経済政策総論 質問・感想のまとめ 2015122日講義分

 

 1、進め方

 

 2、内容

 

 (予習ノートの効果)

・最初は「週2回の予習なんて辛い」と正直思っていた。しかしいつの間にか予習が当たり前になり楽しくなった。予習をすることで授業もすごくわかるのでとてもよかった。

・講義開始当初はあれほどの厚さの教科書を予習しなければならないのかと感じていたが、週2回コツコツと進めていき、先日要約をすべて終えることができ、維持することの大切さと達成感を感じている。

・こんなに分厚い教科書の内容が終わるのかと思っていたが、しっかり終わって良かった。最初の方はもう忘れているのかもしれないと思ってパラパラ読んでみたが、内容が一貫していたからか、ある程度頭に残っていた。

・予習もはじめは大変に思えたが勉強する癖づけにもなって良かった。

・授業をする前に予習をして内容を要約するというやり方がすごく自分に合っていて他の授業より理解度がかなり高かったと思う。

 

 (質問感想プリント)

・他の受講者の考えもプリントにまとめられていて、いろんな意見を知ることができたのも自分にとって良かった。

 (様々な論点・視点)

・この授業では様々なことをいろいろな視点から考えることができておもしろかった。

・この講義を受けて多様な視点から物事を見られるようになった。

・過去から現在に至るまでたくさんの経済問題の知識を得ることができとても満足だ。

・この授業を受けてみて経済の流れや今まで自分が知らなかった経済の問題について知ることができたのですごく良かった。ルソーやスミスのような昔の偉人の考えを利用して、今の経済の内容について考えることはおもしろかった。

・最初は経済政策総論という名前から経済の政策のことについて授業するのかと思っていたが、「人」であったり、「経済学者」であったり、「経済の仕組み」について深く学べたので非常に有意義な時間を過ごせた。

・今まで教科書の内容以外に様々な社会問題、人の理論などを学んできたので、広く知識を身につけることができた。これからも周りの出来事を注意して見ていきたい。

・この講義は初めて学ぶことばかりで新鮮だった。これからも社会制度をもっと詳しく知っていきたい。

・この授業を通して学んだことが多々あり、自分がこれから勉強していくことも少し見つけた気がした。

・内容は難しかったが何とか理解できた。貢献度、慈恵性などが難しかった。→これらの問題についてはまだ私たちは濃い霧の中を小さなサーチライトで照らして進もうとしているような状態?

・政治経済の哲学的な考えや成り立ち、昨今のニュースなど幅広く取り上げてもらい、この授業で得た知識は今後の大学生活や社会においてのベースになるようなことだと思う。

 

 (慈恵性)

・この章は予習をしていても難しくて良くわからなかったり、授業を聞いてもやっぱり難しかったが、授業を聞いてわかってくる部分もかなりあり、とくに今日は考え方の幅がだいぶ広がったような気がしたり、一定の理解は深まったのではないか。

・慈恵性について、この授業を受けている学生からの意見を聴くことによって自分の知識を広めることができた。

・動物は群れをなすものだから人間も協力し合って生きなければならない。

・社会生物学の考え方は自分の考え方に非常に近い。

・遺伝子を残すためというのはおもしろい考え方だ。今まで学んだ考え方の中でいちばん人間味のある考えだ。

・私たちは血縁親族のみにあった利他的考えを、人類は学び人類全体に対して利他的になってきたと考えると、人類というのは、学び、変えていくことができるのですごい。

・どの国に生まれようがどんな環境で生まれようが、なるべく同水準の生活を送れる世界になってほしい。→これら二つの気持ちは、慈恵性から発しているものでは?

・経済状況と親の性格が子どもの人格形成に関わっていることが分かった。

・いじめをする人は本当は弱い人間なのだろう。→心に余裕があれば自分より弱い人には手を差し伸べたいと思うだろう。逆にいじめるというのは自分がそれだけ余裕がない状態にいるからでは。

・人間は大人になっても他者から育てられるという特性を持っているという考えは非常におもしろい。確かに他者の生き方などを見て学ぶことが社会人になったとしても重要になるだろう。

・自愛と慈恵は(関心を)向ける対象が違うということか?Yes.誰に対して幸せになってほしいか。

・慈恵性は資本主義と反するのでは?と考えたことがあるが、やはり人間には感情と同情の心が必要ではないかと思う。

・社会の中で他人のことを考えることができる程度は人によって違っているので、各人が納得できる制度作りは難しい問題だ。

・この授業の論理の出発点として、人間は性善説か性悪説かという分かれ道が存在すると思う。この授業では性善説の立場を採っているように感じるが、性悪説を支持する人はどのような理解をするのがよいか?→スミス、ロールズの二人を見ても、人間はどちらと見るのが正しいかを迷っているようである。スミスは自愛の心と共感の心が誰にでもあるが、後者の在り方は良くわからないとして、自愛だけでも人間は共存共栄できるか、という問題の立て方をした。この講義では人間には慈恵性の芽が生来あると仮定し、外的環境が厳しいとその発現が抑えられるが、通常(99%?)の人にとってはそれがなくなることはないと考えた。性悪説とはこの場合他者を滅ぼしても自己のみが生存し続けることと定義してみる。するとこうした人でも相互の生存保障のために、現在と同様の相互支持体制(経済的、また軍事的)が生まれる可能性もあるのではないか。

 

 (慈恵性と安定・余裕)

・安定した社会をつくるためには三つの公正な分配ルールが求められるということが分かった。その中でも生活保障が大切で慈恵性についてもしっかり考えることができた。

・安定した社会には生存の確保が必要とされるが、日本では平和に暮らせる(死ぬ危険性が少ない)ので、この条件はクリアできている。→世界のほとんどの国と比べるとトップ集団にあるのでは。だが問題は残っている。

・メディアの発達で幸福と不幸のニュースを分刻みで交互に受け取るようになって、(精神の)不安定さが増しているという話は本当にその通りだ。…不安を持ち周りに負の感情を向けてしまうこの連鎖を断ち切らなければと思う。

・景気と雇用が悪化すれば生存の確保に悪影響を与えるので、安定した社会のためにこれらは重要だ。

・国が経済破綻をすると義務教育まで有料化される可能性はあるか?→国民の理解の中で義務教育の優先順位は高いだろうから、破綻の程度によるだろう。

・現在の市場経済システムにとって必要なのは失業してしまった場合、新しい仕事を見つけ提案するサービスの実施やニートなどを働くように喚起することだ。

・殺人が起こっている社会は安定した社会と言えるのか。→それがごく一部であれば、例外はあるが総じて安定した社会と呼んでよいのでは。(他殺による死亡数:19471314人→2014357人。10万人あたりでも、1890年代3.62000年代0.5に減っている。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html

 

 (具体的政策に関して)

・医療面などをもっと充実させるのなら税を増やしても良い。

・税を上げないと社会保障が成り立たなくなり、上げると貯蓄が進み不況になるという矛盾があるのではないか。どう解決すべきか。

・今国会で大学の授業料と奨学金について議論していた。授業を思い出しながら聞いたが、財源不足を理由にこのままで行くしかないとの政府の説明だった。優先順位を考えてほしい。

・大学の授業料の見直しについて、高いという意見が出ているのは、大学の価値が値段以下のものであるということだ。→そういう財もあるが、教育は公共財の性格が大きく、このような値段付けは難しいのではないか?

・年金(積立金?)は増やさなければいけないのかそのままで行くべきなのか、考えてみたがどちらもメリット、デメリットがある。

・退職金を株などいろいろなものに投資する人が多いらしいが、お金を貯めるには1年はそのままにしておくのがいいとテレビの番組で見た。なぜなのか?→急ぎ過ぎないでしっかり考えよということでは?                    

 

 (世界での貧富の差をどう考えるか) 

・(62人と36億人の資産の話)現状では世界で少数の人が大半のお金を持っている。こういう人たちは「仕掛ける」側の人間なのであろう。ある仕組みを開発し、それを使うすべての人から使用料を取る。…そういう事実を知ると自分も少しでもそちら側にたどり着きたいなと思ってしまう。→自愛心。だが同時に人間には通常他者への思いやりもある。このバランスが問題の焦点だろう。"Other-regarding" というquestion.

・使用者と労働者の間には絶対的な格差がありそれが埋まることはないのか?→内的抑制力(慈恵心、友愛心)と外的なそれ(各種の規制政策)がそれを埋める力となるのでは。

・富裕層には自分で努力して貧民層から這い上がった人もいるだろう。その人たちから多くの金を取って再分配して良いか?→現実には累進所得税制はそれをしている。この制度は正しいか、正しくないか?等価交換が正しいと仮定する。また富裕層の持つ富はその社会のシステムの恩恵を受けた結果であるとする。そしてその恩恵は富者に対して累進的だとする。とすれば累進税制は正しいことになる。さて、この推論は現実を正しく述べているか?

・(移民の受け入れ拒否などの発言をしている)トランプ氏が支持を受けるということは、(支持する人たちは)自らの不安などで他の人を思いやるような気持ちがなくなって自らのことだけ考えているので、友愛的精神をなくしているのではないか。…ともあれ、政党が言っていること、ニュースで報じていることがすべてではない。多様な意見を聞いて、ふれてみて、考えを大学生活のうちにまずまとめていきたい。

 

 (これから・考える・行動する…)

SEALDSの運動について。彼らは安保法制に反対であるという。ならば(このような行動をしなくても)次の選挙で票を入れなければ良い。→彼らがねらったのは国会での法案通過を止めることなのでそれから見るとその行動は必要だったのでは。

・今まで学んできた考え方は、自分が実際に社会に出たり、家族を持ったりすることによって、さらに理解できるだろうし、実感できるのだろう。今後も考え続けなければならない課題がたくさんあったので、生活していく中で考え続けられたらよい。

・今回の授業を通して様々な社会問題が混在(関連?)していると改めて感じた。これらの問題に対する答はその時代を生きる人たちによってさまざまであるため、何が成果で何が間違いかは簡単には決めることができない。これから先の時代、何が起きるかわからないが、この授業で学んだことを使って考えられるようになりたい。/理論を学んでも行動しなくては意味がないので自分には何ができるか考えたい。

・@自然資源A生産物B生活の保障の分配。この三つの分配がうまく成り立つことが理想だが、それは難しい。しかしそれ(が難しいこと)を知っていても、この問題について考えることは、世界に不平等の格差があることを知り、自分が今どの立場にいるかを把握し少しでも多くの人が平等に幸せに生きるためにはどうすればよいのかを個人個人が考えるためだ。

・この講義全体を通して思ったのは、現代社会が抱える問題は容易に解決できるものなどないということである。…ある事柄に対して皆が同意見となることはないだろうから、・・・私はベンサムと考えが似てしまうが、できる限り多くの人が納得できる策を行うことが重要なのではないかと思う。これからの日本経済を良い方向に持っていくには政府の力だけでは限界があるので、国民の協力が必要になる。そのために、まず国民が社会問題に関心を持ち、解決のために自分に何かできることはないのか探そうとする意識が必要になるのではないか。私は経済学部に入学したのに、入学当時はあまり現代社会のことに関心はなかった。しかしこの講義を受けて本当に興味を持つようになった。これからも新聞を読むなどして関心を深めていきたい。