執行機関の管理運営機能の強化を図るとともに、評議会や教授会などの審議機関についての在り方を見直し、執行機関との間の権限と責任の明確化、意思決定手続の明確化を早急に行う必要がある。また、事務組織の簡素・合理化、専門化についても、早急に整備する必要がある。 [管理運営強化はbを受け入れれば、そこから自然に結論される。2004年の独法化以後8年たった2012年時点では、実行された大きな、またおそらくはたった一つは財政の切り詰め。結果としては財務省の望む方、運営費交付金の切り詰めに進んだ。事務組織の合理化もそのしわ寄せが教員にゆく(たとえば教員が就職関連資料の窓口となること)ことで、最も重要な教育研究のための時間、力をそぐ結果となった。…ただこれは国民全体が不況で困っているからという点を背景とするので、それも含めた改善方法を提案せねばこの方向が進められざるを得ない国民の理解状況があろう。]
ウ 大学改革の進め方
国立大学については、上記のとおり、高等教育行政の見直しも含めた、組織・運営の在り方の改革を早急に推進する必要がある。
さらに、独立行政法人化は、大学改革方策の一つの選択肢となり得る可能性を有しているが、これについては、大学の自主性を尊重しつつ、研究・教育の質的向上を図るという長期的な視野に立った検討を行うべきである。また、大学の機能に応じた改組・転換についても、併せて積極的に検討する必要がある。 [この留意点、目的は達成されているか?これに対する政府の自己評価が必要である。つまり、独法化によって、長期的視野から見た研究・教育の質的向上はどのように実現しているか?]
2)少子化と国立大学
入学者数の変化の見通し
1998・10・26大学審新答申
1996年度、80万人。
2009年度以降の大学・短大の入学者予想は70万人程度。・・つまり、96年度より10万人減となる。ここで全入可能となる。
なお、その中間地点である2001年5月1日現在では、
大学 649校 274万人
短大 572校 33万人 計307万人 一学年平均 77万人
大学院 479校 21万人
専修学校 3551校 75万人
(出所:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/index.htm)
3)国際競争力と大学・国立大学 [これは経済的豊かさ維持のために大学はもっと役立て、との視点]
3−1 大学審答申に見る大学批判
1999・10 大学審答申 「競争的環境の中で個性が輝く大学へ」 (以下参照)
2000・11 大学審答申 「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方につ
いて」、「大学設置基準の改正について」、「大学入試の改善について」 (以下参照)
1998年答申 要点 |
2000年答申(98年の具体化) |
目標: |
|
1「人類にとって真に豊かな未来の創造」 |
|
2「国際的な通用性」(以上「はじめに」) |
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↓ |
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「学術研究の進歩・・加速」 |
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「国際競争力の強化」が求められる |
|
↓ |
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だが、まだ「大学等に対する社会の側からのさ |
|
まざまの批判」がある |
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↓ |
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「多様化・個性化」 [その内容?] |
|
「卒業時における質の確保」 |
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方法:学部 教養教育重視 |
外国語*4、情報*5、科学 +*9 |
専門分野の基礎・基本重視 |
広い進路選択幅 *2、実体験・職業観*3 |
大学院 専門性向上 |
専門大学院充実*1 |
+*10?) |
|
国際的競争力育成 |
学生*6・若手教員海外派遣促進* |
大学間交流*7 |
|
[これは国民の合意↓問題は中身] |
|
柔構造化→社会の要請に応える |
生涯学習ニーズ*8→単位累積加算、パ |
↓ |
ート学生 |
学長指導力強化* |
実現 |
予算 |
欧米並み公的支出確保? |
資源配分に差をつける* |
個性化の三つの指針(広中学長の理解、『90年史』)・・アジア、地域、創造
(「アジアを中心にして世界を展望する国際化」、「裾野の広い地域産業の振興と多様な地域文化の振興」、「純朴な創造マインド」)
3−2 大学審答申の問題点
3−2−1 98年大学審答申
改革の必要性の説明がない。下記のみ。[大学教育の、日本の教育の、日本の社会の、目指すもの、は何か?]
「大学等に対する社会の側からのさまざまの批判はいまだに完全に払拭されてはいない」。
→だが、その内容は述べられていない。今、大学の本来の任務に照らして、どこがどのように改善されるべきなのか。分析なしの結論提示である。
「国際競争力」、「国際貢献」などの言葉が出てくるが、それはこれまでも同様にあった。これらの言葉を羅列しただけでは説明になっていない。
3−2−2 00年答申
同様。
3−3 両答申の小目標(「具体的目標」)
大目標は不明確なまま、種々の目指すべき「小目標」が出てくる。
以下の二つの答申中の小目標のうち、点線で示した目標部分は特に国民の意見をよく聞き、慎重な検討が必要なものであろう。中でも現場の教員、学生、親からの意見を聞く必要があろう。だが、現状では学生、親からの、また広く国民からの意見聴取はほとんど行われていない。教職員からのそれは国立大学では行政ルートを通じて行われてはいるが、当面、現場では02年の1月までに再編・統合案を出さねばならないというスケジュールで頭がいっぱいであり、こうした諸問題を全般的に熟慮する余裕を持ちえているかどうかやや疑問である。
3−3−1 98答申の小目標
教育目標
・課題探求能力の強化 → 広い視野、総合的判断 →学部 基礎重視
院 専門性向上
・卒業時の質確保 → 自習強化、履修登録上限、教員研修、教育評価、
・高度専門職業人要請の院を増設
・入学定員・・国民の判断による。(文部省) → (未解決)[2012年時点、まだ国民の意識にはあまり上っていないのでは?]
3−3−2 00年答申の小目標
教育小目標
・教養 倫理観、責任感
外国語、情報読み書き能力、科学読み書き能力
・広い視野 進路選択幅拡大→? 学生海外派遣促進
・職業観 (教員の能力必要)
・柔軟性 社会の要請に応える 学部、学科の枠を越えることも
・生涯学習 ニーズに応える
社会人学習環境充実、単位累積加算制度、パートタイム学生
・インターネット授業
・国際交流 ケルンサミットで、学生・教員の国際交流の重要性が指摘(合意、であろう)された (広い視野の目標と重なる)
→ @教育制度の国際的整合性が必要
→ A教育研究の国際的競争力(?)を高めよ
→留学生受け入れ推進
→大学間交流促進
→開発途上国への援助事業
研究小目標(←国際的競争力)
・評価による資源配分
・専門大学院充実
・最先端の研究 → 組織運営体制改善 →
→ 教員流動性向上(なぜ?)(効率性高まる? 公正性を侵さないか?)
→ 講座等柔軟化
・欧米並み公的支出確保
(付)自民党文教部会の考え (00・5・9)
自民党文教部会でも日本の大学の問題点を述べる(たとえば、「わが国科学技術の遅れ」、「国際的な評価・・満足できる状況とは言いがたい」、「個性や特色を失いつつある」、「教育面がおろそかになる面があった」等)が、その根拠は具体的に示されていない。[たとえばこの時点での10年間の不況、停滞の原因論なし。たとえば、技術停滞か、需要の不足か。]
そして直ちに次のような結論に至る。大学審答申と同様の論理展開である。
・選別と淘汰 学長権限強化、任期制促進
・国立大学は大学院の重視へ
・地方国立大学、一層強化。
4)独法化、国立大学法人化への動きの進展
1999年4月 閣議決定
「国立大学の独立行政法人化については、大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として検討し、平成15年までに結論を得る。」
1999年 文部省 「風当たりが強い」
山大FD研修、文部省高等教育局合田哲雄氏
「私立大学からの風当たり」、「経済戦略会議でも独法化、民営化を議論。大学審議会でも」。「・・教育と研究が国民の支持を得られなければ、大学存続への・・支持は得られない。」)(ただ、ここでも具体的な根拠のある攻撃であるという説明はない。)[国民の支持、というときの国民とは誰か?]
諸意見(社説)
1999年8月18日の日経
大学は産業界のためにあるものでもなければ、就職のためにあるものでもない、大学はこれからの時代に人々がいかに生きるべきかの指針を示す機関と考えたい。次の時代の文化を作り出し発信するのが大学といってもいい。独立行政法人化にしても評価にしても、安易に応用研究とか、評価にしても論分数や特許出願件数などで測っては良くない。社会が大学に何を求めるかという理念をきちっとすべきである。[まさにここが不足している、日本は。当事者の私たちも?]
1999年8月29日の読売
教育研究にこの法律が定めている数量的な目標がふさわしいとは思えない。
→この際大学は社会に積極的に打って出て、社会に大学について考えていただく必要がある。(上記、文科省、合田氏)
→[大学人が大学のあり方を社会にもっと訴えて欲しいとの希望は、後掲の01年の最近の新聞社説にも多く見られる。][重要!かつ、不足!]
↓
・・・・・・・(ここでの大学人の働き掛けが弱かったのか。そもそも大学人もこの理解が弱いのか。社会とは、教育とは、大学教育とは?について。)
2000・7 文部省 「工夫した独法化やむなし」 [妥協の道に入る]
合田隆文大学課長(筑波、公開研究会)
「世界各国を見てもおよそ大学というものをすべて民営化してしまうと行ったことはできもしないし適当でもないと考えられている。」
「独立行政法人化・・入り口での目標、計画の設計と・・出口での評価システムがセットになっており、入り口と出口については国がきちっと管理をする。」
「(通常の独立行政法人は?)法人としての責任・・誰が責任をとるのか・・法人の責任は長が負う・・。これに対して文部省の立場としてはその独立行政法人の一般的な制度をそのまま適用するというのはよろしくない。・・目標・計画の設定のところで各大学の自主性を尊重する、評価は各大学に任せるというわけには行かないが大学人の手によって評価をする・・。法人の長の任命・解任についても大学の意向を尊重する・・。」
「いろんな分野で競争、自己責任が叫ばれておりその先に待っている社会の方向について本当に責任を負い、そういう社会を望むということで皆さんがそういう道を選択しておられるのかどうかについて私は個人的には危惧の念を持ってはいる。しかし現実問題としてはそういったような常識の中で今後の大学運営は考えていく必要がある。」
「世間が大学に求める中身が変ってきている・・学部教育・・一つは基礎学力で一つは教養・・。大学院に求めるものは・・ポイントは即戦力である。三番目には、公的資金に対する投資効果といったようなものを求めていて、それが昨今のランキングばやりにつながっているのではないか。」
「世間の常識と大学の常識との極端な乖離を何とかする必要がある・・普通の人に話をして常識的に説明がつかないなと思うことは直ちにやめる・・ことが・・必要だ。」(「私どものところにいろいろな国立大学の方からご相談がある。例えば経営だとか金融だとか言った新分野の人材養成をしなければならないと工学部の先生が言ってみえる。お宅の大学には立派な経済学部があるでしょ、経済学部でできないんですかと尋ねると、うちの経済学部では無理です、彼らはやるはずがありません、だから我々がしなければならないのですというお話なのだが、それはふつうの人が聞くとやはりおかしいのであって、もしそうだとするとそういう経済学部はやめていただくと言うことを大学として考えるのがふつうだという風に思われる。」)
2000年12月1日 閣議決定 行政改革大綱
「国立大学及び大学共同利用機関等の独立行政法人化については、平成15年までに結論を得ることとされていることを踏まえ、大学等の自主性を尊重しつつ、大学改革等の一環として検討するため、平成13年度中に有識者等による専門的な調査検討の結果を整理する。」
5)独法化の動きの急展開 2001/6/14・・経済財政諮問会議と遠山プラン
2001・6・14 国立大学学長会議 遠山プラン
(経済財政諮問会議の「大変なスピード」に対応するため、学長会議の結論を待たずに示した。(遠山))→文部省としての国立大学生き残り案(再編統合、独法化と競争、外部評価)を提示 (教員養成系、単科大などを、県域を越えることも視野に、再編統合。そして国立大学法人に早期移行。その上で評価による資金の効率的・重点的配分。国公私対象の競争的資金を増やす。「分野別にトップ30大学育成(遠山)」。「GDPに占める教育費の比率を高めたい(竹中)。」)
6月20日の諮問会議の方針
「国立大学は、法人化して、自主性を高め・・国際競争力のある大学を目指す。」「大学教育に対する公的支援については、機関補助に世界最高水準の大学を作るための競争という観点を反映させる。」
6・14 遠山プラン発表時、文科省高等教育局長の勇み足(文部省内部での混乱)
同日国立大学学長会議での工藤高等局長の発言
「国立大学に対する批判や評価は残念ながら目を覆うばかりのものがある。IMDによる『世界競争ランキング』の大学教育の評価で日本は49番中49番であることを真剣に受け止める必要がある。」(文教ニュース、6月25日号、2)
このランク付けは49カ国の4000名ほどの会社役員たちへのアンケートによっているが、その調査方法が信頼できるものかどうか、当の文部大臣から疑念が示されていたものだった。「IMDの調査結果のように、それはあまり真実を反映していないのではないかと思われるような調査結果も流布されたりしております。」((5月の衆院文教科学委員会での答弁)
(なお、同じIMDの調査(1995)で、secondary school enrollmentの項目では日本は2位となっている。また、educationaol achievement, TIMSS average achievement of pupils, eighth grade では、数学では2位、科学では3位である。このような学力を持つ子供たちが、たとえ大学である程度学力が追いつかれたとしても、49カ国中49位に落ちるという返答結果は、あまりありえないのではないか。(日本の大学教育は全体として、インドネシアより、タイより、中国より、コロンビアより、 アルゼンチンより、スロベニアより、ブラジルより、南アフリカより、トルコより、ポーランドより、マレーシアより、チェコより、フィリピンより、チリより、韓国より、ベネズエラより劣っているというのだが、にわかには信じがたい。・・塚田)
2001/9/22 文科省事務次官、小野元之氏(日経)・・遠山プランが唐突であったとの批判、現場の混乱に対して
(遠山プラン、競争、経営、評価、そしてトップ30大学について「唐突な発表で、国立大学関係者に無用の動揺が広がっている」との批判があるが)「事実なら文部科学省としても率直に反省したい。」(だが)「この構造改革プランは、これまで・・長い間議論し検討してきた大学改革の流れの一つの集約でもある。」
(これまで)「大学審の発足以降様々な改革が提案されてきたが、・・多くの改革が実行され、各大学は確実に変化してきている。・・しかし、・・経済の停滞が長引き、大学に対する国民の期待がかつてない高まりを見せる今こそ、スピード感を持って、目に見える形で大胆に改革を進めなければならない。そしてそれゆえにこそ[文科省が?]きちんと説明し、大学関係者や国民に理解される努力をしなければならないと考えている。」
(研究はすでに高水準にある。あとは、産学連携と学生の修学指導を強化してほしい。)
「・・日本の大学の力は伸びている。論文の質や引用数など世界に冠たるものがある。日本の大学の先生は教育研究についてはある程度自信を持っていい。だが、大学は技術移転機関を増やし、企業との共同研究や産学連携を進めなくてはならないにも関わらず、不十分な面もあり、日本の企業の評価は厳しい。一方で大学は入ったら勉強しないという見方が多いのも事実だ。」
「一部財界には民営化しろという意見が強くあるが、組織や体制としての民営化ではなく、徹底して民の運営になればいいのだと思う。国立でなくてはできない分野もある。」
諸意見(社説など)
2001年9月29日の毎日(文科省の調査検討会議の中間報告について)
大学人は今こそ、積極的に声を上げてほしい。
同、10月1日の朝日
国立大学制度をどう考えるかは、専門的で難しい。大学の中でさえ関心を持たない人が多いと聞く。・・まず学内での検討と活発な議論が必要だ。
文部省も意見募集開始
2001年9月28日、文科省からの意見募集のお知らせ(ホームページから)
文部科学省では、国立大学を法人化する場合の法令面や運用面での対応など、制度の具体的内容を調査検討するため、平成12年7月に有識者による調査検討会議を設置し、検討を重ねてきたところですが、このたび、検討結果の中間的な整理として、「新しい「国立大学法人」像について(中間報告)」をとりまとめました。
つきましては、本件について広く皆様から御意見をいただくべく、下記の要領で御意見を募集いたしますので、忌憚のない御意見をお寄せいただきますようよろしくお願いいたします。
今後、皆様からいただいた御意見を参考にさらに検討を重ね、今年度中に最終報告としてとりまとめる予定です。
2002・3・22
この間の大学改革に関する政府の動きは次のようであった。
文科省 調査検討会議の最終報告発表 02年3月
(→http://nuufs.org/dokuhou/hihankentou.html)
同会議を賢人会議で了承 02年3月 予定
国大協 同報告を了承? 02年4月 予定
国大協 第8常置委員会 02年3月1日
評価・授与機構(NIAD)の評価報告案を批判→同機構は評価公表の際、この批判に答えるか?(*1)
調査検討会議の案は、中期計画の作成への文科省の介入、大学経営への外部者の参加など、従来の大学のあり方を大きく変える内容となっている。
1998年の大学審議会答申に基づき、2000年4月に学位授与機構に大学評価の機能が付け加えられた。すでにそのもとで評価が始まっている。
(*1)4・3時点でHPを見ると公表されている。だが批判に答えていないように見える。第8常置委員会はこれをどう見ているか?
2002年3月26日
文部省調査検討会議 最終報告
調査検討会議の最終報告のポイント (http://www.jtu-net.or.jp/upi/document/renraku/no8/index.htmlより)
(日本教職員組合 国立大学・公的機関交流センター 作成資料)
・
「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」最終報告案
・
「新しい『国立大学法人』像について(案)」についてのポイント(2002.3.7)日教組UPIセンター
↓
文部科学省調査検討会議(連絡調整委員会)のまとめた最終報告案について
法人化にともない国立大学教職員の身分は非公務員型に
文部科学省「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」最終報告案
――「新しい『国立大学法人』像について(案)」(2002.3.6 第8回連絡調整委員会)
最終報告案の概要
はじめに
I 【基本的考え方】
1.検討の前提として
2.検討の視点として
II 【組織業務】
III 【人事制度】
IV 【目標評価】
V 【財務会計】
VI 【大学共同利用機関】
【関連するその他の課題】・・・以下の課題について別途速やかに検討することが必要。
現行の大学共同利用機関が分野を超えて連合する可能性及び「機構」の具体的あり方 (以上p63)
2002年8月 全大教:調査検討会議報告の批判
2003年2月 内閣・文科省:国立大学法人法案を国会に提出
・「国立大学法人法案」関係6法案の概要 (2003/02/28文部科学省ホームページ報道発表一覧)(以下、山口大学HPより転載)
・国立大学法人法案 (国会提出日 平成15年2月28日)
・要綱 (PDF:86KB) |
・法律案 (PDF:265KB) |
・理由 (PDF:8KB) |
・参照条文 (PDF:241KB) |
・要綱中の「目的」・・・この法律は、大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため、国立大学を設置して教育研究を行う国立大学法人の組織及び運営並びに大学共同利用機関を設置して大学の共同利用に供する大学共同利用機関法人の組織及び運営について定めることを目的とすること。(第一条関係)
・理由・・・「大学改革の一環として」。(とあるのみ。)
・国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 (国会提出日 平成15年2月28日)
・要綱 (PDF:26KB) |
・法律案 (PDF:237KB) |
・理由 (PDF:9KB) |
・新旧対照表 (PDF:729KB) |
・参照条文 (PDF:538KB) |
(山口大学 現在の関係ページ→http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~hojin/gakunai/
文科省 現在の関係ページ→http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/houjin.htm)
*国立大学法人法案の概要
(山口大学法人化準備事務室作成のPDFからのコピー。細部で若干の誤記があるかもしれない。)
T 総則
1 「国立大学法人」とは,国立大学を設置することを目的として,この法律の定めるところにより設立される法人をいう(独立行政法人通則法に規定する独立行政法人ではない(第2条第1項)
)。
2 国は,この法律の運用に当っては,国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に配慮しなければならない(第3条)
。
3 国立大学法人(89法人)並びに国立大学及び大学共同利用機関法人(4法人)の名称を定める(第4条及び別表第1)
。
4 政府からの出資について定める(第7条) 。
U 組織及び業務
(役員)
5 国立大学法人の役員として「学長(=法人の長「理事(法人ごとに数を定める) 」), 」及び「監事(2人)を置く(第10条及び別表第1) 」。
(役員会)
6 学長は,次の事項について決定する際には,役員会(学長及び理事で構成)の議を経なければならない(第11条第2項) 。
@ 中期目標についての意見及び年度計画に関する事項
A この法律により文部科学大臣の認可又は承認を受けなければならない事項
B 予算の作成及び執行並びに決算に関する事項
C 当該国立大学,学部,学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項
D その他役員会が定める重要事項
(経営協議会)
7 国立大学法人の経営に関する重要事項を審議する機関として「経営協議会」を置く。
(第20条第1項)
8 経営協議会は,
@ 学長
A 学長が指名する役員及び職員
B 教育研究評議会の意見を聴いて学長が任命する学外有識者(=学外委員)で構成され,Bの学外委員が2分の1以上でなければならない(第20条第2項及び第3項)
9 経営協議会は,
@ 中期目標についての意見に関する事項のうち,国立大学法人の経営に関するもの
A 中期計画及び年度計画に関する事項のうち,国立大学法人の経営に関するもの
B 学則(国立大学法人の経営に関する部分に限る,会計規程,役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準,職員の給与及び退職手当の支給の基準その他経営)に係る重要な規則の制定又は改廃に関する事項
C 予算の作成及び執行並びに決算に関する事項
D 組織及び運営の状況について自ら行う点検及び評価に関する事項
E その他国立大学法人の経営に関する重要事項を審議する(第20条第4項) 。
10 経営協議会の議長は学長を充て,議長は経営協議会を主宰する(第20条第5項及び。
第6項)
(教育研究評議会)
11 国立大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として「教育研究評議会」を置く(第21条第1項) 。
12 教育研究評議会は,
@ 学長
A 学長が指名する理事
B 学部研究科大学附置の研究所その他の教育研究上の重要な組織の長のうち教育研究評議会が定める者
C その他教育研究評議会が定めるところにより学長が指名する職員で構成される(第21条第2項) 。
13 教育研究評議会は,
@ 中期目標についての意見に関する事項(9の@の事項を除く) 。
A 中期計画及び年度計画に関する事項(9のAの事項を除く) 。
B 学則(国立大学法人の経営に関する部分を除く)その他の教育研究に係る重要な規則の制定又は改廃に関する事項
C 教員人事に関する事項
D 教育課程の編成に関する方針に係る事項
E 学生の円滑な修学等を支援するために必要な助言,指導その他の援助に関する事項
F 学生の入学,卒業又は課程の修了その他学生の在籍に関する方針及び学位の授与に関する方針に係る事項
G 教育及び研究の状況について自ら行う点検及び評価に関する事項
H その他国立大学の教育研究に関する重要事項を審議する(第21条第3項) 。
14 教育研究評議会の議長は学長を充て,議長は教育研究評議会を主宰する(第20条第。4項及び第5項)
(学長の任命)
15 学長の任命は,国立大学法人の申出に基づいて,文部科学大臣が行う(第12条第1項)
16 15の国立大学法人の申出は,
@ 経営協議会の学外委員で経営協議会から選出された者
A 教育研究評議会の代表者が各同数で構成される「学長選考会議」の選考に基づき行う。
@及びAのほか,学長選考会議の定めるところにより,学長又は理事を加えることができる(ただし学長選考会議の委員総数の3分の1以下)。(第12条第2項及び第3項。)
(理事及び監事)
17 監事は文部科学大臣が,理事は学長が任命する(第12条第8項及び第13条第1項) 。
その際,現に当該国立大学法人の役員又は職員ではない者(学外者)が含まれるようにしなければならない(=学外役員(第14条) )。
(役員の任期)
18 学長の任期は,2年以上6年を超えない範囲内で,学長選考会議の議に基づき,国立大学法人が定める(第15条第1項) 。
理事の任期は,6年を超えない範囲内で,学長が定める(ただし,学長の任期を超えてはならない(第15条第2項) )。
監事の任期は,2年とする(第15条第3項) 。
(役員の解任)
19 文部科学大臣は,心身の故障,職務上の義務違反,業績悪化等の場合には,学長選考会議の申出に基づき,学長を解任することができる。
学長は,心身の故障,職務上の義務違反,業績悪化等の場合には,理事を解任することができる(第17条)
。
(国立大学法人の業務)
20 国立大学法人の業務に関する規定を置く(第22条) 。
21 附属学校は,省令で規定する(第23条) 。
V 中期目標等
22 文部科学大臣は,6年を期間とする中期目標を定め,国立大学法人に示す(第30条。第1項)
中期目標は,
@ 教育研究の質の向上に関する事項
A 業務運営の改善及び効率化に関する事項
B 財務内容の改善に関する事項
C 教育及び研究並びに組織及び運営の状況について自ら行う点検及び評価並びに当該状況に係る情報の提供に関する事項
D その他業務運営に関する重要事項
を定める(第30条第2項) 。
文部科学大臣は,中期目標を定めるに当っては,あらかじめ,国立大学法人の意見を聴き,当該意見に配慮しなければならない(第30条第3項) 。
23 国立大学法人は,中期目標に基づき,中期計画を作成し,文部科学大臣の認可を受けなければならない(第31条) 。
24 国立大学法人・大学共同利用機関法人の業績に関する評価を行うため「国立大学法人評価委員会」を置く(ただし,評価の際「独立行政法人大学評価・学位授与機構(仮称)が行う教育研究評価の結果を尊重しなければならない(第9条及び第35条(独立)。行政法人通則法第34条第2項の読替) )
W 財務及び会計
25 中期計画終了時の積立金は文部科学大臣の承認を受けて次期に繰越せる(第32条26)長期借入金を可能にする(附属病院等の施設整備の財源とするため(第33条)
)。
27 各国立大学法人の土地処分収入の一部を独立行政法人国立大学財務・経営センター(仮称)に納付する国立大学法人等全体の施設整備の財源とするため(附則第9条)。
X その他
28 国立大学法人評価委員会は,平成15年10月1日に設置する(附則第1条) 。国立大学法人は,平成16年4月1日に設置する(附則第3条) 。
29 国立大学法人移行の際の学長は現在の任期まで引き続き学長となる(附則第2条30)。 現在の国立大学の職員は国立大学法人が引き継ぐとともに権利義務も継承する(附則第4条〜附則第11条)
31 附属病院の整備に係る国立学校特別会計の既往の長期借入金は,独立行政法人国立大学財務・経営センター(仮称)が引き継ぐとともに,関係する国立大学法人が分担して負担する(附則第12条) 。
32 法人運営の自主性への配慮,国による財源措置その他独立行政法人通則法の必要な規定を準用する(第35条) 。
33 「大学共同利用機関法人」についても「国立大学法人」に準じた規定を置く。
(注)○ 学校教育法第2条を次のように修正(下線部を追加。)
学校は国(国立大学法人を含む。)、地方公共団体及び学校法人のみがこれを設置することができる。
〇学校教育法上,法人化後も「国立大学。」
資料3-2
中央教育審議会
大学分科会(第33回)H16.3.16
高等教育の将来構想(グランドデザイン)に関する論点整理(案)
1.知識基盤社会と高等教育 |
(1) |
知識基盤社会化と高等教育への期待
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(2) |
高等教育が抱える課題
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(3) |
高等教育の将来構想(グランドデザイン)の必要性
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2.高等教育の将来構想 |
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(1) |
様々な需要に対応した高等教育の多様化
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(2) |
高等教育の質的保証・向上
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(3) |
高等教育機会の確保
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3.高等教育に対する財政措置 |
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資料3-3
中央教育審議会
大学分科会(第33回)H16.3.16
高等教育の将来構想(グランドデザイン)に関するこれまでの主な意見
項目 |
課題についての指摘 |
課題に対する意見 |
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全体について |
・グランドデザインは、様々な改革の末にどのような高等教育像が現れてくるのかがわかるようなものとすべき。 |
・グランドデザインの第一の理念は「社会的な要請への対応」である。社会の変化の動向を見通し、それに応じた高等教育機関の有り様を第一に考えるべき。 |
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・高等教育は日本の将来のために非常に重要であるという明確なメッセージを発信すべき。 |
・世界の中で見たときの日本の高等教育についての危機感を明確に出すべき。 |
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・グランドデザインとしては、制度改正など文部科学省が行うべき内容と、大学の自己改革を促進するという内容の両方が必要。 |
・各大学が長期的展望を持って、自主的・自律的に改革の工夫や努力を進める必要があるというアピールをすべき。 |
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・大学と他の教育機関との違いを明確にすべき。 |
・教育の目的は、倫理性が高い品位ある市民社会の形成であり、大きな意味での生涯学習社会のための大学システムの形成が課題。 |
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・高等教育においては、科学技術等も含めた「知」とともに、人を理解するといった私的、情的な面を国際社会でも自信を持ってやっていけるような人材養成を目指すべき。 |
・学問と哲学、倫理は表裏一体であり、高等教育においては倫理をベースに置き、卒業生は世界に通用するようにするといった戦略を持つ必要がある。 |
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・最大の問題は、創造性がなくなっていることである。あまりにも専門分野に特化しすぎて、企業に入っても転換ができないということではないか。 |
・グローバルな社会において戦える人材を養成する必要がある。知識をリフレッシュする上で生涯学習も重要。 |
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・社会の要請や学生のニーズを踏まえると、学術だけではなく、文化やスポーツ、福祉等も重要であり、高等教育は幅広く多様性に富んでいる方がよい。 |
・先行きが不透明な時代にあっては、何が起きてもどこかに対応できる優れた人材がいるということが重要であり、多様な人材を育成すべき。 |
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・国公私を通じて大学が大衆化すれば、その中で役割分担的なものができてくる。社会的役割のメリハリをどう付けていくのか、どういう大学がどのように社会のニーズに対応していくのかを検討する必要がある。 |
・リサーチユニバーシティとエデュケーション中心のユニバーシティをどう仕分けしていくのかが重要。 |
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・大学は18歳の人間が入学するということを前提とするのではなく、幅広い年齢層の者が必要であればいつでも教育を受けられるようにすべき。 |
・一度社会に出た人が高等教育機関で学び、再び社会に戻っていくという双方向性を明確に掲げるべき |
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・これまでは、大学側の考えで人材を育成してきた。これからは、社会のために大学があるという考え方に基づき、社会のニーズを把握してそれに向けた人材育成が重要。 |
・社会の要請に応えるということはもちろんだが、社会をリードしていくのでなければ高等教育にはならない。 |
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・高等教育を受けることは個人にとって大きな財産であり、それがひいては国際競争力につながるという視点を打ち出してはどうか。 |
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・実験系を除きほとんどの分野がEラーニングでやれる時代になりつつある。そういうことをきちんと考えていかないと、グローバル化に取り残され、世界戦略に負けてしまう。
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・Eラーニングは重要な輸出産業であり、もっと促進すべき。 |
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・学部を卒業してもほとんどの者が英語を使えない。文部科学省から「「英語が使える日本人」の育成のための行動計画」が出されたが、国際社会で日本が太刀打ちできるようにするための取組が重要。 |
・日本の場合は英語で授業ができないので、そういうことが可能となるような教育もしなくてはならない。 |
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・英語ができるだけではなく、本当の国際化とは何なのか、それに向けた取組について検討すべき。 |
・理工系の大学院を世界レベルとするため、例えば、日本人と外国人を半々としてはどうかという提言があってもよいのではないか。 |
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・大学の管理運営について十分な検討が必要。 |
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・大学院の在り方や教育機関としての明確な位置付けなど、大学院のグランドデザインが必要。 |
・大学院の位置付けをきちんとすべき。大学院は大学の一部なのか付属機関なのか、曖昧な形になっている。 |
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・専門職大学院に対して、研究者養成の大学院をどうするのか検討すべき。 |
・プロフェッショナルスクールと研究者養成型の大学院で、それぞれどのような人材を養成しようとしているのかを明確にする必要がある |
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・人文社会科学分野では、なかなか学位を授与しない傾向にある。 |
・人文社会科学分野では欧米に留学しPhDを取得しないと、国内でも国際的にも通用しない。我が国のPhD課程が空洞化している。 |
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・人文社会科学系の大学院の場合、院生に対する教育が欧米に比べて充分ではなく、学位を取得するプロセスに厳しさが足りない。 |
・大学教員については、PhDを有していることを要件とすべき。 |
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・学部教育とはどうあるべきか。教養教育と専門基礎教育の違いや専門職大学院と学部教育の関係をどう考えるべきか。 |
・学部における教育は単なるスキルを教えるのでなく、ものの考え方といった基盤的なことをしっかりやるべき。スキルなど変化するものは専門学校で教育するということにすれば、学部との棲み分けができる。[本学部の会計重視ではどうか?] |
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・今後も学部の最低修業年限は4年間でよいのか検討すべき。 |
・分野にもよるが、学部と大学院修士課程を通して一貫教育にするということも考えられる。 |
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・短大の位置付けをどうすべきか。 |
・アメリカでは短期の高等教育の機会が、あらゆる人に低い学費で保障されている。日本でも短期大学を最初の学位とし、様々な学習機会を提供できるようにしなければならない。 |
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・高等専門学校は、もともと中堅技術者の養成からスタートしたが、現在は、専攻科を設けて高度な技術者を養成するという方向になってきている。しかし、本来の現場技術者養成に特化すべきではないか。 |
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・学部における教育と専門学校における教育とはどう違うのか。 |
・今すぐ必要なスキルについての教育は専門学校で行った方がよい。 |
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・企業内教育は色々なところでやっており、必要な知識を身につけさせるという点では、大学ではなく専門の企業や専門学校に任せた方が良いことも多い。 |
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・認証評価制度がしっかり機能するまでの間、どのように高等教育の質を維持するのか。 |
・カリキュラムの定期的なチェックシステムを大学に設けたり、授業評価を行った後のフィードバックを行うべき。 |
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・卒業生の質の保証をきちんとすべき。日本の大学の学生の質が国際的に評価されるのかどうか。 |
・これまでは入学試験が入学時の学力保障の役割を担ってきたが、最近入試は厳しさが低下してきた。 |
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・卒業生の質を確保するためには、大学だけの努力だけでは不十分であり、企業がきちんと卒業生を評価して採用し、評価を反映した報酬システムを作ることが必要。 |
・企業において昇進や評価の仕組みが変わらなければ、一生懸命勉強してもしなくても同じということになる。企業に対して意見を出すべき。 |
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・大学のカリキュラムが企業が求める能力に合っていないということであれば、企業側が大学に対して情報発信すべき。 |
・企業にとって必要な卒業生の能力については、大学に伝えても十分対応していただけない面がある。 |
|||||
・就職活動時期の早期化について改善すべき。 |
・就職活動により4年生のゼミに影響が出ている。 |
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・今後は、高校を卒業したら欧米の大学に進学するケースが増えるだろう。その点も踏まえる必要がある。 |
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・我が国が国際競争力を持つためには、優秀な人材を育成することが重要であり、このための高等教育戦略が必要。 |
・これまでは主に国立大学に重点を置いて議論してきたため、社会が必要とする分野の人材数と大学が供給する人材数のミスマッチが起きた。今後は、国公私立大学にまたがる戦略作りを行う必要がある。 |
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・学問が進展していく中で、学部や学科の分野構成をどうすべきか。新しい分野に対応することも重要であり、旧来からの分野も必要である。学部の分野選択を、全く市場原理に委ねるということでよいのか。イギリスでは、数学や化学といったハードサブジェクトを学ぶ学生が少なくなり、学科を閉鎖するという状況が起きている。[社会の基盤作りに貢献する学問は見落とされがちである。] |
・規制緩和が進み、各大学が主体的に学部等の設置を行う中で、社会が必要としている人材を養成するためにはどのようなインセンティブを与えるべきか検討すべき。 |
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・日本の場合、工学や理学の分野は、社会人が改めて勉強し直したいと考えても学ぶ場があまりない。どの分野でも勉強できるようなシステムを構築する必要がある。 |
・イギリスでは、成人に対する学習機会が非常に多い。 |
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・日本の場合、何もしなければ大学は都心に集中する。首都圏から離れたところにユニバーシティタウンがほとんどない。 |
・拠点となる大学や学部を中心として、産業立地と平仄を合わせる形で研究拠点や教育拠点が地方に生まれるような仕組みを促進すべき。
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・大学が地域文化を育て経済を支えてきたが、社会構造の変化で、大学が取り残されている。 |
・学問分野の拠点を地方に分散させることで、国立大学と私立大学の連携がおきるような方策を検討すべき。 |
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・抽象的に「高等教育に係る財政支出の対GDP比を倍増せよ」といっても、どの部分が不足しているのかを示さないと説得力がない。 |
・高等教育に対する投資が増えないと、日本の国際競争力が心配であるとのメッセージを出すべき |
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・高等教育の発展の基礎として、民間がいろいろな形で大学に寄附をするという文化が必要である。 |
・企業が寄附をしやすいようにインセンティブを持たせる必要がある。 |
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・老朽施設の整備も必要である。 |
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・設置形態ではなく、よい教育研究を行うところに資金を出していくといったことが重要である。 |
・各機関の判断に基づき頑張れるような環境を整備するとともに、トータルの財政支出額は固定し、競争的な環境の中で頑張ったところにお金がいくようにすべき。 |