山口大学教育学部附属山口小学校>(体育)>(台上前転を極めよう!【6年】) 山本 純也
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単元名 「台上前転を極めよう」 総時数 28M(7時間)

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1 目標
○ 台上前転から挑戦を始めて、挑戦したい技を決めて、練習方法を工夫しながら繰り返し練習し、技を身に付けることができるようにする。
○ 跳び箱運動への互いの思いや願いを受け止め合い、技を身に付けようとする中で、仲間と共に運動する楽しさをわう。
2 指導計画
 1次  台上前転に挑戦する                  8M(2時間)
 2次  自分で決めた技に挑戦する             16M(4時間)
 3次  挑戦してきた技を発表する              4M(1時間)

第一次  「台上前転に挑戦する」

時間目  台上前転の技の仕組みを知り、挑戦する 
 単元始めに全員が台上前転を試してみる 
 本単元では、跳び箱における回転系の技を身に付けることをめざし、基礎となる技である台上前転を身に付けることから取り組み始めた。
 まずは、台上前転ができているということを明確にするために、技の構造をビデオや分解図で考え合うことから始めた。子供たちが台上前転という技を視覚的に認識できるようにし、全員が技に対する視点を共有した。「踏み切の仕方」「着手の位置」「頭のつき方」「背中のつき方」「着地の仕方」などである。全員が同じ技に取り組むことによって、動きの見方やアドバイスの交流が行われやすくなった。
 怖がっている様子の子供のそばに自ら寄り添いながら練習を共にしている子供の姿も見られた。同じ技に取り組むことによって、できない子供はできている子供の動きを見たり、「どうやっているの」と聞いたり、「どのようになっているかを見ていてほしい」と頼んだりしていた。同じ運動をしているからこそ、同じ場で取り組んでいる仲間同士で、運動を通した対話が自然に行われていた。

仲間と運動を見合うことにより、その運動への思いも汲み取りながら取り組み全てを見合うことになり、この後の取り組みにおいて、仲間の立場に立って言葉をかけたり、共に練習方法を考え合う姿につながっていった。
 
 台上前転を行ってみての感想を交流し、めざす跳び箱運動の方向性を決める 
 単元の導入の1時間目に、みんなで台上前転に取り組んだ後、感想や気付きを交流し合った。運動経験の違いから、取り組みの様子は様々であった。いきなり台上前転ができてしまい、どんどん段数を上げていく子供、マットで何回か前転をした後に台上前転に取り組んでいった子供、まっすぐ回れなく横から落ちてしまった子供などがいた。子供の取り組みの差異を見取った上で、感想を自由に交流させた。子供たちに「取り組んでみて、どうでしたか。感想を聞かせて。」と投げかけた。台上前転ができた子供たちは
「着地をうまくするには、いきおいを弱めたらいい」
「くるっと回る感じにしたらいい」

と台上前転のコツを伝えていった。できたという喜びとまだできていなくてできるようになりたいと願う仲間を支えたいという思いから語ったのであろう。

 できた子供たちの感想がつながっていき「できると楽しい」という感想からみんなでコツを伝え合いながら「みんなができるようにしたい」という方向性をもてた。

 反対に繰り返し取り組んでいたができなかった子供が、「わたしは、今日はこわくてできなかったけれど、できるようになりたい」と伝えた。他の子供が「〇〇さんのように不安をもっている人いますか」と聞き、数人が手を挙げたのを確認して「できないという不安を出し合えるようにするといい」と言った。
 
 話し合いの中から、みんなの願いを受け止め合いながら言葉をつなぎ、
「できない不安を出し合って、みんなができるようになる跳び箱」

という、互いの思いを全て伝え合おうとすることを柱とした共通課題を設定することとなった。

2時間目  台上前転の課題をもち、練習する
 導入で「できない不安を出し合って、みんなができるようになる跳び箱」という共通課題に向けて取り組むことを確認した。不安を全体の場で伝え全員で考え合うことも大切ではあるが、時間的に限界があるし活動の流れを中断してしまう。そこで、すぐに伝え合えるようなグループを設定していくこととした。

 挑戦する技の課題設定・追究・振り返りを「かいけつボード」で分かり合う 
 この時間から、グループごとに技の分解図を貼ってある「かいけつボード」を用意した。導入時に設定した課題と終末時の振り返りを紙に書き貼っていくようにした。課題は自分が意識するのはもちろんのことではあるが、同じ場で書くことで、自然と伝え合ったり聞き合ったりすることができた。また、分解図を掲示していることから、技のポイントを探り合ったり、体の部位の動きを見つけ合ったりする活動が見られ、課題追究のの補助の一つとなっていた。
 

第2次  「自分で決めた技に挑戦する」
時間目  新しい技に挑戦し課題を決める
 前時の段階で、全員が台上前転をできるようになり、新しい技に挑戦したいという願いを出していたグループを見取っていた。そこで、新しい技に挑戦する意欲をさらにふくらませることと動きのイメージをつかませることをねらって、2人の山口大学器械体操部員の方を先生として招いた

2人を紹介すると
「『首はね跳び』『頭はね跳び』をやって見せてくれるんだね。」
「楽しみだな。」

と期待する声が聞こえてきた。実際に模範演技をしていただくと

「すごい、足がピンと伸びていてきれいだな。」
「着地がぴたっと止まっていたよ。」
と技のポイントを見出し、自分の課題として取り組みたいという意識をもつことができた。

また、
「『台上前転』から足をふり下ろす感じでやるといいよ」
と教えてもらった子供は新しい課題の解決への手がかりを得ることもできた。
 さらに課題追究のポイントとして、補助の仕方も教えてくださった。2人とのかかわりの中で、子供たちは課題を追究する上でのポイントを多く得ることができた。
 

時間目  技の課題を決め、工夫しながら練習する@
 各グループで全員で取り組む技を決めて、互いの課題を伝え合った上で、「台上前転」「首はね跳び」「頭はね跳び」に取り組んでいった。マットの種類や置き方を考えて、場を工夫しながら、課題を追究し合う姿が見られた。課題を追究し合う姿とは、動きを見合ったり、課題に関する悩みを相談し合ったり、技のポイントを考え合ったりする姿のことである。
 授業後の振り返りでは、

「グループみんなができてうれしかった」という達成感に関する喜びや
「ほめてもらったり、アドバイスをもらったりしてうれしかった」
「心配して、励ましてくれた」など仲間とのかかわり合いのうれしさを感じている子供の声がつながっていった。

また、技能面にもいては「着手」「台上での動作」「着地」などの具体的な体の動きについての発見も交流し合った。

意欲が高まり合っているのを感じていた。しかし、前向きな感想ばかりではなかった。
「ずっとできていた『台上前転』で横から落ちてしまったのでこわくなった」
「まっすぐ回れなくて、どうしたらいいのか分からない」

といった不安や悩みを伝える子供もいた。
  

時間目 技の課題を決め、工夫しながら練習するA
 前時のふり返りから不安や悩みをもっている4人の子供を見取った。それを場ごとのカルテにして授業を行うこととした。

 導入時に課題が解決できない子供の悩みを取り上げ、コツや練習方法を出し合う
 仲間と共に課題追究をしていた子供のよさを伝え合う 

画像クリックすると試聴(wmv)できます。

時間目 技の課題を決め、工夫しながら練習するB
 前時と同様に導入時に不安や悩みを取り上げて、解決に向けての知恵を出し合った。共に考え合うことのよさを醸成していきているので、温かい雰囲気の中で技能の獲得をめざして学び合う時間となった。
 

第3次  「挑戦してきた技を発表する」
時間目 技を発表し合い、学習を振り返る
 学習のまとめとして、途中かかわっていただいた器械体操部の2人を招いて、「挑戦してきた技の発表会」を行った。緊張の中にも自身の伺える表情が多く見られた。自分たちが取り組んできた場で技を発表することとした。
 振り返りのときには、
「『台上前転ができるようになってよかった」
「みんなと協力しながら技に挑戦してきて楽しかった」
「これからも、仲間といっしょに楽しく運動していきたい」

など、仲間と共に追究してきたよさを実感している言葉が伝えられた。

 器械体操部の方からも
「最初のときよりも、ずいぶんうまくなっていたのでびっくりした。みんなで協力して学習してきたからだと思う」
という言葉があった。温かい雰囲気と達成感のなかで授業を終えることができた。


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