講義関連

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研究関連

1.科学研究費(基盤S:研究代表者:尾崎博)
間葉系細胞の免疫応答に着目した腸肝軸多段階免疫バリアーシステムの研究(H20〜H24)

【研究目的と経過】

血液凝固因子トロンビンや肥満細胞に由来するトリプシンなどのプロテアーゼで活性化されるプロテアーゼ受容体(PARs)には4つのファミリーメンバーがある。PARsに関する最近の研究で,炎症への関与の理解が急速に進み関心が高まっている。しかし、その大部分はマクロファージやミクログリアといった免疫系細胞や粘膜細胞に関するものであり、間葉系細胞における役割はほとんど明らかになっていない。本研究ではPARsの活性化が消化管の筋線維芽細胞あるいは平滑筋細胞の分化増殖に影響を与え、線維化などの二次的な変化を介して消化管運動不全に寄与しているという仮説をたて研究を開始した。

【具体的目標】

1.マウス胎仔線維芽細胞由来培養細胞であるBALBc/3T3細胞を用い,PAR4の役割を検討するとともに,PARサブタイプの活性化およびサイトカイン刺激によるPAR4発現制御機構を検討する。具体的には,shRNA によりPAR4発現を抑制した細胞でのコラーゲン産生能と増殖能変化,PAR1,2,4刺激およびTNF-αやIFN-γ刺激によるPAR4発現変化をタンパク質レベルで解析し,線維芽細胞におけるPAR4の役割を明らかにする。

2.消化管の炎症時には,一酸化窒素NOと抑制性プロスタグランジンPGE2の産生量が増加するとともに,プロテアーゼ活性化受容体(PAR)の機能は減弱し,PAR発現量もRNAレベルでは減少することを明かとした。しかし,PAR受容体のタンパク質発現量に大きな変化は認められていない。そこで,炎症に伴い増加するPGE2は,PAR受容体の細胞膜レベルにおける発現量を減弱させることで機能阻害が起こっているとの仮説を立て,これを証明するために膜発現受容体のビオチン化とマイクロビーズによる定量化を行い,発現量変化を検討する。さらに,発現減少における細胞内情報伝達機構を,各種リン酸化タンパク質抗体を用いて検討する。

3.1および2の研究と並行して,血管内皮細胞,血管平滑筋細胞,マクロファージにおけるPARsの役割も解明する。

【これまでの成果】

(原著論文)
Impairment of PAR-2-mediated relaxation system in colonic smooth muscle after intestinal inflammation. Sato K, Ninomiya H, Ohkura S, Ozaki H, Nasu T. Br J Pharmacol. 2006 May;148(2):200-7.

Phagocytotic activation of muscularis resident macrophages inhibits smooth muscle contraction in rat ileum. Sato K, Torihashi S, Hori M, Nasu T, Ozaki H. J Vet Med Sci. 2007 Oct;69(10):1053-60.

Proinflammatory cytokines suppress the expression level of protease-activated receptor-2 through the induction of iNOS in rat colon. Horie A, Nagai K, Ohkura S, Ohama T, Komatsu H, Sato K. J Vet Med Sci. 2009 Dec;71(12):1609-15.

Effects of trypsin on cytosolic calcium levels in rat aortic endothelium. Kaneko D, Komatsu H, Ohama T, Sato K. J Vet Med Sci. in press (2011).

2.科学研究費(基盤C:研究代表者:佐藤晃一)
消化管筋線維芽細胞プロテアーゼ活性化受容体の炎症性刺激による発現調節機構(H22〜H24)

 

 

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