ciaL020-00021
2002

部署名  機器分析センター
設置場所 機器分析センター X線分析室2

装置名称 全自動蛍光X線分析装置
型式   理学電機工業株式会社製 RIX 3000

導入年月日1996/3/11
導入金額 24,853,900

装置の概要
 X線発生部は定格出力60kV,100mA,X線管球はRh/W デュアルターゲットを使用し,分光方式は波長分散方式(LiF(200)SC用 およびF-PC用,LIF(220),Ge,PET,TAP),試料自動交換機に50個の試料ホルダが装填でき,1個ごとに定性,定量について任意にプログラムできる。

装置の原理
 試料にX線を照射し,物質に吸収されたX線の一部が各元素の種類により,固有のエネルギー(波長)を持った蛍光X線となり放出される。この蛍光X線を分光結晶で分光し,X線の波長と強度を測定することで,物質中に含まれる元素の種類と量がわかる。また,蛍光X線分析の特徴は,分析が迅速,非破壊分析も可能,スペクトルは化学的状態に影響されない,化学的に同族の元素の分析が可能,分析精度が高い,定性分析が容易,厚みの分析ができる,試料準備が容易,などである。w蛍光X線強度は,試料の表面状態や試料成分によって大きく左右される。同じ組成であっても試料の粒度効果あるいは鉱物効果などによりX線強度が変化し,検量線の直線性を乱す原因となる。このため,これらマトリックス効果(励起・吸収効果)の影響を小さくするために,試料調整が重要である。岩石試料の場合は,融剤と混合し均質なガラスを作り分析に供している。粉末で分析する場合は,アルミリングに試料をつめプレスマシンで加圧形成して表面の凹凸をできるだけなくす。定量分析をおこなう場合は,測定試料のほかに標準となる試料を用意する。B(ボロン)〜U(ウラン)までの元素が高感度で分析可能。5分間で定性,半定量分析が可能(高速スキャンニング機能)。ファンダメンタルパラメータ(FP)法を用い標準試料なしで,半定量,定量分析が可能。

共同利用について
 機器分析センターの共同利用機器である。利用申込により,装置責任者が利用内容を吟味して,ユーザーにマシンタイムを配分する

共同利用に際しての注意
 はじめて装置を利用する場合は,申し込み窓口になっている教員あるいはセンター技官の指導を受けること。ガラスビード作成の際,水の多い試料,硫化物のはいった試料は,注意が必要なのであらかじめ申し出ること。また,特殊な試料の分析を希望する際は担当者に相談すること。ガラスビードを作るビードサンプラ装置(東京科学株式会社製 NT-2100)と加圧ペレットを作るプレスマシンはセンターに設置してある。試料はそのままの状態で固体,粉体,液体の分析が可能(非破壊分析)(現在のところ,液体試料の分析はおこなっていない)。

必要経費
 使用料 1時間当たり400円。試料作成のための消耗品(融剤など)も各自で用意すること。使用者の過失によって装置が故障した場合,修理費を負担してもらうことがある。なお,依頼分析については,主要10元素(Na,Mg,Al,Si,P,K,Ca,Ti.Mn,Fe)は,1試料 1,000円。その他の元素は相談に応じるが,別途料金をいただく。

装置担当者
所属 :機器分析センター 
氏名 :永尾 隆志
内線 :5772
E-mailtnagao@yamaguchi-u.ac.jp