◇装置利用の手引き◇

透過型電子顕微鏡

1.装置の概要
 機種 Philips製 CM120, 加速電圧 20−120KV(6段階可変)
 透過型電子顕微鏡は、超薄切した試料に加速された電子線を照射し、透過電子線の陰影もしくは回折像を得ることができる装置です。

2. 装置の原理
 高真空中で高電圧加速された電子線は、電子レンズ(電磁石)によって収束または発散を繰り返す事によってあたかも光に似た経過をたどって物を拡大視することができる。電子線が透過した部位と反射した部位の陰影を蛍光板または写真像として観察する装置である。薄切された試料または薄膜上の微細な結晶の回折像を得ることもできる。

3.試料および得られる情報
 光で微細な構造を拡大するときの解像度の計算式のうち、波長が極めて小さいため解像度は極めて大きく、さらに拡大率をあげることができるため、微細な構造を観察することができる。
 この装置の分解能は格子像で0.2nm、粒子像で0.34nmが保証されている。
 倍率は、low magで35−2,300、high mag で3,000−750,000である。

4.この装置の特徴
 試料室
  試料ステージ  5軸完全自動制御方式
  試料移動方式  ジョイスティック
  試料位置  メモリー機能方式(25ポイント)
  試料移動量  倍率リンク方式
 焦点合わせ
  オートスルーフォーカス(9ステップ)採用
 撮影装置
  焼き付け情報機能採用
 安全装置
  自動スタートアップおよび自己診断機能
 真空排気
  イオンゲッターポンプ採用

5.利用に際しての注意
 センターに利用申請書を出して下さい。
 はじめて電子顕微鏡を使用される方は、あらかじめ電子顕微鏡操作技術講習を習得される必要があります。他の機種で使用経験の有る方は、運用責任者或いはセンター技官の指導を受けてください。特殊な試料の解析を希望される際も運用責任者にご相談下さい。

6.運用責任者等
 運用責任者 山岡郁雄(内線5695)
機器分析センター事務室(内線5773)

7.利用料金
 消耗品については実費を負担していただきます。

8.その他
 詳細は、運用責任者等にご相談下さい。